月別アーカイブ / 2016年08月

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昨日の「Abema prime」を見て、思ったことがたくさんあった。掲げるスローガンと現実の違いだけが浮き彫りになっていた気がした。

「地上波テレビ」という何十年もかけて高度に洗練されてきた世界がある。それはシステムの疲労が蓄積していることも意味して、不満を持つ人も多い。地上波テレビと「芸能界」というのはある意味では同じ言葉だろうとも思っている。なぜそれらに不満を持つのかと言えば、期待している人が多いからに他ならない。

俺は週に20分もテレビを見ない。こういう面白い番組があった、という話を聞くとYouTubeでチラッと見るくらい。オンタイムで見ることはまずない。視聴時間で言えば映画の方が圧倒的に長いから、テレビや芸能界の話をしないようにしている。

自分が映像に関わる仕事をしていて、生理的にテレビのビジュアルが苦手だという理由もある。写真や映画で求められる照明やグラフィックや美術、音楽などは、テレビとまったく違う。届ける相手が違うからだ。

「映画はファンタジーでテレビはリアリティ」と思われがちだけど、実際はその反対。暗い室内に夕陽が入っていて、人物の横顔にオレンジ色の光が当たっているような映画のシーン。これは我々が現実に見たことのある世界を再現しているからリアリティ寄りだ。

反対に、テレビのバラエティなどはどこにも影が出ないようになっていて、背景には電飾がチカチカし、抽象的なフォルムのセットが絶え間なく動いている。これは「人は動きのない映像を見ていると飽きる」という科学から生まれたテレビの慣習で、なぜそうなっているかを作り手が何も気にしていない。テレビドラマは映画と同じなのではないかと思われるだろうが、それも違う。

テレビは内容に関係なく「チャンネルを変えさせないように」を第一義に考えている。つけた瞬間、今そこで何が行われているかがわかるように「アマゾンの奥地で出会った危険な生物とは!」とショルダーにテロップが入り、これは恐ろしい生物だと女性タレントが「ワイプ」で顔芸してみせる。

わからない人向けのわかりやすいコミュニケーションをどんどん科学で解決していったことで、感情的な期待は薄れる結果になった。「結局、CMのあとも、たいして危険な生物なんか出てこないんだろう」と視聴者がテレビの裏側を理解してしまっている。

そこでネットメディアはテレビでは扱えない暴力的なキワモノに走ることで独自性を出そうとした。YouTuberがマイクロメディアとして機能していることは事実だし、衝撃映像はテレビが取材したモノではなく、動画サイトから持ってくることになった。ネットで見られるモノをなぜテレビのスタジオでタレントが見なくてはいけないのか、それは「ネットをやっていない人向け」でしかない。

Abema Primeが始まったとき、村本くんが従来の報道のMCとしてはあり得ない切り口でニュースを語っているのを見て、これは面白いなと思った。説明が必要な部分は堀潤さんが丁寧にフォローする。そして村本くんが「裸の王様を指摘する子供」のような役割で発言したことに、常識ある堀さんが常識を覆される。この仕組みが多重構造で面白い。

しかし昨日の100回記念番組は「テレビのスタイルを持ってきただけで地上波よりもすべてクオリティが低い」という最悪な結果になっていた。テレビが作り上げた手法をすべて無視する勇気がないと、新しいメディアを作る必要がない。

ネットニュース的に雑にフォローすれば「せっかくの試み、これからに期待したい」というところかな。おはようございます。

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真面目な話が連続したので、くだらないことを書きますよ

くだらないと言えば思い出すのが「知ったか事件」。沖縄だか北海道にロケに行ったとき、機内誌に「京の都で流行したモノが江戸に下る。つまり江戸に下る価値もないモノのことを"くだらない"と言ったのです」と書いてあった

あろうことか俺はロケ後の夕食の時にそれを「知ったか披露」してしまい、説明が終わった瞬間に「僕らは同じ飛行機で機内誌を読んでるので、全員知ってますよ」と言われた。あれは顔から屁が出るほど恥ずかしかったです。

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変化しているモノや人が好きなんですよ。変化を見続けるには動体視力が必要で、髙橋靖子さんの毎日などを見ていると、それを鍛えている限りは老けることがないのだろうと思います。

おじいちゃんが犬を飼っている。でも動きが激しいからついていけなくなる。金魚や鯉を飼う。魚は死んだりするから盆栽などに進む。毎日見ていても変化がわからないモノを好むようになるのです。昨日や今日と変わらない明日が来る、と思いたい願望もあるのかもしれません。そして究極は「石」を趣味にするようになる。

何千年前から同じようにあったモノに永遠を見て、苔むした石仏などを愛する。子供の頃、祖父に「あの石仏はいい」とか言われてもピンと来ませんでした。子供はバカだから、ダイナミックにトランスフォームするモノが好きなのです。

建物に残っている「フランス革命の時にできた傷跡」などを見るとグッと来てしまいますが、あまりそこにグッと来ないようにしたい。老けるから。俺はいつも同じことを言う人が嫌いです。変化し続ける人は「今日しようとしていること」を知らせてくれるので、毎日新しい話が聞けて楽しいです。

今朝は村本くんと恒例の朝食会でした。

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