「やりたいことができる人生って素晴らしいんだろうな」と感じる人は、一年のおよそ半分を大好きなサッカー観戦で海外を旅する村上アシシさんの話を聞いたほうがいいと思うんですよ。

 一見風来坊で無茶なことをしている人物のようには見えますが、ある意味で「いまを最高に生きる」ことにおいては文字通り第一人者です。対談もしたんですけど、相変わらず尖っていました。その辺にふよふよしている風船が片っ端から割れるぐらいの鋭利な尖り方です。

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 私が彼を見ていて思うのは「目的に対する集中力の高さ」です。突き詰めれば「私はこれがしたい」と具体的に落とし込めているので、いつの間にか南米にいたりロシアにいてもまったくブレないし、周りも驚かない。

 でも、私もお前も「お前の人生における目的はなんだ。それに集中すれば、半年だけ働くことで充実できますよ」と言われても、頭では「そうか」となって、その後は実際に、あれ、吾輩の人生って目的なんだっけ、何が楽しいんだっけ、ってなってしまうわけであります。

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 やはりですね、人生を謳歌するには謳歌する歌詞を覚えなければならないし、節も丁寧に歌い上げられなければならんのですよ。一方で、対談でも今後出てくると思いますが、背負うものも出てきます。独身で稼いだ金は自分のものだから好きに使える時代もありましたし、親の介護や育児その他で走り回るようになると、やはり学校の暦にあったお休みしか取れなくなります。親になんかあれば、旅行先から飛んで帰ったり、いままさに旅行に行こうというところで歯噛みしながら帰宅を強いられることだってあります(実話)。でも、自分の楽しさの実現だけが人生ではないと思い至れるようになると、むしろ村上流の「半年だけ働く。」ことの意義も貴重に思えてくるのです。

 何かに打ち込み、これが好きだと言える自分と、何かを背負い、これを果たさなければと考える自分とを切り分ける苦しさも、やりくりしてどうにかする情念も、すべては自分の人生を如何に豊かなものにしていくか、また、自分が生きた証を打ち立て、生きる意味を見出し、価値のある人生を誰憚ることなく送ることができたという納得感に直結します。

 だからこそ、村上アシシさんのモノの考え方をそのまま鵜呑みにして実行するというよりは、己の人生の中で「何に意味を見出そうとしているのか」を見定め、限りある人生を楽しく有意義なものにするためにどうするべきかを考えるほうが良いと思います。哲学的なことではなく、自分自身の生き方は自分でしか決められない、だからこそ、稼ぎ方と使い方とを制御できるようにすることが、良い人生を送る最善の方策なのだということに気づくための書だ、ということです。

 彼と私は随分違う人生を歩んでいるけれど、それは当たり前であって、私は彼ほど爽やかでもないし人懐っこくもないので、それ相応のスキルを別で磨いて家庭を築き子供を儲けて楽しく生きています。これは、読む人ごとに良い生き方がある前提で、どう実現するかを思い描き、羽ばたくために気後れせず前に進めるための本だと感じます。読んでいて「そりゃ村上さんが優秀だからだろ」とか「子供いて介護始まるとそんなこと無理だよ」ってツッコミもいれたくなるでしょうが、自分を再考するという意味でもお薦めしておきます。

 さきほど、45歳の誕生日を迎えました。

 別に大台というわけでもないし、この歳になって誕生日が来て年齢を重ねること自体には何の感慨も無くなっているなあというのが正直なところですが、自分自身は持病もありつつ健康で、また家族に囲まれて幸せに暮らせているというのが何よりの感謝です。今年も家族親族とともに、静かな、それでいて騒々しい年の瀬、新年そして誕生日になりました。

 一昨年から半常勤や時間拘束のある仕事の量を大幅に減らし、セミリタイア気味の日々を送りつつも、介護や育児、合間を縫っての執筆や資産運用、ご相談事の仕事と、なんだかんだで慌ただしく過ごしています。親族の術後の闘病生活も幸運なことにめどが立ち、長く共に暮らしていければと願っています。

