香港の103万人デモについては、非常に思うことがあり記事をいくつか書きました。

【新聞に喝!】香港市民デモ支持に迷う理由なし ブロガー・投資家・山本一郎 https://www.sankei.com/column/news/190616/clm1906160004-n1.html 
香港「100万人デモ」に見る、中国によるアジア覇権の脅威の捉え方(山本一郎) - Y!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20190610-00129599/

 私としては、香港を対岸の火事とすることなく、経済力を背景に膨張する中国政府・中国共産党の最前線でもある香港の、香港市民や制度を守るための活動にもっと日本政府・日本人はコミットしていいんじゃないかとすら思います。

 古くからの友人でもある台湾、あるいは隣国・韓国の状況も踏まえて、日本が何をすることができるか考えることは、今後の東アジアの情勢を考えるうえでも役立つことだと考えるからです。

 太平洋戦争の教訓は、単に日本の戦後に多くの爪痕を残し焼け野原化の復興を果たしたという自国民目線の話だけでないはずです。より広く見てその後広がった冷戦構造がもたらしたもの、例えばソビエト連邦が近隣国への影響力を強めていく過程で起きた「フィンランド化」や、共産化ドミノ理論、サラミ戦術を、今回の中国の膨張は彷彿とさせます。

 それは、新疆ウイグル地区での実情や、チベット、内モンゴルなどでの問題も含めて、単に人権問題として、あるいは中国から見た場合の内政干渉として終わらせるべきではなく、広い枠組みで対立構造をかんがえていかなければなりません。そこには社会制度だけでなく、人工知能や情報工学などのテクノロジーを活用した中国共産党的なディストピア感のあるサイバネティクス社会における監視社会にも考えを致さなければなりません。

 少なくとも、香港でやっていることは下手をすると天安門事件とさして変わらない弾圧に違いなく、それに対して抗議の声を上げることは香港人の生命と財産、そして名誉を守るためのものであって、中国に対する内政干渉とは言えないはずです。

香港の行政長官に対する日本国の意思表示として「逃亡犯条例を可決させないこと」及び「非暴力デモに対して暴力を用いた鎮圧を行わないこと」を外務大臣が申し入れするように求めます!
https://www.change.org/p/%E6%B2%B3%E9%87%8E%E5%A4%AA%E9%83%8E%E5%A4%96%E5%8B%99%E5%A4%A7%E8%87%A3-%E9%A6%99%E6%B8%AF%E3%81%AE%E8%A1%8C%E6%94%BF%E9%95%B7%E5%AE%98%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%84%8F%E6%80%9D%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6-%E9%80%83%E4%BA%A1%E7%8A%AF%E6%9D%A1%E4%BE%8B%E3%82%92%E5%8F%AF%E6%B1%BA%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8-%E5%8F%8A%E3%81%B3-%E9%9D%9E%E6%9A%B4%E5%8A%9B%E3%83%87%E3%83%A2%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%81%A6%E6%9A%B4%E5%8A%9B%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%81%9F%E9%8E%AE%E5%9C%A7%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%82%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8-%E3%82%92%E5%A4%96%E5%8B%99%E5%A4%A7%E8%87%A3%E3%81%8C%E7%94%B3%E3%81%97%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E6%B1%82%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%99

 我が国の中でも沖縄の辺野古基地問題然り原子力発電所の再稼働問題然りさまざまな国内の政治的状況が置き去りになっていますが、これらの問題を放置することなく、日本は新たな冷戦構造の最前線に近いところにいるのだという認識も踏まえたうえで日本国民の意志を示していく必要があります。香港市民の権益や生命などどうでも良いのだと思う日本人は少ないでしょう。しかしながら、どうやったら彼らの生活がふたたび安全と安心の中に戻り、一国二制度の取り決めを守り高度な自治を存続し得るのか、考えていかなければならないわりに、実効性のある日本の対応が進められないいつものパターンに陥ることを予想する向きも少なくありません。

