月別アーカイブ / 2017年01月
お椀
純之会 第1回 謡初会
霜雪も
霜雪も いまだ過ぎねば思はぬに
京都の御所に 梅の花見つ
山田伊純
(大伴三林 巻八 一四三四 本歌は"春日の里に")
6月の国立能楽堂での
独立披露能「乱」のために
体作りを始めている
その為に御所を散歩する事が
此所最近は多いのである
雪のまだ溶けぬところは
この様な状態であった
この枝垂れ櫻は有名で
今年は見たいものだ
能の曲で「雪」というものがある
これは雪の精が主人公である
この曲はきっと降る雪一つ一つ
人間の生命と重ねているのだろう
突如生まれ、己の生を知り
その意味や在り方を考える
そのうちにやがて死と直面する
人間は人間である以上
その思考からは脱却できぬと
思うが、そうでもない人間も
世の中にはいるのかもしれぬ
その様なことを考えて
能をみれば面白いものだ
誰もが考えたことのある
テーマだから
雪については以前も書いた
時間を持つ方は以下を参照
御所の梅林はまだまだだが
隅の方で咲くものもある
そろそろお勧めである
冒頭の歌 訳
霜も雪もいまだ無くならない
思いがけずも 京都の御所で
梅の花を見たことだ
雪寒み
雪寒み 咲きには咲かぬ 梅の花
よしこのころは しかにもあるがね
万葉集 二三二九
蕾をつけた梅の花(いずみ先生の) / 玄関にて
一日一日は直ぐ過ぎる
週が明けたかと思えば
既に後半木曜日でござる
京の都では土曜と日曜に
大雪が降りて積もる
どこからこの雪は生まれて
どのくらいの時間で
消えてゆくのだろうか
能のことを書かぬのかと
ぼちぼち読者の方が思われる頃
とは存じますが
もう暫しお待ち願いたく候(そうろ)
普段の私は極力に横文字を
遣わぬ様に心掛けてゐるが
以下、
プライベイト
ハイライト フォトギャラリイ
年末年始は家にて
家内が間違えて買った
超高級アイスワイン
「そういえば我が家では
ワインの習慣は無く候」と
開けるときになって気がつき
開けられぬ日々を過ごした
訳ありて
フリーズドライでつくる
七草がゆ
お正月の仕事を済ませ
松尾、高尾、栂尾を参拝
氏神様の今宮神社へもお参り
松尾では恒例の樽占い
見事に樽の中に矢が入る
高尾の神護寺まで山登り
半分靴ずれのなか
かわらけ投げを済ませ
家内も私も予想以上に
肩の筋肉が発達していたのか
山の下の通行人が座す道路まで
飛ぶ
栂尾の高山寺にて寒さのなか
景色を眺むれば 車の音ばかり
何より苔の立派なこと
急な雨もあったが
なかなかの風情で
山を楽しめた
山田伊純のお稽古場である
つぼみの会 の謡初めを済ませる
翌日は家内のお世話になっている
表千家の先生の初釜にて
謡をさせて頂き、お薄も頂く
取り敢えずここまで
冒頭の歌の訳を以下に載せる
万葉集の全歌講義より
…
雪が降って寒いので
咲き出しもしない梅の花よ
まあよかろう 当分の間は
そうしているがよい