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 子供たちも至らぬ私にも似ず順調に育ち、長男は熱中すれば脇目も振らずどこまでも、次男は人の輪にあって物おじせず友達と仲良く、三男は旨い具合に要領よく、三者三様見事に個性的な男子に成長してきました。家内も育児の苦労と闘病でしばらく大変でしたが、このところは体調もかなり戻り、まずはホッとしているところです。今年一年で視界が晴れるといいなと強く願う次第です。

 昨年は、自分の人生から余分なものが削げ落ちて、生み出せる価値に忠実に生きていくための準備が整った一年があったと実感しています。今年は、そんな一昨年からから昨年にかけて蒔いた種も充分に育ち、あまり手を広げず、丁寧に一歩一歩進めていきたい取り組みにしていきたいと思います。

 神と家内と子供たちに限りない感謝を。今年もよろしくお願い申し上げます。

 なぜか発売日にちゃんと発売されてたのが変なフラグになってなければいいんですけれども。


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 現段階ではこの『信長の野望 大志』は残念ながら完全な駄作です。

 50時間ほどプレイし二度統一したものの、クソ過ぎて年を越せない出来栄えになっていると思います。

 何より、合戦は強制プレイな上に部隊数さえ確保できれば数倍の敵も捌けるクソさ。1,000人の農民兵3部隊で武田騎馬軍団20,000人を囲んで気勢崩ししながら挟撃するだけで敵は壊滅して撤退するとか、逆に1万対1万で殴り合ってたら横から出てきた100人の部隊に奇襲された上に挟撃扱いになって無事潰走とか。

 ストレスたまるのは一度命令を出すと一定時間はオートなんですけど、視界が狭すぎてお互い敵を発見できなくて至近距離ですれ違ってしまい、後で敵に囲まれるという。駄目すぎる。鉄砲部隊とか鉄砲撃つ前に手前で止まらなければならないはずなのに至近距離まで近寄って行って物理で殴っているという。駄目にも程がある。味方の部隊のいないところに陣が張られていて、これを守らないと士気面で不利になるのに味方がたどり着く前に敵の騎馬隊が陣を落としているとかストレスマッハになるわけであります。駄目だっつってんだろ。

 もうね、囲まれたくないから平陣で押すか、兵数が不足していたら敵の左翼か右翼にだけ味方部隊を固めて囲んで順番に殴れば戦争に勝てるわけですよ。つまらん。っていうか、壊滅して敗走している敵の方が逃げ足早くて追いつけないとか、百分の1の敵に奇襲されて大打撃とか、ほんとやめてほしいんですよ。平地での戦争なのに走ってくる騎馬隊見つけられなくて奇襲されるとか最悪です。どこ見て攻めていってるんだよ。

 何が嫌って、そういうクソつまらん戦争が強制なんですよね。勝てるのはわかってるけど、時間かかってしょうがない。

 内政もパラメータあるんですけど原則として無関係です。内政が高かろうが低かろうがコマンド打てば結果は同じ。クソい。そして開墾するとどんどん治水度が下がる、でも灌漑して治水回復させようにも開墾一回分で減った治水ほども回復しない。しょうがないので方策でカバーしようとするけど、うっかりすると治水20とかでも方策さえ充実していれば被害ほとんどゼロ。

 問題は疫病で、石高高くて農民がいっぱい死ぬと、毎月ちまちま増える流民が死んだ農民の遺した農地で全部働きだすまで足軽が雇えない。しかも、疫病が流行るとすべての城で人口が大幅減になるらしい素敵仕様。日本全国で農地余りを起こすので、もう農業生産量とか生産性などどうでもいいから全力で農兵にして戦争するほうがいい。

 おまけに外交も理不尽で、敵が数倍で攻めてきても米1,000ほどで講和があっさり成立するとか、姉小路ではじめて齋藤道三さんのところに使者送ったらもれなく帰蝶さんが嫁入りしてきてくれるとか、さっき滅ぼして登用したばかりの家臣が翌月には元気に評定に参加してるとか、一度敵認定されると何を努力しても外交が成功しないとか、近隣国が攻め込まれたらついでに攻め込むと多額の賠償金がもらえる和平交渉がくるので財政が一気に楽になるとか、まあひどいわけですよ。