 古いネットのネタで、何か日本人にとって良くないことがあっても政治が「遺憾の意」というミサイルを放つだけでたいした活動ができないことを揶揄する文言がありました。日本がまだ他国に比べて経済力が優位にあり、黙っていても他国が日本に配慮してくれている時代であればそれでも良かったのかもしれません。ただし、いま日本が直面しているのは、札束で大口の政府系開発を繰り返す一帯一路戦略をど真ん中で行い、中国が貸した金で新興国のインフラ開発をさせ金を返せなければインフラごと中国が接収してしまうという、かつて大航海時代にポルトガルやスペインがアフリカ諸国でやったような植民地政策すらも思い返させる事例であることはよく考えなければならないのです。

 残念ながら、中国に対抗できるような資金や人手を諸国に提供できる状況にはもはや日本はありませんが、きちんと主張して存在感を示し、日本ができることを模索して着実に実行できる方法はないだろうかと考えざるを得ません。それは、戦後日本が復興しアメリカや各国とともに学び培った民主主義であり人権思想でありそれなりに透明性と公平性を持った諸制度によって成立している現代社会から導き出されるべきものです。もちろん、言うほど透明な司法制度じゃねえよとか、人権ったってパワハラもブラック企業も横行しとるやないかという問題も多発しているわけですけれども、しかし、声を上げることで政府からマークされたり、暴徒に襲われたり、信用スコアを下げられてクレジットカードが使えなくなったりすることは日本ではないのです。

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 日本人であれば当たり前に思っていることも、危機に直面している人たちからすれば渇望する自由であることもよく承知したうえで、なるだけ自民党も公明党も各野党も香港や民主主義のために立ち上がってもらいたいですし、政府や河野太郎さんにはもっともっと前に出て行ってほしいところです。

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補遺:

 なんかこう、Twitterアカウントどうなったのとたびたび問い合わせがあるんですが、凍結されたので面倒くさくなって引退しました。新規アカウントも作っていません、凍結逃れに限らず複垢は規約違反なので。

 ファンの方が勝手連的に告知用ツイ垢を作ってくれているんで、そっちをフォローいただくか、Facebookでフォローしてください。

https://twitter.com/kirik_news

https://www.facebook.com/ichiro.yamamoto

https://www.facebook.com/kiriknews/

 文春オンラインでさんざんオンラインサロンをこき下ろす記事を書いて大量のアクセスを集めておきながら、自分とこの経営情報グループが現在会員さん募集中であることはトップシークレットであります。

「サラリーマン」を馬鹿にして駄目な知識を吹き込む、オンラインサロンとかいう魔境
もっともらしいことを教典にする新興宗教をやっとるだけなんですよ #山本一郎 https://bunshun.jp/articles/-/12339
経営情報グループ『漆黒と灯火』
https://yakan-hiko.com/meeting/yamamoto.html

 もっとも、当会も足かけ5年を迎え、個人の情報交換の場としては老舗となりつつあるのですが、とにかく退会者が少ないこともあって人の出入りもなく、結果としてあまり告知しないので地味にやっているというのが実にアレであります。

 5月は三上洋さんをお呼びしてネット動画サービスの興亡やらICTまわりのジャーナリズムってどうなのというたぐいの話をお伺いし、6月はピーエイ社の加藤博敏さん、7月は大正大学准教授の田中俊之さん、8月は飲食店向け台帳大手のトレタ社の中村仁さん、9月は国際大学GLOCOMの境真良さんというラインアップで最近のトピックスでお考えのことをお伺いしていこうという感じでやっております。

 60名おられる会員さん同士の交流はもちろん、個人的な相談事で「いま海外で働いているけど子どもの教育を考えて日本に戻るべきか真剣に考えている」海外在住投資家の会員さんとか「大手VCに増資を引き受けてもらって業績は伸びているけど、早めにバイアウトして降りるかそのまま上場計画進めるか決められないで困ってる」起業家の会員さんとか、そんなことこっちも悩むわというような話をやり取りさせていただいております。

