月別アーカイブ / 2019年12月


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雪のように白い羽二重の生地を、深い黒色に染めていただく。白から黒とは何とも贅沢なことだと改めて思う。今から一月ほど掛けて黒紋付きの着物と成る。

これは私のお弟子さんが来春に初舞台を踏まれるので、その為の仕立てです。陳列された出来合いの物も良いですが、一から仕立てるのも又良いものです。世の中にひとつしかないオリジナルです。新しい着物での舞台姿を想像して、来春に向けて一層稽古に身が入る事と思います。
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世の中は便利になり、欲しいものは大概でも、早く手に入る。しかし其れは手軽さと引き換えに、待つ楽しみを失うことでもあります。上手に選択していく必要がありますね。
…それは現代特有の新しい苦労かもしれない

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流儀を越えて
本日は京都駅にて打ち合わせ。喜多流の高林昌司さんと金春流の金春飛翔さんのお二方にお会いしました。皆、能楽師です。私は金剛流ということで、それぞれ異なる流儀の者同士が集まった事になります。
数年に何度かは、各流儀が集まる舞台などで楽屋が隣り合わせになることはありますが、普段はほとんど顔を合わすことがありません。
この度は、とあるキッカケでご縁を頂き、流儀を越えて一緒に活動することになりました。主に若い方々への能楽の普及と、自分たちの研鑽の為に、何ができるのかを考えて参る所存です。
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共通点
金春、金剛、喜多、別々の流儀ですから、謡い方や舞の型、持っている曲目(現行曲)なども違いがあります。ところが、全く異なるわけではなく、共通した部分も多くあります。
掘り下げますと、能楽の五つある流儀の中でもこの三流は「下掛り」と呼ばれています。ちなみに「上掛り」は観世流と宝生流のことを指します。
由来は諸説あるようですが、有力とされる理由をひとつ取り上げます。
能楽が大成されて盛かりの頃、大和で興った能楽の流儀のなかで先に京の都に出て活躍した今の観世・宝生は上掛りと呼ばれて、大和に残った金春・金剛の二座(喜多流は江戸以降)を下掛りとしたそうです。都である京から見て奈良は下、という具合でしょうか。

ゆとり
とにもかくにも、全員、平成生まれ。所謂、ゆとり教育を受けた世代の能楽師です。テーマは「ゆとりある能楽の普及」…
皆様、ぜひ応援を宜しくお願い致します🙇

良いお年を、と今年最後のお弟子さんのお稽古でご挨拶を交わすと、いよいよ年の瀬を感じた。かと思えば、町には年末特有の忙しさはまだ無い。現代は極めて便利故か、それを感じられるのは晦日と大晦日くらいだろうか。そのうち、年末年始もカレンダー上の行事のひとつ、記念日程度になり、年を改める日本独特の喜びは消えてなくなりはしないだろうか。心配である。
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さて、来年の計画のひとつを発表します。
実は、YouTubeを始めることなりました。
勿論、本業に差し障りのない程度に留めるつもりですが…また、いつ更新するかも定まっておりませんが…
一先ず、チャンネルを設けましたので、ひとつ、ご登録を宜しくお願い申し上げます。
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京大近くアンスティチュフランセのマルシェ訪問時の写真

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大連吟のあゆみ
2017年から始めた能楽大連吟の第三回目(2019)が、先月末に無事終わりました。

大連吟は、もともと京都の観世流能楽師の先輩方が11年程前に始められた催しで、一般から参加者を募り、50人~100人ほどの大勢で能「高砂」を謡う、という試み。始まり当初、新聞や能楽師の間でも話題になりました。

金剛流も大連吟の取り組みを2017年から始めています。講師は、同流儀の先輩、宇髙竜成さん、宇髙徳成さん(今年で脱退)、私の三人で務め、企画運営も今年から三人で行いました。

お稽古なんてとんでもないのか?
能を知る、さらに言えば日本の心に触れるにはお稽古が一番だと私は思います。ころが能楽の稽古人口は年々減少しています。これには、楽という芸能自体の不人気、そして十分に周知されていないことに要因があると考えます。このお話は置いておくとしまして…
もしお稽古に少しでも興味があれば 気軽に 見学して欲しいのですが、中々そうはいかないモノですね。
現代においても、まだまだ能楽の世界は閉鎖的で「お稽古なんてとんでもない」と言われてしまいます。知らない世界に一歩踏み出すのは誰でも勇気のいるものです…

そこで、「少し興味があるが躊躇している」方々に、能楽大連吟はオススメです。稽古場や師匠を選ぶことや、入門をする必要が無いので何にも縛られません。且つ稽古期間や舞台での発表というゴールが定められているので遣り甲斐を感じられると思います。また舞台の面白さも経験できます。
お稽古が肌に合わなければ辞めることも可能なのです(参加費は返りませんが)…。もしその様なことがありましたら、講師は真摯に受け止め改善します。

能楽の世界への一歩として、大連吟をお選びいただくのも宜しいかと思います。2020年も竜成さんと二人の新体制で頑張りますので宜しくお願い申し上げます。
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ここまでお読みくださった方に、日本の美しい秋の写真をプレゼント。
真っ赤一色の紅葉も素敵ですが、私は、と色の混じった秋景色の美しさに強く心を惹かれます。
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そして、早くも冬ですね… 家内の希望により12月早々に蒸し寿司を頂きに参りました。寿司を蒸すなんて!と思う青い時代もありましたが、今では蒸すことによる酢のまろやかさや、ホクホクのネタの頬落つる美味しさに、打たれています。
皆様、お風邪などひかれませんように。

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