 姉小路でやってて面倒だから武田齋藤上杉織田北条と婚姻や同盟結んでそのまま小笠原木曽神保畠山本願寺朝倉浅井六角足利波多野滅ぼして、三好筒井近畿畠山北畠鈴木攻め込んでそのまま天下統一とか悲しすぎます。なんという作業。

 というわけで、大幅なバージョンアップでもあるか、パワーアップキットでも出ない限り本作品はお勧めしません。個人的には昨今のシミュレーションゲームでは類を見ないレベルの駄作だと思います。

 あのさあ、姉小路のいる飛騨に金山があってね、齋藤武田と同盟や婚姻が結べたら、木曽小笠原確保してそのまま金余りになって流民全部足軽にできるからいきなり姉小路軍事大国とか、あり得ないわけですよ。商圏システムはほんと大失敗だと思いますし、合戦も不合理だわ強制だわ、内政はうんこ、外交も理不尽ということで、本作品はせめて内政と外交と戦争を改善してほしいと思うわけであります。

 最低でも内政と外交と戦争が良くなれば面白くなるんじゃないですかね。そのぐらい微妙な完成度です。お薦めしません。

 なお、上級では青森の浪岡家とか佐賀の秋月家などは、救済の余地なく何もできずに滅ぶ気がします。工夫のしようがないのです。やりようによっては毎回合戦で勝てればと思うんですが、秋月家とか娘が生まれない限り武将が一人しかいないので、本当に詰んでいるのです。本当に、プレイヤースキルではどうにもならないです。

 どうしてこんなんでリリースしたのかは知りませんが、まあもうしょうがないよね。マジで。

ひところベンチャー投資界隈で話題になっていたペジーコンピューティングが詐欺容疑で摘発されてしまいました。

ベンチャー幹部に数億円詐欺疑い https://reut.rs/2ikYmbM

スパコン企業社長 詐欺容疑逮捕|NHK 首都圏のニュース   http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20171205/0004515.html

[引用]

ことし世界トップクラスの省エネ性能を誇るスーパーコンピューターの開発に成功して注目を集めた、東京のベンチャー企業「PEZY Computing」の社長の齊藤元章容疑者(49)ら2人が、経済産業省が所管するNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構から助成金4億3000万円あまりをだまし取ったとして、詐欺の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。

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 ひところ、最高速で省電力なスーパーコンピューターをこの「天才」斎藤元章さん率いるベンチャー企業が開発したということで盛り上がったわけなんですが、これはこれとして、NEDOから研究費の水増しを行い研究助成金を詐取したという一発目の嫌疑になっているのは興味深いところです。

 何しろ、日本のベンチャーシーンで「これはすごい企業が出てきた」と盛り上がっていましたし、日経ビジネスがやっている日本イノベーター大賞では思い切り大賞を授与してしまってあららこららという話であります。大丈夫か日本イノベーター大賞と言いたいところですが、同年に受賞されているのは「あのZMP社の」谷口恒さんですので大勢に影響はないものと思料致します。

 もちろん、Pezy Computing社(Exascaler)の持っている技術は偽りのものではないにせよ、表に出ている斎藤元章さんの天才性は必ずしもアレであるという話はこの界隈で暮らしている人であれば2014年以降ずっと燻ってきていたことですから、おそらくはこの助成金詐取話から先にいろんな枝葉がついて別の嫌疑が取り沙汰されたり、ネトウヨ方面が騒然とするような話もいろいろと出てくることでしょう。

“日本の頭脳”が予測 生活費無料の未来 | KEY PERSON|WEB GOETHE|ウェブゲーテ
https://goethe.nikkei.co.jp/article/128652019.html
第14回 日本イノベーター大賞 受賞者決定 大賞は、純国産のスパコンを開発するPEZY Computing社長の齊藤元章氏
http://corporate.nikkeibp.co.jp/information/newsrelease/20151022.shtml

 なお、このPezy Computing、グループ会社内にはとても優れた技術者の方がいらっしゃいまして、そこは大変に惜しいところなのですが、さほどベンチャー投資のマーケットには名前が出ることが少ない企業でもありました。確かに天才かもしれないが… と言ったところでしょうか。