 主にFacebookのグループでわいわいと交流したりしとるんですが、会員さんの半数強がシンガポール、ロシア、香港など海外や、福岡、仙台などの地方都市にお住まいです。また、日常的にFacebook使ってない人もまた半分ぐらいおられ、とりわけ東京の方が少ないこともあり、なんかいい方法ないかなあと思っているのですがみんな穏やかに投資情報やり取りしているのでまあいいかと思っております。何かいい案があったら教えてください。

 別に支配下選手登録数を意識しているわけでもないのですが、きっと60名ちょっとがこういうグループの最適人数なのかなあと思っております。いま現在で、募集が残り2名とかなのですが、せっかく文春に記事を書いたらそこそこバズって会員さんたちからも健やかな笑いが届いていたので募集でもしたいと思います、はい。

 ご関心のある方は、ぜひご参加くださいませ。


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界隈が淡々と受け入れていたので回覧されても最初「ふーん」としか思わなかったんですけど、よく考えたらこれってアレですよね。

東京大学 大学総合教育研究センター 特任研究員(特定短時間勤務)募集
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400117093.pdf

 契約期間が今年度いっぱいで、勤務時間が月曜~金曜日のうち 1 日 7 時間 45 分以内・週 3 日・1 週 23 時間 15 分以内であり、かつ、時給が1,410円。

 そして、応募資格は以下5項目、すべてを満たす人。

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下記の全てに該当する者。
1)博士の学位を有していること、または同程度以上の能力があること
2)インタラクティブ・ティーチングの内容をよく理解し、関連する研究に従事することができること
3)大学教職員の能力開発プログラムの企画・開発・実施・評価経験を有する者
4)チームワークをもってプロジェクトを円滑に進められる素養があること
5)ウェブサイトの管理運営がある程度できること

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 これが、週給3万2,783円、月給に直すとざっと13万1,130円。手当てが別とはいえ、実入りだけで考えたらコンビニエンスストアや書店でアルバイトしたほうが多いわけですよね、これだけの人なのに。

 で、たぶん応募がいっぱい来るんだと思います。私も東京大学にいたときに「え、なんでこのクラスの人がこの仕事をこんな給料で頑張っているの」という人がちらほらおられました。東京大学がこんな微妙過ぎる待遇で人を集めようとするのは、それで人が来てしまうからであって、文部科学省の大学行政がいかによろしくないかという話を論ずる前にこういう求人が悪意なくまかり通ってしまう現状のほうが怖ろしいんじゃないのか、と思うわけであります。

 考えるに、この薄給で不定期の仕事をやる人は、とても大事な仕事を担当するわけですよね。
 そりゃ環境が荒廃しますし、人材の扱い方をもう少し丁寧にできる方法がないのかと思ってしまうわけですが、どうなんでしょうか。例えば自分の息子たちが頑張って学術方面に進もうとして、その出口がこういう働き方をさせられる可能性を考えると、親として「いや、仮に実家が太いとしてもその仕事はない」と言うでしょうし。

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 本田雅一さんが執筆された『蒲田 初音鮨物語』が、NHK「逆転人生」で今夜ドラマ化されるそうで、おーと思うわけです。

 序盤が無料で読めるそうです。

“NHK「逆転人生」に登場する奇跡の名店”を めぐる感動の実話小説『蒲田 初音鮨物語』第1章試し読み | カドブン https://kadobun.jp/readings/809

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 小説としてはむしろ実録寄りすぎて「これってルポなんじゃねえの」と思うわけなんですが、個人的にはこういう人生の捌き方もあるんだなあと感じるところは強くあります。何というか、熟成された人生だからこそ、脂が落ちたように俗世の欲を捨て去り、逆にそうなってから人としての道が拓ける。

 若くてギラギラした人たちの太陽の季節が過ぎ去っても、人生終盤に訪れる光が慈しみの輝きを放ち、それに満たされ癒される人たちが集って言葉と絆を紡ぐ寿司を握る的な感じでしょうか。

