そしてエミネム8mileのコロナ替歌ハイブロー!好きだわ。
いやーまじこの体操すげーわ、東京オリンピック来年でもいいから来てほしーわ、天才かよ、革命じゃん!


シェイクスピア「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」という科白をヴォルテールは「やめよ、選び、瞬時に移らねばならぬ/生から死へ、もしくは存在から無へ」と訳し、サルトルの「存在と無」はここから来た可能性が高い、/人間が忘れっぽいとすれば、それはまぎれもなく、直近の過去が現在を圧迫し、押しやり、突き飛ばし、そしてその先には、未来が大きな疑問符の姿をして立ちはだかっている/場合によっては、それはもう疑問符ではなくて感嘆符に見えるかもしれない/現在はどこへ行ったんでしょう/我々がまさに生きている最中であるところの素晴らしいひと時、それを過去や未来が結託して隠滅しようとしている/よく田舎で私は、穏やかに時を告げる教会の鐘を聞きながら、このひと時の消息を確かめ/一時間おきに鳴るその鐘は、私たちがみずからを思い出すための「ラ音」のようなもの/あなたと同じで、私もよく旅をするので、時差のせいで、ときの回廊の迷子みたいになって/とらえどころのなくなったこの現在という時間と仲直りをする必要がだんだん生じてきて/さもないと自分がどこにいるのか/ことによると、死んでしまったような気がするかもしれない/かつて三十年続いた流行が三十日しか続かない/自転車に乗れるようになれば永遠に有効であったが/現代は新しい情報処理ソフトを使いこなせるようになった頃、また新しいソフトを覚えなければならないようになる


ボルヘスが「記憶の人フネス(伝奇集の一篇)」で、すべてを記憶してしまう人物フネス(まるでインターネット)/まさしく文化というものの対極で/文化とは永久に失われた書物やその他の物品の墓場だ/フィルタリングなしで、あらゆる情報が入手可能になり、端末を使えば何でもいくらでも知ることができるようになった現在、記憶とはいったい何でしょうか/私たちが知るべきことは何でしょうか/義肢的な存在が何でも知っているとしたら、それでも我々が習得しなければならないことは何でしょうか/考えをまとめて結論を導く技術/そして習得するという行為そのもの/真偽を確かめられない情報をチェックする方法を習得する/与えられたテーマ1つに対して、出所の違う10の情報を集め、それらを比べ合わせ/インターネットに対する批評感覚を鍛え、何でもかんでも鵜呑みにしないことを覚える鍛錬が必要になる


知識と認識の違いを確認する段にさしかかり/知識とは何の役に立つかわからないまま、溜め込み持て余しいるもので/認識とは知識を経験に変えてしまうもの/更新される知識は機械に任せ、認識のほうに集中する時代/ミシェル・セールのいう知性とはそんなこと/インターネットが与えてくれるのは未精製の情報で/この情報の森のなかで、各自が/道を切り開いていく/三万六千の神々を擁するインド神話のように/主要な神々に従属する二次的な神々が無数に存在し/亀の視点という視点によると/亀を地面に置いて四肢が甲羅から出て/その四つの方位が主要な神々で/そこから無数の神々がいるので/インターネットも亀の視点は大切だと思う/イギリス小説は18世紀が黄金期で、サミュエル・リチャードソンだとかダニエル・デフォーなど/小説の三大文明国はフランス、イギリス、ロシアで/また、創作活動の流派というのは、しばしば、同じ欲望を分かち持った友人同士の小さなグループから生まれ/マン・レイはアメリカから、マックス・エルンストはドイツから、ルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリはスペインから、バンジャマン・ペレはトゥールーズから、第一次世界大戦後、パリに集結した/ビート・ジェネレーションもヌーヴェル・ヴァーグも/12、13世紀のペルシャの詩人たちも(アタール、ルーミー、サーディー、ハーフェス、オマル・ハイヤームなど)/孤立した天才はいない/このことは物理学や数学にも起きている/


