ネタ列挙本だし、一度二度読んで「わははーw」と笑って終わるタイプの内容ではあるんだけど、深すぎず、浅すぎず、さらっと読んで面白がれる本に仕上がっていました。

 んで、言葉遊びだと舐めていると、やっぱり太宰治とか夏目漱石とかの古典を読み返したくなるノスタルジーに駆られてしまい、ついつい本棚を漁るわけですよ。そして、往々にして目当ての本は無い。引っ越ししたとき処分したのか、誰かに貸したままどっかにいったのか、無いもんだから買いに走る、ダウンロードしてしまう。

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もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら [ 神田桂一 ]
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 そこで、ハッと思うんです。文化ってのは時代の連鎖なんだと。思い返すと、なんでこの本が面白いかと言えば、小学校時代に受験勉強の中で出てきて何度も読んだり、勉強から解放されて自分自身が好きで読んだり、人生に繰り返し出てきて、心の中でイメージして、共感して、怒ったり泣いたり笑ったりしている。そういう共通体験があるから、焼きそば作る文豪というネタにピンとくるんだろうなあと。

 読後感としては、パロディというより落語に近いです。この並びの100人の文豪の中になぜか山本一郎も入れられていて、なんか別人格が歩いているかのような錯覚になるのも含めて、異様な体験でした。そして、同じテーマでは二匹目のドジョウはいないかもしれないし、次なる新しいネタを探り当てて本にしたりするんでしょうけど、そういう楽しみ方も感じさせる一冊であります。

 昔読んだ本をフラッシュバックさせる内容ですので、ある意味で「読んだ文章の記憶のリファレンス」みたいなものなんでしょうか。述べた通り、うっかりKindleに入れっぱなしだった『こころ』とか私も読んじゃいましたからね。

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 何しろ、読んでて面白いわりに読後感がさわやかです。古典って何だろうなあっていう風には思うんですよね。「読み継がれるから古典なのだ」としたとき、文体が持つ味って何だろうかと思いを馳せてしまいます。はい。


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