月別アーカイブ / 2015年10月

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去年、西野くんとハロウィンの話をしていた。翌朝、渋谷の街がゴミだらけになったというニュースを見て思ったのは、人々の批判は「他人が楽しいことをしているのを、何か理屈を探してヒガむ人間が多い」ということでもあった。

俺は仮装してハロウィンを楽しもうとはまったく思わないけど、あそこでギャーギャー騒いでる連中も三社祭で神輿を担ぐ人たちも「祭りを楽しんでいる」という点において何も変わりはない。そのそもそもが日本由来の祭りではないからだなんていう言い方をするんだけど、日本の祭りは中国から入って来たものもあり、近くはクリスマスだってなんだってそうだ。由来を確かめてから祭りに行くバカなんているか。

そこに「けしからん」という人は決してマジメな人なんかではなくて、自分が理解できない新しくて楽しそうなことをしている人を見ると、ただ難癖をつけたいだけなのだ。

電車の中で携帯で話している人に「電話するな」と言う。これは同じ狭い場所で皆我慢しているのにお前だけ楽しそうに話すなという気持ちの悪い軍国主義みたいなもの。大きな声で話しているオバハンとかには何も言わない。ケイタイという「非難しやすい道具」がないからだ。デシベルで言えば、オバハンの方が普通の声で電話している人の数倍うるさいんだよ。

誰かが楽しそうにしていると批判したくなる。この心の動きをなんとかしないと日本に本当のエンターテインメントコンテンツは育たないと思う。千葉の海っぺりに囲まれたちいさい土地でしか「夢の国」を感じることができない子供が育っちゃうよ。

そこで西野くんは、ハロウィンの翌朝、ゴーストバスターズの格好でゴミだらけの渋谷を掃除するイベントを企画した。こういうのって正論で嘆くだけの人からは生まれてこないアイデアだ。 

「面白いこととは何か」を真剣に考えていくと、むしろ面白いとされていることの裏側や隣の方に宝がまだまだ埋まっている。サーロインや中トロだけじゃなくて、エンガワとか中落ち、オコゲみたいな部分を発見する人は能力が高いと思う。


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daily portrait and still life 

スタジオの前でタクシーを降りたら、スタジオマンが五人待ちかまえていた。機材を下ろそうとしているわけなんだけど、俺はトートバッグの中に、7R2を一台に55mm、ストロボのスレーブしか持っていない。近所を散歩するときと大差ない荷物。

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「知らない人を写すことは難しくないですか」と聞かれることがあるけど、仕事でもなんでも知らない人と会うことの方が多いじゃん。記念写真をのぞけば、むしろ家族や友人を写している方が写真としては珍しい。

現像を待っていたフィルム時代とは変化して、カメラのモニタが写真家の名刺代わりになる。「わー、私がこんなに綺麗に撮れている」という言葉を聞くのが何より好きだ。その瞬間、モデルになってくれた人から「この人になら撮られてもいい」という信頼を得ることができる。

特に旅先だと、たまたま会った人をパッと撮ってその場で見せられるデジタルカメラはとても便利だ。それと、知らない人にカメラを向けて撮影するのは慣れればなんということもない。写真の技術を2としたら、無駄話をして相手のムードを掴む数分に8のウェイトがあることさえわかれば。

俺はずっと人見知りだったんだけど、写真を撮るにはそれではいけないんだろうなと思ってリハビリをした。たぶん20年くらい前の知人と久しぶりに会ったら、俺はずいぶん変わったように見えるんだろう。さて、これからスタジオへ。おはようございます。

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