「お前じゃねえよ」って声が聞こえてきそうですが、希望の党の比例東京ブロックから上杉隆が出馬するのではないかという話が出ていて騒然としております。

 いろんな意味で捨て身なんでしょうか、希望の党。どうせやるからには華々しくやろうという気持ちは分からないでもないですが、正座して小池百合子大先生のご親攻たる電撃出馬会見を待っていたら、上杉隆が出てくるなんてあんまりです。

 もちろん、小選挙区の比例代表重複立候補をリスト的に優先するのが定石でしょう。現状で議席17の比例東京で希望の党が最大で確保する7議席でみたときはかなりの確率で赤絨毯を踏む上杉隆を拝めるかもしれません。逆に、このまま小池百合子女史が出馬せずとなれば、下手すると3議席4議席しか比例代表で確保できないぞということで比例復活する小選挙区勢がリストの上の方にあれば上杉隆はカカシで終わるわけであります。

 なんかもう、希望の党も大変なことになってきました。
 これは小池百合子女史が都知事の職を投げ打って衆院選立候補の道筋をつけ、堂々と首班指名を受けて政権交代を目指すしかないんじゃないかと思うんですけどね。

 ここで小池女史が変に日和って、獲得議席が3桁切って改選前勢力さえも確保できないとかいう竜頭蛇尾っぽい流れにならないよう、いまのうちに希望の党はアゴラ編集長にして平成が生んだ最高峰の天才軍師で百戦百勝の実績を誇る新田哲史を選挙参謀最高顧問に迎えて日本全国を一気に制圧するぐらいの勢いで頑張っていただきたいと強く願うところでございます。

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 本人の自業自得もありつつ、小池百合子女史は自分の周りにちゃんと汗をかいたり、言いにくいことを組織に伝えたり、本人の代わりに代弁してくれるまともな人を一人も置いておかないので、結果として周囲が状況に立ち往生してしまうわけですよ。

 小池百合子女史は実務の「じ」もやらない人だと弁えて、肩代わりしてくれる番頭がどうしても必要であって、もちろん目立たない人で良いので地道にやってくれる信頼できる同志が一人でも二人でもいれば、随分違ったと思うんですよ。

 でも、周りにある意味でイエスマンを揃えたがるし、トップ自らが独断専行をしてしまうので、茶坊主みたいなのか、役立たずのいずれかしか組織に残らないようになっている。これは都民にとっても悲劇であるし、都庁、都民ファースト、希望の党、どこでも同じ問題を起こしているわけです。

 それは、防衛省の大臣という重要閣僚が転がり込んできて、勝手に事務次官クビにして、当時の官房長官であった塩崎恭久さんという切れ者の瞬間湯沸かし器と喧嘩して更迭された事例ひとつとっても「この人はイメージで物事を進めて、着地点を決められないうえに人に相談できないのだ」ということは良く分かります。だからこそ、身を捨て都知事選に転出できるような勝負勘はあっても党内で権力を掌握し上を目指すなんてことは全くできない人なので、今回のように流れを作って一発勝負に挑むことでしか野望を達成できないのでしょう。

 いちど、月が欠けると速いのです。自分で自分の出馬も焦らしているから、テレビ広告の手配も進まず、おそらく公示後は山ほどネット動画が流れます。そのカネだって、立候補した人からの上納金ですけど、そういうお金で作成され、ベクトル経由で押さえられた広告枠で流される、小池百合子の小池百合子による小池百合子のためのイメージ動画です。

 それでも、こうなった以上は頑張らざるを得ません。候補者一人ひとりにそこまでの罪はありませんし、裏方や会計、法務をやっている人たちは真面目にどうにか状況を改善しようと頑張っている人たちでしょうし、善戦を期待したいです。判断するのは有権者ですから、日本にとって良い形で、最善の結果が常に出ると信じて、政治報道を見ていきたいと思う次第です。

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 いろいろ翻弄されて大変だろうと思うんですけど、前原さんは「何かを変えなければ、民進党は浮上しない」と考えたのでしょう。そして、一人でも多くの議員を国会に送り込む、なるだけ地方組織はしっかりと残すことを考えたときに、いままでの民進党という傷ついた器をただただ経営していくだけでは、勝負がかけられないと判断したのではないかと思います。

 そして、元ザヤだ、また騙されるだと党内でも揶揄する声の大きい自由党小沢一郎さんとの関係をテコに、それも、あれだけ小沢一郎さんを嫌っていた前原さんが、必要であると判断し、それはそれとして野党共闘の路線も睨みつつ、民進党の名前で落とされる政治家が減るように希望の党とクリンチしていくという。もちろん、赤松グループは「とんでもない」と思うでしょう。でも、本当に必要なことは生き残ることであり、生き残るために連合の支援を受けながら、必要な改革を行い政策を実現していくための勢力を残していかなければならない、と。

