前回の記事の続きです。


今回はキャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement : CS)について。

CSには、大きく分けて3つのキャッシュフローがある。営業CS・投資CS・財務CSの3つであり、これらは企業の基本的な活動と対応している。つまり、

・営業CS=利益を上げる
・投資CS=投資する
・財務CS=お金を集める

この3つのCSの大小で、ざっと会社の経営状況を推測できる。それぞれのCSが0よりも大きいか小さいかで場合分けした一覧がこちら。

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例えば、(3)のパターン。これは、本業のキャッシュの出入りを示す営業CSがプラスなので、本業はうまくいっていると考えてよい。投資CSがマイナスなのは、設備投資を進めている結果、キャッシュフローとしてはマイナスになっていると推測できる。さらに財務CSはマイナスなので、他人資本をどんどん集めて、投資に回していると想像できる。

一方、(6)のパターンは、営業CSがマイナスなので、おそらく本業での利益が出ていない。財務CSもマイナスでいることを考えると、この事業年度だけではなく赤字が出続けており、それを補填する借金を重ねた結果、返済に追われていると言えるかもしれない。また、投資CSはプラスだから、借金返済のために固定資産を売却しているのかも、と推測できる。

このように、ざっとキャッシュフロー計算書を俯瞰してみただけでもかなりのことが推測できることが分かる。

ある程度、基本的なことをまとめ終えたので、次回からは元々設定していた下記のお題に答えるために決算書の分析法を整理してゆきます。

Q1:借入金の元金の返済額は決算書のどこに出てきますか?
Q2:利益10億はすごいことなのでしょうか?