 小説というか文芸として読むよりは、現実の老夫婦の奮闘記を実録的に追体験していく形だと思うので、間口は広いと思うんですよね。夢中になって読むよりは、噛み締めて共感しながらページをめくっていく、そういう内容に仕上がっているので良いと思います。

 ただまあ、一個、一対の夫婦の人生がある種の「作品」だとするならば、私がいま歩いている時間はそういう作品の完成度を高め、豊熟された何かを生み出しているのかなあ、とつい自問自答したくなります。読後感が深い自省の念になってしまうのは、私がまだ欲得にまみれた下賤のありようから逃れられていないからなのでしょうか…。



 ご関心があるようでしたら、ぜひに。

 今日はG20裏のアレな会合にお呼ばれしたわけですが、日米以外からの来賓の方たちが一足先に帰路についた後で盛り上がったのは例の「ヤフージャパンがスコアリング事業への参入」事案でありました。なんかこう、総立ちでヤフーについて、またソフトバンクについて、日米の情報関連が幅広く話し合えたというのは画期的なことでした。サウジアラビアからスプリント、5Gまで。

 個人的には、ヤフージャパンの関係者やソフトバンクの偉い人たちの顔がちらちら浮かぶので、きっとあまり良からぬことを企んで面白スコアリング事業に進出したとはとても思えないわけですけれども、そもそもCCPA通らないし、EUが頑張っているGDPR的にも何してくれてんのという話じゃないかと思うんですよね。

https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml

 いろいろと悩みも深いでしょうし、焦りもあるんだと思うんですけれども。

コラム:ソフトバンク、ヤフー子会社化で操る「目くらまし術」 https://reut.rs/2H9CMUM

ソフトバンク、ヤフーを子会社化 FinTechなど非通信事業を強化 - ITmedia NEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1905/08/news124.html

 基本的な考え方は、高木浩光さんの「自宅の日記」の内容とほぼ同じです。ただ、ヤフーのことだから何かをしたくてスコアリングに進出し、昨年末からの実証でそこまでオプトインしてくれそうにないから今回のことをやらかしたのかなとも感じます。庄司昌彦せんせもブチ切れていて、情報銀行界隈というより法クラ全体が唖然としている趣すらあります。

ヤフーの信用スコアはなぜ知恵袋スコアになってしまったか
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20190609.html

https://www.facebook.com/mshouji/posts/10157390682251823

 また、個人的には「虎の子であるはずだったヤフーID(Y!ID)をどういう理由かTポイントと統合してしまい、結果として日本国内の狭い市場ですらブロック経済圏を作ったために行き詰って、PayPay以降はTポイントを切り離すなど時間を壮大に無駄にした」ようにも思います。Tポイントについてはさんざん申し上げてまいりましたが、つまりはドブ客をいくら集めてもドブさらいのデータしか出てこないという当たり前の結論になるわけですし、彼らも分かっていたけど転換できなかったんでしょう。

 いずれ、ソフトバンクとみずほFGでやってるJ-SCOREなど具体的なサービスとの連動を視野に入れていくとは思いますけれども、ヤフーの情報を吸い上げたところでどれだけの与信が可能になるのかはよく分かりません。むしろPHRや家族構成、所得の予想などからライフイベントを割り出していったほうが正確じゃないかと思うんですが、とにかく野良データを全部集めて解析するというような方向に走って行ってしまいました。

 それでも、ヤフーならできるんじゃないか、やってくれるのかなという淡い期待もあるわけですよ。日々のデータを全部取っておけばそれに見合った未来予測・行動予測やレコメンド、広告効果向上ができるようになるかもしれない。

 ただ、足元でやったのは藤代裕之さんすら失笑してしまうような「デフォルトでオン」の情報収集であり、もうちょっと丁寧にやればいいのになあと思わずにはいられません。丁寧にやったら承認してオンにしてくれる客の割合が少なくてたいしたデータが取れないぞというのはあるかもしれませんが、その辺はみんなる程度条件は一緒ですからね。

 まあ、ヤフーには早いところ正気に戻っていただいて、良い形で着地することを祈るのみです。

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