 勝負師として小池百合子女史がクローズアップされやすい部分ですが、退勢の民進党から一歩前に進むために打てる博打は惜しまず打ちに行く、解党的出直しと口先で言うのではなく本当に解党やむなしの気持ちで野党再編に身を賭したというのは、相応の熟慮が前原さんの中にあったのでしょう。それでいて、民進党の党是というか本懐でもある左派系議員にもきちんと目配せし、混乱はあるにせよ分党しある程度戦える資金ぐらいは譲ってやれるようにするぐらいの度量を見せられるならば許される障害なのではないでしょうか。

 数字を見ている者として「惜しい」と感じるのは、そのまま放っておいてもいままで通りの選挙が連合の支援のもとで可能であるならば、実は民進党はそれなりの票を確保し、議席を取ったであろうという点です。たとえ小池百合子女史の希望の党が急ごしらえで出てきたとしても、限定的な民進党や維新の会との協力であれば東京と南関東ぐらいの限定的な数字しか確保できなかったかもしれません。

 また、民進党の離党ドミノといっても、中堅議員が脱退してもまだまだ打てる手は多数残されていました。そういう手堅い手法で民進党が退勢のままいくよりは、上がり目のある小池百合子女史の野望に乗ったというのはラストエンペラー最後の賭けだとも言えると思います。

 安倍晋三首相が北朝鮮のミサイルを受けて解散総選挙という賭けに出たならば、小池百合子女史も古希前に日本初の女性首相を目指すという野望を実現するための賭けに出る、さらに単体では退勢揺るがない民進党そのものを賭け金に野党再編の大勝負の賭けに出た前原誠司さんという点では、三者三様、非常に、非常に見どころのある解散模様になったのではないかと強く感じます。

 有権者としても、ああこれは面白いな、日本政治は久しぶりにダイナミックな何かを見せようとしているんだな、という感慨を新たにするのであります。かなりマジで。その意味でも、前原誠司さんが民進党の代表になって本当に良かったんじゃないですかね。

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解散風が吹いたというので、各社予備調査に走り回っているようで、東京ゲームショウ見物の予定を一部変更していろいろとお手伝いをしておるわけです。

 どうもパッと見、投票率はとても低くなりそうです。下手をすると5割切るのではないでしょうか。そうすると自民公明民進共産が太って終わりという結論になるのですが、安倍批判票は若狭新党(というか小池百合子・都民ファースト方面)にどれだけ流れるのかという数字があんまりちゃんと見えてこず、困っているところです。

“豪運”安倍首相「ミサイル解散」のゆくえ http://bunshun.jp/articles/-/4174 

ミサイル解散の観測と意味の分からない小池百合子・都民ファースト界隈|やまもといちろうコラム http://dailynewsonline.jp/article/1356890/ 

 北朝鮮がミサイル打ったので支持率が急回復して、補選3つのうち負け戦を見込んでいた愛媛が勝てそうになって、それなら前のめりで解散ゴーという経緯だと聞いているので、安倍晋三首相というのは実に現金な人です。まあ、勝てそうなら解散してしまえ、というのは解散権を保証される首相には許されるのでしょうか。憲法学者の一部にはけしからんという人もいるみたいですが、別に憲法学者がそんなに偉いのかって話は二年前の安保法案の関連議論でも随分出ていましたからね。

 で、若狭新党には選挙界隈におけるキングボンビーこと上杉隆が絡みに行って、いろんな人に出馬依頼して回ってて、この人達なんでこんな馬鹿なことをするのか見ているこちらが心配になるレベルです。きょうび、夜にいきなり電話してきて今夜中に立候補を決断してほしいとか言い募る選挙参謀がいるとは思いませんでした。普通、出馬依頼というのは供託金をどう払うかとか、ポスター貼りなどの組織選挙をどう仕切るのか策定し終わってから、立てられる候補者数を見極めて、優先順位をつけながら打診するのが普通です。そういう手順をすべてすっ飛ばし、組織にどれだけの軍資金があるのか分からないけどとりあえず自己資金で立候補できそうな人には総当りで出馬依頼をかけるとか、若狭勝さんってのはさすが一院制で頑張ろうというお人だなと思うわけであります。

 一方、上杉隆と並び立つ業界のキングボンビーである、いまアゴラ編集長の新田哲史のところにはまだ誰も頼みに行っていないようです。敵陣営に転がり込めば必勝間違いなしという有効活用法が知れ渡っているためか、自分からは声をかけないのが流行しているのが悩ましいところであります。どうせなら池田信夫ごと若狭新党から立候補すれば面白いのに。

 陣営の話といえば、どこぞの芸能ゴロの方が「安室奈美恵を電撃引退したのは自民党が沖縄から立候補させようとしているからだ」というガセネタをほうぼうに流しておられる方がいらっしゃいます。何を言ってるんですかねえ。てっきりTwitterで流れている面白ネタだと思ったら、本気で言っているらしくてビックリです。

