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自分は何も知らないのだ、と口が甘辛くなるほど自分に言い聞かせる。ある大企業の女性経営者が「会議に出ているメンバーの中で自分が一番無知であると思って臨み、発言すると言っていた。まさにこれ。

俺が知っているのは世界中で起きていることの、ほんの一部でしかない。狭い専門分野に限っても俺のような若輩者のハゲより多くの先達がいる。だとしたら自分が何ほどのことを言えるのかと思う。

じゃあ何も言えなくなっちゃうじゃんか、とは思うんだけど、だからこそ自分に関わることしか言わないようにしている。「俺はこう思ってこうしている」と書けば、それほど大きくはズッこけないものだ。どんな分野においても「俺は知ってるけどお前らは知らないと思うから正しいことを教えてやろうか」というトピック反応型の門外漢はよくいる。

今日の朝は友人と「知識や経験が豊富な人ほど、知らない分野があることを理解できるから謙虚である」という話をした。「知ること」は、知らなかった昨日までの自分を恥じることであり、お前らこんなことも知らないのかと言い募る人は「俺、知りたてのホヤホヤ」を露呈することとなる。

そう書くと「ああ、ソクラテスの無知の知ね」と言われちゃうんだ。そうやってソクラテスと面識もないのに簡単にキーワードだけで片付けんなよと思う。

てなわけで今日は人生の少し先輩、体験や経験で言うと極端な先輩である二組のご夫婦と六本木で食事。4人とも顔を知られている方々なので、俺が最後に店を出る時に「あ、こいつだけ何でもねえヤツだ」と通行人にガッカリ顔をされたことをここに記す。ほっとけ!