 そこで、ご一緒していたのは日本アジア投資さん(JAIC)や、みんな大好きサイバーダイン(筑波大学)です。念のため、どこかで書かれていた話を置いておきますが、現在はすでにどこぞに売却済みになっている模様です。なぜ売り抜けられたのか、誰がババを引かされたのかは不明であります。

投資先PEZY Computing、ExaScalerがCYBERDYNEと業務・資本提携
https://minkabu.jp/news/945997
売上4億円だけど410億円おかわりファイナンス、CYBERDYNEがサイボーグ型ロボットより一足早くノーリスク型株券印刷ロボットの開発に成功 - 市況かぶ全力2階建
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65812054.html
CYBERDYNEの上場すごくよかった。とくに親指立てながら溶鉱炉に沈みかけた株価が生還したシーンは涙無しには見られなかった。 - 市況かぶ全力2階建
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65785066.html

 とはいえ、起訴されたわけでも有罪判決がでたわけでもないので、現段階ではあくまで疑いであるという前提です。不起訴に終わる公算もおおいにあります。ただ、おそらくはこのPezy Computingのネタは単なる「NEDOから助成してもらった資金を目的外に利用した詐欺容疑」だけではなく、その「目的外に利用した」資金が何の目的でどこに流れていったのか、KEKや理化学研で彼らが何をしようとしていたのかなど、気になるポイントはたくさんあります。

 いろんな意味で斎藤元章さんや、かの会社にいる研究者、技術者には優れた人がたくさんいるので、正すべき襟は正して、上手く乗り切っていただきたいと願っております。

 なお、蛇足ですがPezyグループと同様にNEDOの事業採択から助成金が拠出され、筑波大学と連動する形で落合陽一さんが素晴らしいベンチャーを建立されました。新しい時代を切り拓くのに相応しい、良い仕事をして欲しいと思っています。

落合陽一率いるピクシーダストテクノロジーズ株式会社、第三者割当増資およびNEDOのSTS事業採択を通じ、総額6.45億円の資金調達を実施し、新体制を構築。
http://pixiedusttech.com/003/

 せっかくの良い話なので、危ない橋を渡らないように切に願う次第です。

(追記 14:05)

 経費の水増しについては、日経が少し踏み込んだ表現をしていました。

「スパコン」ベンチャー社長逮捕 助成金詐取容疑:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24265320V01C17A2CC0000/

[引用]

捜査関係者によると、逮捕容疑につながったメモリーデバイスはこれらのスパコンには使用されていなかったとみられる。

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 まあ、誤解を恐れず単純に言えば「省電力スパコン開発のための高機能メモリーデバイス開発するわ」「ええで」「できた。4億6,000万ハラディ」「おう」「サンガツ」「待てや。そのスパコンの中、高機能メモリーデバイス入っとらんやんけ」「ほげええええ」という流れなのかなと思っております。

 さて、水増しされた4億6,000万円はどこへ。

(追記 6日 9:54)

 異論のようなものが出ていたので、併せて掲載しておきます。

PEZYの社長逮捕について、勘違いしている人が多いのでメモ https://anond.hatelabo.jp/20171206010544

 ただ、この内容は当たり前の話で、本来目的とされていた助成内容とは違う開発に流用され、それが他のスパコン受注やソフトウェアの納品に使われたために地検が取引先である各社や研究機関に対面調査をやり、内偵までしていたのです。おそらく途中で返金その他警告もあったんじゃないかと思います。

 NEDOへの報告書において水増しがなされていたであろうことは(その悪意の有無はともかく)事実であろうと思われるので、今回の摘発劇の前にPEZY周辺から出ていた話と見比べても相応の事件性があると判断されたのは間違いのないところでしょう。

 私が言うのも何ですが、検察は暇なんじゃなくて単に真面目にやってるだけだと思いますよ。もちろん、PEZYの斎藤元章さん以下の嫌疑が充分に晴れ、無罪になることを祈っております。


