平城宮跡
先日、家族で奈良の平城宮跡に参りました。こちらは世界遺産となっており、敷地内を列車が走る不思議な光景でございました。
個人的に奈良は日本古代ロマンを強く感じられる場所として認識していたものの、奉納などの仕事以外では立ち寄ることが余り有りませんでしたから、とても嬉しい機会でした。
パーキングから入って直ぐ、朱雀門広場があります。またこれが広大で、建物から建物への移動に距離がありました。そこから南門の方へ向かうのですが、青空に揺れる穂の素敵なこと。つい思考が休まり、ボーッとしてしまいました…
施設も充実していて、案内くださる方々も大変親切でした。子ども連れでも楽しめる良い場所でした。
大和四座
奈良といえば能楽とも大変ゆかりがあります。いま能楽の流儀5つありますが、そのうち4つは奈良で興りました。
もっとも奈良ではなく、大和という名の地でした。観世流、宝生流、金春流、そして金剛流の4流は「大和四座」(やまとしざ、やまとよんざ)と呼ばれました。その頃は○○流ではなく△△座という名が各々付けられていたのです。金剛流でいえば、坂戸座というように… ちなみに喜多流は江戸期に秀忠の後押しがあり金剛流から派生しました。
時を経て、京都へ、江戸へと時の権力と共に能楽の中心は移ります。
現在では金剛流のみ京都に宗家(本拠地)があります。この話はまたいつか。
奈良ロマン
奈良には古代ロマンと書きましたが、なぜ私を惹きつけるのか…
私の行動範囲、東京や京都では街の開発が進み、人の歴史さえも、驚く早さで上書きされていきます。特に東京は流動的で新しいものが常にもてはやされ、人々は一体どこに向かうつもりなのだろうか、と常々思う。
そのような中、奈良の山のような古墳を車窓から眺めていると、都会では感じられない気分になる。
この古墳の中に眠る偉い人、これを作らされた人々、そして殉死した人々… どのような人生があったのだろう。と、それぞれの命を想う時間がここには在ります。それ故、好きなのかもしれません。この人々も写真のような青い空を見上げたのだろうか、など。どこぞの歌詞の如き…
さて…このブログは、あくまで今をトキめく若手の能楽師日記。ここら辺で終わります。