
日曜日の安宅の同山を勤め終える。
※安宅については前回のブログにて
安宅は現在物といいます。
何者かの化身や幽霊などは出ず、生きている者が登場する物語。現在進行形の劇のような能です。展開がわかりやすく、見どころも多い。
写真の扇は、若宗家よりいただいた披き扇。
"披(ひら)く"というのは、開曲ということ。
能の曲には宗家の許しがなければ演ずることができないものがあり、安宅はその一曲である。初演のみを"披く"という。25年に私の勤めた石橋という曲の赤獅子の役もそれにあたる。
役者の初演のとき、披き扇をお配りすることが慣わし。
山伏の装束のひとつ
鈴掛と梵天の修理
安宅の同山(どうやま)※ や、切り組みなどの立ち衆は
総じて直面(ひためん)であります。
※義経と同行する山伏たちのこと
直面とは能面を掛けずに素顔で役を演じることです。これの難しいところは、同山なら同山の能面を掛けている心で演じるところにあります。
勿論、鼻がこそばゆいからと、動かしてはいけません。眉や目、口の形を一定に保ち、表情も変えない。これが意外と難しい。