月別アーカイブ / 2016年11月

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TDWは残念な結末だったけど、多くの意味のある実験もできたし、知り合った人もいる。

今日は「コエール」の榎戸教子さんとお話をした。コエールはナレーション・サービスなんだけど、従来のナレーションブースを使う方法ではなく、所属しているナレーターが自宅で収録するという画期的なビジネス。

これが面白いなと思ったのは、子育てなどで現場を離れてはいるがスキルのあるアナウンサー、ナレーターが在宅で仕事を受注できるところ。WEB納品なんていう方法が確立したからこそできるようになったスタイルだ。

榎戸さんの話の中で感じたのはクオリティと利便性・経済性のバランス。スタジオと自宅収録を比較したとき、当然だけどどうしても質は落ちる。ただ明らかに品質が落ちていては困るが、90点の品質が保証できるなら選択肢としては十分、と言う。

ここなんだよなあ。90点から100点の間にかかる費用はべらぼうに高い。でもある程度の人が納得する十分なクオリティが90点であるとするなら、残りの10点を追求するコストはカットできる。

この「完璧主義」を選択できるかどうかはとにかく時間とお金の問題。本当にその仕事の内容で100点にこだわる意味があるのか、と精密に考えていくなら、こういう選択肢があっていいと思った。この価格ならVコンテなどでナレーターを呼んでMAルームを使うより遙かに安いし、素人がやるより品質は高い。

あと、現代の仕事の方法は、効率を見直したところに発生するエアポケットが、実は子育てなどに都合がいい部分と偶然にも合致したりする面白さなんだよね。とか思いました。

http://koyale.jp/

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【ご報告】

TDWの会場内で起こった事故により、最終日である明日は中止が決定しました。自分の展示についてはどうでもよく、怪我をされたりなくなった方がいらっしゃるということが、とても残念です。

事故が起きた頃に我々は会場内にいましたが、何のアナウンスもなく、もしごく近くで起きた火災などで延焼があれば危険だったことは言うまでもありません。事故の後も何事もなかったかのようにフィールドでは展示が続けられていました。

今日展示を観に来てくれた友人の中には、ベビーカーに乗ったお子さんもいました。自分が呼んだ展示会場で事故が起きたことはショックですし、その後の主催者発表には何も事故の経緯が説明されておらず、そこにいた自分たちが一番何も知らなかったというのが実際のところです。

とてもいい展示ができたのに、最後がこんなカタチで終わってしまったのは残念というしかないんですが、まあ仕方ありません。ご来場いただいた方、撮影させていただいた方々には心より感謝しております。明日の最終日の展示を楽しみにしていた方、申し訳ありません。

ありがとうございました。

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数日前、ウーマン村本くんから連絡があり「友人を撮影して欲しい」と言われた。土曜の夜にAbemaTVでオンエアしている「TheNIGHT」という番組に二人の友人をゲストとして迎えるのだと言っていた。

平松さんは若い頃からお世話になっていたテレビのプロデューサーで、森さんは元コンビの相方だ。二人はともに重大な病気を抱えていて、これから何度会えるかわからない。だから番組に呼んで「生きる意味」を話したいのだと言う。

深夜1時から始まる生放送の前に、青山のスタジオでお二人を撮ることにした。ほんの少し話しただけで村本くんとの関係や気さくな人柄が伝わってくる。

写真は好きな人を残しておくモノなんだけど、いつまでも健康で隣にいるという幻想のもとにある。結果として会えなくなってしまうことがあっても、それがいつかは誰にもわからない。でも、今回は「近い将来に会えなくなってしまうかもしれない」という理由がハッキリしている。

もちろんできるだけ病気が治ったり、進行を抑えて欲しいと思うから、村本くんの中にもここで写真を残しておこう、話しておこうと決めることはリミットを強く感じることで逡巡はあったと思う。俺にしてもそれがわかっている撮影をするのは初めてなので本当に緊張した。

お二人は番組の中で朗らかに、その立場じゃないとわからない多くの素晴らしい言葉を与えてくれた。俺も別にどういう気持ちで撮るかなんてどうでもよくなって、ただひたすら仲のいい人たちを撮ればいいのだと思って夢中でシャッターを切った。

3時に放送が終わり、スタジオを出るときに「来年も撮りましょう」と言っておいた。生きていることを更新し続けることは誰でも平等で、来年は俺もそこにいるかわからないんだから、と思うのだ。

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