これは現実とか夢/とか日常とか普通/とか非日常とか境界とかスピリチュアルとか麻薬とかいけ/ないとかそんなのはありきたりでどうでもよく/なってきてぜんぶこれはゲームとおもうとわりとホリ/エモンとかひ/ろゆき(的な)の言ってることがインスト(ちいさなことよ)されるのがここ一年の/あり方で失敗(なのか)なのは遅すぎたという展開と実感だけどリアリストともニアミスってるハイパーな居/心地がマイレボだな/とか/行動は書くことや読むこと投下さ/れるに決まっていてゴタゴタつまら/ねとか/アリストテレス の中庸とか/好きとか嫌いとかに/(二択しかねーとか)というか/パラメータは/中庸で/と/か/行動しないための御託は/で、/あれこれ動くことから思考は身についていく/あれこれ心配しても動かなければ心配はなくならない/未来を嘆くより現在を楽しむ/



チケット購入済だったが残念。というか相方と最終協議して断念した矢先のツイート。まあ延期だし。やむを得ない。
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インプットアウトプットの境目をなくして/ゲームのようにたのしめばいい/プレイヤーは勝ち負けがあるがメタプレイヤーには勝ち負けがない/答えは分析や批評より速くだす/インプットアウトプット(入力出力)があるだけで答えなどいらない/なぜインプットするの?なぜアウトプットするの?というような三文分析や批評は退屈すぎる/インプットアウトプットがゲームなのだから/何もやらないのに批評垂れてもおれは退屈すぎるし/ゲームは始まらないし(ゲームをし続けることがか答えで分析=言葉は後から追いかけてくるのもゲームだ)/地道でも派手でもいいからこのゲームはやめられない/理由は簡単/たのしいから(だけでもないけど、能動として楽しめる)/その先になにがあるかを考えるのは愚かで/その先は今を楽しまなければ考えたって意味はない/有り体にいえば、入力出力のない分析や批評なんて空虚だ/入力出力を繰り返したのち言葉が沸いてこれば少しは身について形を為す/言葉ばかりを羅列し空を切るのは実がない/↓↓↓(下記とか編集は)(読本についての自己リライトね)わざとぐちゃぐちゃに圧縮して/詩的に俳句的に圧縮して/自分の内部に入ってくるように/説明的/分析的にしないよう/そうすると自分の内部が退屈になるし/これは音楽を断片化してるのと関係しているような気がしなくもないけれど/クソ長いけど(そんなこたーどーでもいー)/粗読と精読と二回読み/主観と記述を切り刻んで書き込み読んだら別物(良い意味で)として内部を目指し/動画と読本を一緒にする試み/試みもゲーム/音楽も本も好きなものはゲーム/ゲームは無限/嫌いなものもゲーム/ゲームは無限/

雪山で遭難して死にそうになっていた人が、「あそこの木まで20分以内で行こう」というゲームを繰り返した結果、山から生還したことがあった/勝手にゲームにして「遊び」を生み出したほうが、時として「死にたくない」と思うよりもパワーを発揮することがある/ゲーミフィケーション とはそんなことだが、やたらに「意味」を問う人生は意味病になる/それよか、これはゲームだ、プレイヤーとメタプレイヤーを割り振りとにかプレイしなきゃ始まんない/意味なんて関係なくて分析とか批評なんてプレイしないのにやってもまさしく意味がないって話し/夏目漱石とドストエフスキー読了/野分が小品なれど重力の虹/カラマーゾフ家はドストエフスキー家なんだけれど、だからこそ震撼するし、迫力があるし、人間の底へ底へとロープが下がり、そのロープにミーチャが縋りつくのは感動的であるし、奇しくも前後に書かれたシャーロックホームズじゃないが、BBCというかNetflixが、ドラマ化したら現代に火をつける人気作となるだろうし、是非やってほしい/もう、Netflixの独壇場でしょが/恒星、惑星、矮星、そして、巨星、いろいろ眺めたり触れたりした方がいい/近いところ、あるいは触れられそうな距離ばかりを求める人生はつまらんし/遥か彼方にある巨星を求める旅こそがまた人生やね