 もちろん、知名度が高い勝てるタレント候補を掲げて選挙戦を乗り切りたいという気持ちは各陣営にあるのも分かります。でもそういうのって半年以上仕込んでからやるものであって、支援する県連などの組織や党幹部からノーマークのダマテンで進められるものではないんだよ、ということは知っておいてほしいんですよね。

 今井絵理子だって、議員にまで押し上げてみたものの猛スピードでやらかしたのも記憶に新しいところじゃないですか。

 それだけ政治が軽く見られている部分はあるだろうし、今回の「ミサイル解散」が必ずしも有権者の心にピンときてないから、とにかく話題になることを、という前のめりがどこかにあるんじゃないかと思った次第です。

 それにしても若狭勝さんというのは勝負勘のよろしくない御仁でございますね… 乗っかる細野豪志さんも、かき回された民進党新代表の前腹誠司さんもご愁傷様でございます。akudaikan_koban_money.jpg

 このところ、テレビ番組とネット放送みたいな記事がたくさん出てきてますが、まあ要するに日本市場もネット動画の攻勢が「一巡」したわけです。もちろん、ニコニコ動画の埋没と、AbemaTVの健闘(というか頑張り)も凄かった。でも、結論からいうとコンテンツにきちんとカネをかけられる、広告宣伝がコンテンツ単位で打てるというのが大事だ、ということになります。

 ちょっとAmazon方面はあまり情報がないのですが、NETFLIXとhuluについては傾向がはっきりしてきて、日本市場は地上波ドラマと同様にキャスティングで見るタイトルを決める、他の人が観ているであろうコンテンツを観るというマーケティング上のエッセンスが相変わらず強い、ということが分かります。まあ、当たり前のことなんですけど、好きなものを観る行動をとろうにも「自分の好きなものがどこにあるのか分からない」という日本のマーケットの構造は単純に「日本人がアテンションをもらう、観たいと思うコンテンツの数が多すぎる」のであって、そこからNHKだとか各民放からCSBS、WOWOWなどなどバスケットがあちこちにあるためにマッチングコストが却って高くなるというジレンマがあるわけです。

 そして、安価な娯楽の殿堂とも言えるテレビの地上波番組が低迷を始めている理由は、その切り札が「無料であること」と「美男子と美女が出ていること」であって、ネットで情報を取ってみると改めて若い視聴者も高齢者もおしなべて「綺麗なもの」をまず選ぶ、次いでテーマ、メディアのブランド、視聴時間といった要素が判断の上位にあって、これらを横串に通しているのは「家族との会話」「同僚との会話」などコミュニケーションの素材であるということが見えてきます。

 うわくだらねえと思うけど、恋愛や刑事ものといったテーマで押せるのは限られたコンテンツ数であり、アニメも支えられる属性に限界があり、結局はテレビ批評家のいう「キャスティング優先のコンテンツ作り」におそらくネット配信のコンテンツ事業者も戻っていくのでしょう。というか、キーになる俳優や女優が無名だと、一発当たってもカテゴリーを維持できるだけの視聴者を集められず満足度も上がらないという悲しい結論になるので、「この四半期で最大収益を」と考えると、ピース又吉原作の「火花」とか頑張って作るよりもまず新垣結衣連れてこいという話になるわけであります。

 地上波各局とネット配信番組でこれら「数字を持っているキャスト」のスケジュールの奪い合いに戻ってしまいそうなのが日本のコンテンツ産業の悲しいところなので、穴を埋めるような存在であるはずのアニメやお笑い、情報バラエティがどうしても一角を占めざるを得ないというのが現状なのではないか、と思います。

 そして、数字を取れるキャストに数字を計算できるテーマを組み合わせられるだけの資本力や企画力がないテレビ局は沈没するでしょうし、40代後半から下の世代は特に本格的なテレビ視聴離れを起こし始めることでしょう。もうデータとして出てきているので改めて述べませんが、いわゆる見逃し視聴の需要が一服し、みんな意外と「録画しているものが溜まると観なくなる」現象とともにカウントダウンが本格的に始まるかもしれない、ということです。

 テレビ番組を作っている人からすると残念なことなんですけど、番組のクオリティ、視聴者の反応は、もはや視聴率とは無関係になってきています。留意点は2つあって、1つは「それまでは明確に視聴者の満足度が数字に跳ね返っていたものが、いまやそこまで因果関係が見えなくなったこと」、2つめは「地上波など無料メディアで話題になったテーマやタイトル、キャストは、必ずしも有料番組やネット配信で数字を取らないこと」です。大御所がテレビに出ていると「おっ」と思って観ることはあっても、ネット配信でメインに据えられたところでギャラに見合う視聴数を稼がないということでもあります。明石家さんまが最後の大御所になるのでしょうか。

 つくづく、テレビで著名であった人がネットでは言われるほど見向きもされない事例はデータを扱う側としても悩ましい限りです。Youtuberが興隆し、本当の有名人がなかなか太刀打ちできないという理由も分からないでもないです、正直なところ。


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