小池百合子さん、パフォーマンスしか考えていないようですが、まだ細目が詰まってないのに会見をやるってことだけ決まってて、騒動になっております。いまが18時30分ですから、一時間半の間に全部の調整を終えるつもりなんでしょうか、さすがは我らが小池百合子さん。安定感ゼロでも全力で走る姿勢、感動を禁じ得ません。

 小池百合子さんと言えば、豊洲市場移転では共産党や森山高至さんの与太話に乗せられて多額の都税を無駄にし、さらに2号線の着工も遅れたうえに東京オリンピックの開催にあたってはホストであるにもかかわらず意志決定から外されるという大技を披露されましたが、今回もこの大ピンチの状況でスーパー見切り発車をして都政と都民を大混乱に陥れてしまうのでありましょうか。

 いまさら何を笑うのかという話ではありますが、千葉を見て「森田健作よりはマシ」と自分を慰める以上のことはできない都民としては、今回の見切り発車が「緊急事態宣言」でないことを祈るのみです。ガースー黒光り官邸の主である官房長官・菅義偉が記者会見で小池さんの暴走を念頭に「ギリギリ踏みとどまっている」と発言する伝統芸能を見せ、3月31日まではやるなよ、やるなよ、絶対にやるなよというダチョウ倶楽部メソッドをフリにしたのがいけなかったんでしょうか。

 そして、小池百合子さんが「やるなよ」と言われた非常事態宣言を前のめりに出してしまうのかどうか。まだ分かりませんが、私は確かに現段階で外出の自粛要請だけでなく、感染症法33条等に基づいた強制力のある外出禁止令を出すのは仕方がないタイミングではあると思います。ただ、できて3日間、どこで打つかという問題と、「新型インフルエンザ等」に突貫工事で今回の新型コロナウイルスも入ったのでこの伝家の宝刀を抜くにあたっての抜き方が大事なわけですよ。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令の 一部を改正する政令等について(施行通知)
https://www.mhlw.go.jp/content/000613829.pdf

(交通の制限又は遮断)
第三十三条 都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため緊急の必要があると認める場合であって、消毒により難いときは、政令で定める基準に従い、七十二時間以内の期間を定めて、当該感染症の患者がいる場所その他当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある場所の交通を制限し、又は遮断することができる。

 一か所を想定している条文ですが、ドバーッと制限しちゃえばいいんですよ、ドバーッと。
 そういうことをやるために、わざわざ3月26日に政令出したんでしょ。

  充分ではないけど強制力があるので、何かやるのであれば、せめて3月31日15時以降にしてほしいんですよね。もしくは、やるぞやるぞと危機感を高めていって、北朝鮮のような芸術的な瀬戸際外交を小池百合子さんには期待しなければならなかったのです。彼女自身にそのような能力があるかどうかは別として。

 でも、都道府県知事の持っている権限は、今回とても大きいんです。いままでは、新型コロナウイルスが指定感染症になって、強制措置・入院させられる方針を打ち出せるだけでなく、交通機関も強制的に止められる。そのぐらい、東京都民の健康と財産は小池百合子さんの双肩にかかっておるわけです。

 しかしながら、小池百合子さんがぶっ放した発言はこれです。

小池都知事、志村けんさんの死去を「最後の功績」。ネット上で批判の声 https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e819fdfc5b6256a7a2d8a9a

最後にですね、悲しみとコロナウイルスの危険性についてですね、しっかりメッセージを皆さんに届けてくださったという、その最後の功績も大変大きいものがあると思っています。

 いや、そうじゃねえだろ。

 最初これを見たとき鼻水が出ました。せめてコロナ騒動が落ち着いた振り返りで言えよ。どうしてこういうときだけ正直者になるんだよ。

 ということで、小池百合子さんが記者会見で余計なことを言って爆発が発生して記者席が陥没し、記者会見場がセットごと壊れて最後に黒塗りになった小池さんが「だめだこりゃ」と言って大団円としていただきたいと願うのみです。

 で、宇佐美典也さんも書いておられましたが、軽症の感染者対策として隔離策はどうかという話は実際に動いていたものの、結局は人員、機材、装備の問題で実働させるにはリスクの方が大きいということで検討段階でまだ止まっている雰囲気があります。

https://twitter.com/hinabe_ch/status/1244549114857000961

 本件については、カエル先生こと高橋宏和さんも指摘されていますが、人工呼吸器だけがあってもしょうがないですし、一時的な隔離施設があってもダイヤモンドプリンセス号のような状態になりかねない(空調その他、感染症対策が行えるようにはそもそも建物が設計されていない)ので、改装した施設内で感染がむしろ蔓延する怖れがあるだろう、ということのようです。

志村けん氏の訃報を聞いて町医者が伝えたいこと。
https://www.hirokatz.jp/entry/2020/03/30/103946

 あくまで人工呼吸器ってのは最後の砦であって、一番大事なのは家からなるだけ出ず、自分が感染しないこと、感染している可能性があっても無自覚である以上自分が感染を広げないようにすること、に尽きると思うんですけどねえ。

 そうこうしているうちに、官房長官の菅義偉さんが「緊急事態宣言やロックダウンの噂を強く否定」と言っておりました。本当にやらないのならそれがベストだと思うんですけど、わざわざ3月26日に感染症法の政令まで2発ぶっ放しておいて、観測が出ないはずがないわけですよ。

菅長官 「近く緊急事態宣言」「ロックダウン」のネット情報を強く否定 https://www.sankei.com/politics/news/200330/plt2003300024-n1.html
日本医師会「緊急事態宣言出してよい状況」 #日テレNEWS24 #日テレ #ntv https://www.news24.jp/articles/2020/03/30/07617631.html
 
 「3月31日までもってくれ」ということであれば、菅義偉さんとまったく同じ気持ちです。
 ただ、それだけ安倍政権・官邸が後手に回った対策もあって、医療崩壊しかねないという危機感を国民にどう持たせるのか、あまりきちんとしたコンセンサスはないのだ、ということの証左なのだろうな、と思います。

 むしろ、東京証券取引所を閉めろ、大正義・中央線山手線を含む公共交通機関は運行をやめろ、空港も一時的に閉鎖だ、だから国民は危機感をもって当面の2週間・3週間は外出をせず、みなで結束してコロナ危機を乗り越えていこう、あとでリーマンショック時以上の経済対策は打つからさ、と言ってくれればそれでよかったんですけどね。

山本一郎(やまもといちろう)YouTube

山本一郎既刊!『ズレずに生き抜く』(文藝春秋・刊)

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(追記 20:45)

 30分ほど遅れて始まった会見、ネット上では「おい、小池!」など待たされた視聴者からの怒号が飛び交っておりましたが、15分見てたけどもちろん何らかの宣言は出ず。

 そればかりか、具体的な休業補償など対策の発表は無し、外出については改めて自粛程度の呼びかけで終わりという、何のための緊急記者会見なのかという状況になり、しめやかにタブを閉じました。

 さっき読者の方からご指摘ありましたが、日本医師会はこんなことをすでに仰っていたのですね。医療クラスタからすれば前の週末(27日)に出していれば感染がもっと防げたかもしれない、という忸怩たるところは大きいのかもしれません。ただ、週末に宣言出したら経済が死ぬというギリギリの線じゃないかと外部からは思えるんですよね。

日医幹部、首都圏「緊急事態宣言してよい状況」:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57400220Q0A330C2EA2000/

 菅義偉さんとの間で先を見据えたブックありのプロレスであることを祈るのみであります。

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