動画のあとに読本リライトね

 






#3

(イアンバンクスは過激だけれど何故これを書いて読むのかは一読(以上)の価値ありだ/前半本を投げたくなるくらいの残酷のテーゼだが/その心底から呻くモールス信号を読んで鬱蒼の詩情にクラクラしながらズブズブと震盪に鎮まされる)

▶︎幸運の数字はeだ。数字さ。超越数だもの。2.718ーーーー/おれの最大の敵は「女」と「海」だった。やつらが憎い。「女」は弱く愚かで、男の陰のなかで生き、男とはくらべようもない存在だ。そして、「海」はいつもおれを苛立たせる。造ったものを破壊し、残しておいたものを流し、おれの痕跡をきれいに消し去ってしまう。といって「風」が潔白かどうかはよくわならない。「海」はいわば神話的な敵だ。だから、おれは生贄といっていいものを魂のなかで捧げるし、多少の怖れも抱いていて、人並みに尊敬しているが、多くの場合、対等なものとして「海」に相対している。/おれはスペース・インベーダーに飽きた。/次に映画クラブの「ブリキの太鼓」(1959年、ギュンダー・グラスの問題作)「マイラ」(1967年、ゴア・ヴィダルの異色作)はまれな贈りものだった。▶︎自分を国家、或いは少なくとも都市だと考えることがよくある。異なった政治的風潮のなかで国家が運営されるように、思考や行動の方針などに行き違いを感ずるときにそんな思いが浮かぶ。民衆が新しい政府に票を投ずるのは、政策への賛同からというより、変化を望むからではないかといつも思う。/同じような現象がおれの頭のなかでも起きる。往々にして異なった思考や感情が互いに自己を主張してゆずらないから、おれの頭脳のなかにはたくさんの異なった人間がいるにちがいなと思えてくる。▶︎「爆弾の環」親父の足とその杖、たぶんオートバイを買わせたからないこと、髑髏のなかのろうそく、ハツカネズミとハムスターの葬列、すべては親父の二人目の妻、おれの母親アグネスの過ちなのだ。/「思い切りやればいいよ」「れんちゅうしてもいい?」「砂で練習しな」「手で合図するまで、鐘を打っちゃだめだよ」「おやくそく」/あれはドイツ軍の500キロ爆弾で、峡江のずっと先にあった飛行艇基地の爆撃を完遂できずに、ノルウェーの基地へと帰投しようとした、損傷を受けたハインケル111が投下したものだ。/火成岩の巨大なそがれ石のいくつかは、とっくに回復した砂の表面からいまも突出して、「爆弾の環」を形成し、亡霊の集う瀆神の環状列席として。あわれな亡きポールにもっとも相応しい記念碑となっている。/「また犬に火をつけるようなことになったらどうする?くそっ。それに子どもに毛虫を食わせようとした前歴もある。」/空に浮かんだ炎の顔のようだった。/やがて、おれにひらめくものがあり、それで納得した。蜃気楼、海上の大気層による反射現象だ。おれが目撃したのは、北海の沖、たぶん数百キロは離れている海洋石油掘削装置のガスの炎だった。/おれだからわかったのであって、論理能力と想像力がどちらも劣る者だったら、きっとあれはUFOだという結論に帰結してしまっただろう。▶︎「花束」おれが幼くエスメラルダをころしたのは、自分と世間一般に対して借りがあると思えたからだった。おれは結局は、数字上は二人の男の子をころしていた。だから女の子という人種にも同じ運命をあたえる統計学的な嬢ねつに駆られていた。/巨大カイトで今も空に浮かんでいるとしたら素晴らしい。世界を巡りながら、飢えと脱水で死に、体重が減少するにつれ高度をかせいでゆき、最後には小さな骸骨になって地球のジェット気流に乗ってしまう。「女のさまよるオランダ人」だ。現実はそんなロマンティックな幻想どおりにはいかないだろう。