本年も明けまして早十日余りが経ちました。鏡開きも終え、外はまた日常を取り戻しつつあります。能の仕事は元旦からありましたから、この数日だけ少々の寝正月を頂きました。ボーッとして感じたことは、正月というのは新年が明けてお目出度いが、何だか物寂しい。何ごとも表裏一体か。
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さて本年、私にとって大役の仕事が沢山舞い込んで参りました。 先ずは、5月の金剛定期能で若宗家との小袖曽我ツレ、6月には若手能の黒塚シテ、7月の東京国立にて邯鄲シテを勤めます。また改めてご案内いたしますので、是非ご来場賜りたく思います。
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寝正月は色々なことを考えた。

先ず、己の、人間の欲に関して。この頃の自分は無いものを望むばかりで、有るものへの感謝が薄れていたように思う。気づかぬうちに傲慢になっていく自分の姿を見て哀れだと思った。今、何も不自由なく暮らせることの有難さを忘れかけていた。

坐禅をするようになり、とうとう般若心経の本まで購入してしまった。般若心経の言葉に"是諸法空相" (ぜしょほうくうそう)というものがある。
世の中のすべてには実体が無く、人間も然り、喜びも悲しみも時に流されて留まることはないのだと、だから瞬間を大切にしないといけない、という事。
私たちは常に、"こんにちは、さようなら"を繰り返している。それが大きいものは誰でも知っているが、小さなものには気付き難い。その繰り返しを一つずつ丁寧にすることが、瞬間を大切にするということ。幸い人の頭には美しい出来事を思い出として記憶できる。携帯に任せてはいけないのだ。毎日幸せを感じることというのは、そう難しいことではないのだろうな、と思う。

さてさて、あまり書き進めると哲学路線になり、このブログの方向性を失うため辞めよう。続きは稽古場にお越しください。

兎にも角にも、多くの方にとって本年も素晴らしい一年になりますように。
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