昨日の話の続きです。
1/26(木)に、六本木アカデミーヒルズが主催する「2017年の政治・経済・政策を斬る 〜日本で働き方改革は本当に進むのか〜」という講演会に行ってきました。そのときの超個人的メモです。備忘のため、いくつかのトピックごとに整理しておきます。なお、色んなスピーカーがいらっしゃり、それぞれの私見を敢えて混ぜて書いています。

■働き方改革「同一労働同一賃金ガイドライン」のポイント
・そもそも、同一労働同一賃金は、欧米では当たり前。日本においてギャップが存在しているのは、男性の正社員において、給与体系が年功序列制になっているから。
・日本の賃金・雇用条件は「労使自治の原則」
・米国には解雇規制は皆無に等しいが、唯一の解雇規制は「人種・性別・年齢の差別」禁止→企業側に差別していない立証責任を課す
→日本も企業側を動かす必要がある
・勤続年数=生産性の検証が必要
・個別人事評価の蓄積と開示の義務付

◾︎2016/12/20 第五回働き方改革実現会議にて提示された「同一労働同一賃金ガイドライン案」
働き方改革実現会議
www.kantei.go.jp
・無期雇用労働者と同一勤続年数の有期雇用労働者には、勤続年数に応じた同一支給をおこなう
・キャリアコースの無期雇用の賃金は、それを指導する有期雇用よりも高いのは妥当

◾︎雇用の流動化
・定年退職後の高齢非正規社員増加→非正規社員比率上がっていく傾向に
・女性管理職比率を30%引き上げるには、雇用の流動化を通じて実現せざるを得ない
・労働基準法は解雇自由の原則がある。ただし、雇用慣行を前提に解雇権乱用を禁止する法理。労組組織率が下がっている今、透明性上げる必要あり。個別労働紛争の支援も必要。

・36協定の締結状況と延長時間
厚生省が取りまとめる「総合時間等実態調査」によると、企業規模が大きいほど、時間外労働を認める36協定が企業・労組間に締結されていることが多い。
・知的労働者の改革なのか、生産性=労働時間な労働者の改革なのか、働き方改革のスコープは?

◾︎ホワイトカラー改革
・日本の労働生産性が低いのは誰か→ホワイトカラー
・一方、製造業は高め→ホワイトカラーが改革すべき対象
・理想はGDPに貢献した割合が給料になればよいが、現実は難しい。

・大企業は新卒採用を主にしている→中途採用に振り切ってない→中途採用促進→流動性上がる
・労働組合組織率17%、新卒の離職率上がってる
・東大のトップクラスの研究室で日本大企業行かない、スタートアップやる、若い優秀な人はそもそも経団連企業に行かない→時間の問題
・二流の生涯学習→ジョブ・ディスクリプションがない人たちが流動化で困る

・法律家改革が必要。集団紛争は減り、個別紛争は増えてる(2015→2016年で10→20万件)
・一方、国家戦略特区に2013年に設置された「雇用の相談センター」→判例からうまく逃げられるが、認知されていない
「雇用労働相談センター」について |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000090854.html
・解雇ルールを明確化、従来型の雇用契約では解雇できない
・いまも、1979年の「解雇4原則」が判例になっている。(高度成長期の慣例から出たもの)
・40歳まで雇用を保証→そのあとは自分の強みを活かした職種に就くべしという論 by東大 柳川範之教授
日本成長戦略 40歳定年制
http://www.amazon.co.jp/dp/B010UYUCIU/ref=tsm_1_fb_lk
・トラック運転手が定年後3割減の給与で訴訟→地裁で通った→高裁では負けた(みんなそうだから、という論)

(2)法律家の働き方改革
・法律家は周辺の困っている人の課題を解決していた、官僚が法律作っていた。
・法律家の活躍の場をつくる。
・背景としては、ロー・スクールを作りすぎたこと。
弁護士は英検1級くらいの資格くらいでよく、クオリフィケーションではない。

(3)女性の働き方改革
・女性の理想とする働き方を実際の働き方にする=女性の働き方改革なのでは?
・日本の過去歴史的に、女性が政治・ビジネスで声をあげざるを得ない環境ではなかった、というのも影響しているかもしれない

(4)労働時間=給与なワーカーの改革
・つまり、バリバリ働きたいと思ってる人がバリバリ働けるようにというのは問題なく、一方、それで取り残されている人いません?に目を向けるべき→今いる人たちが成果出すには?が大事。
・8割の人は労働時間=給料であり、彼らは日本から出られない人たち。ちゃんとした同一賃金、最賃を上げる、金銭救済が必要。


以上です。
たまには本だけではなく、キーマンの意見が聞ける会に行くのも勉強になるなと思った。

また、人材系の仕事をしているので、働き方改革がどう進むのかは気になるところ。引き続き、調べていきたい。