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 親父が深圳や大連、上海など手広く進出していた中国事業を撤収して15年ぐらい経つだろうか、あの牧歌的な頃の深圳はもう戻らないけれども、この若い藤田祥平さんという書き手の感じていることは圧倒的に(肌感覚として)正しいと思うんですよ。

日本が中国に完敗した今、26歳の私が全てのオッサンに言いたいこと http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53545 

 で、中国の景気の良い深圳は金がどんどん集まり、景気のイマイチな大連は金も人も去っていくという、中国特有の「都市間経済戦争」に時代は突入していっていて、ある意味で文化大革命で銑鉄の生産を地方政府の重要課題としたころの中国の趣と変わらない部分はあります。単純に、先進的であれ、外貨を獲得せよ、と中国共産党の方針に従って、藤田さんのいう「ツメの甘い企画によるプロダクト」が乱立するのも、質が低く使い物にならない鉄が量産されたのも、ダイナミックな中国が描く超最先端と駄目すぎる人々とが描くコントラストであります。

 44歳のオッサンである私は、学生時代に日本のバブル経済を経験しています。そのころは、日本が最先端だということで、色んな国が視察に現れ、ジャパン・アズ・ナンバーワンと叫ばれ、誰もが日本のやり方に興味を持ち、良いところを取り入れようとしていました。しかし、時代を下って分かったことは、世の中にそんなバラ色なことはなく、くだらないものにカネがつく時代は長くは続かずに、一度リセッションに転じると失われた二十年が始まってしまい、大学卒業のタイミングが就職氷河期に被ってみんな大変な思いをしたという事実であります。

 おっさんの知恵は「調子のいいときに浮かれず、駄目になったときのために備える」ことであります。確かに中国からのファンド出資がなければ日本のアニメ産業は成り立たないし、ゲームも映画も企画の段階でいわゆる「中国市場ウケ」や「中国の偉い人たちに具体的な繋がりのある会社を通じてビジネスをする」ことがGPの必須チェックポイントになっています。DMMが虎の子のコンテンツを中国に譲渡したのも、日本を代表するIPの新作映画の出資が半分近く中華資本になったのも、それもこれも「いま中国の一部には投資先を探さなければならないカネが余っているから」であります。

 しかし、パチンコからの資金流入がアニメ産業を支える仕組みが20年もたなかったように、いずれバブルが弾けて大変なことになるかもしれない中国との付き合い方を「のめり込みすぎない程度に考える」ことはとても大事なことだと思うのです。もちろん、いずれ腹が減るからと言って食事をしないのは愚の骨頂ですから、中華系ファンドが出資してくることを止める必要は何もありません。お互い、良い面だけ見て仕事をすれば良いのです。でも、それは中国市場や経済がいつまでも続く伸張をするという有り得ない仮説のもとに仕事を組み立てることは危険なのであって、いま中国の景気の良い都市から出てくる「これからは日本のCGやVRだ」といって行ってくれる投資を受けることと、もしも中国からの資金がなくなったらどういうオプションが考えられるかということとをきちんと考えながら仕事をしていく必要がある、ということです。

 バブル経済というものは、弾けた後でないとバブルだったと分からないからこそいろんな人が踊り、あれは凄いと褒め称え、中国が勝った日本はもうダメだと言いたくなるのです。それは、ロックフェラーセンターを落札してアメリカの時代は終わり、これからは日本が世界経済の中心になるのだと純粋に信じた80年代当時の日本人の驕り、油断、緩みが、大きな反動として衰退と低迷の日本を作り上げてしまった反省を、おっさんは担う必要があります。

 一方で、若い人たちが「景気の良い地域の仕事」を見て、いいなあ、凄いなあと肌で感じて楽しんで羨ましく思い、魅力的だ、素晴らしいと感じるのは良いことだと思うのです。26歳なら、どんどんいろんな地域を見て、経済成長の良さを味わい、様々な人達と交流して、思ったこと感じたことを素直に記事にしてみんなに読まれ、共感されたり怖れられたりするのが必要だと思います。若くからしておっさんである必要はありません。

 その意味でも、とても良い記事を読ませてもらいました。藤田さん、ありがとうございました。


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