稽古初日(前夜)
まずは自分が勤めた型附や記録を引っ張り出してくるところから下準備が始まります。恐らく多くの能楽師は久し振りに勤める曲があると、同じ段取りを踏むと思います。
型附(かたづけ)というのは、各流儀、各御家に伝わる型が書かれたもので、要は振り付けの覚え書きです。初演の際は、師の元へ行き、これを写します。そして、そこに師から教わった事を書き留めていきます。
この型附が丁寧に残されていますと、十分に下準備が出来るのです。覚えることが仕事である能楽師をしていると、人間は忘れる生き物なんだと、つくづく思い知らされます。同じ失敗を繰り返さないため、注意された事を中心に書き残すように私はしています。

能は能面や能装束、御道具、更には心の持ち方など、音声や映像ではチェックできない事が沢山あります。ですから、型附は非常に大切なのです。うちでは祖父の遺した型附があるだけでも、初演の際は本当に救われます。何にも無いところから始まるよりも、前の人の失敗や苦労、工夫が見えるので、準備が捗るわけです。つまり、代々のお家の型附や伝書がいかに重要か分かると思います。



                活動報告                 

本年6月に「第30回記念 京都若手能」にて、金剛流能「乱-和合之舞・置壷」のツレを勤めます。常は猩々が1人のところ、今回は2人目がおります。ツレと言いましても両シテ扱いの大役です。応援宜しくお願い致します。

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本年6月には、東京の家の会"潤星会"にて、能「清経」を勤めます。場所は国立能楽堂です。このやうなご時世ですが、ご興味おありの方は是非お越しくださいませ。

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こちらは金剛流能「雪」を無観客公演にて実施してYouTubeに掲載したものです。能楽をまだ観たことのない方に向けて作りました。(じっくりご覧になりたい愛好家には物足りないかも)



3/26 東京・水道橋 宝生能楽堂
宝生会 夜能  金剛流能「葵上-梓之出-」

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