▶︎「髑髏塚」おれはなにも憶えていないが、「老サウル」をうるさがらせるのが好きだったらしい。/おそれを知らぬ幼児、つまり、おれが、犬になにか手ひどいいたずらをしかけたことは充分に考えられる。/事件は、のちに/庭の一面で起こった。/身も凍る吠え声と、ひときわかん高くて恐ろしい悲鳴を耳にした。/クランプ夫人が/おれの両足のあいだの惨状を見て気絶しそうになった。/数分たらずで/発見した。/老犬は/うずくまっていた。/親父はかかえあげ、絞めこらした。/彼が老犬の息の根を止めたとき、ポール(キリストの使徒パウロ、すなわちポールの元の名はサウル)/の産声が、/聞こえたという。/「老サウル」は最後には家の裏/に埋葬され、のちにおれはそこを「髑髏塚」と呼んだ。/親父は犬の腹を裂いて、胃の中におれの小さな生殖器を見つけたというが、おれはそれをどう処置したのか、聴き出そうとしたことはない。/ポールはもちろんサウルだった。/それが親父に、新しいおれの弟に、あんな名前を選ばせた理由だ。▶︎どの人生も象徴を抱え込んでいる。/「蜂工場」はそうした宿命の波紋の一環だ。/それは生の一断面であり、むしろそれ以上に、死の一断面だからだ。人生が混み合っているように、「工場」は複雑な構成部品を具備している。「工場」が質問への回答能力を有するゆえんは、設問への意志そのものが、すでに生の意味を限定づけるからであり、そして「蜂工場」は究極の限定、しかも死、をもたらす装置であるからだ。おまえたちは内臓でも、棒きれでも、サイコロでも、本でも、小鳥でも、声でも、ペンダントでも、そうした一切のがらくたを好き勝手に、後生大事に抱え込んでいるがいい。/おれには「工場」がある。過去ではない、現在と未来を語る「工場」がある。/「蜂工場」は美しく、危険に満ち、完璧だ。/たとえば、女は産むことができ、そして男は殺すことができる。おれたちーーーおれは自分が名誉男性だと考えているーーーは、より苛烈な性だ。/おれは骨の髄から、去勢されていない遺伝子のなかから男を感じている。エリック(兄)はそれに反応してくれるに違いない。▶︎「エリックに起きたこと」エリックは町の少年たちを脅しだした。/エリックが子どもたちに毛虫や蛆のかたまりを無理やり食べさせようとするに至って/町の犬が次々と不自然な疾走を遂げ、ガソリンを振りかけ、火を放つあにきを目された。/エリックが少しばかり女性的すぎる自我の犠牲になったとらにらんでいる。/極端な状況において、それはやすやすと自我を破壊するに充分な力をふるった。▶︎「放蕩息子」エリックは片手にたいまつを打ち振り、もう一方には斧を握っていた。彼も絶叫している。▶︎「おれに起きたこと」エリックは「陣地」のある砂の上で眠っていた。/父さんがあたしに/男性ホルモンの投与を開始し、/あたしは肥大したクリ トリスにすぎないものをペニスの名残りりだと思い込んでしまった。髭も無月経も、/父さんがほんとうにあたしになにもかも白状したのか/自分自身のこれまでの人生や三人の死者が瞼に浮かんで、笑いたくもあり、泣きたくもあり、できるものなら両方したくもあった。死者の合計数はいま、ある意味では四名だった。親父の真相告白は、いままでのおれを殺害した。/でも、あたしはいまだにおれでもある。/なぜ。どうしてあのようなことができたのだろう。/ペニス羨望とでも言うがいい。/今となっては、最初の一歩からおれは道化者だった。/殺人はおれの精神のいとなみの生み出した嫡子であり、おれのセックスだった。「蜂工場」は人生を構築するためのくわだてであり/代償世界だった。/大いなるからくりの内部に/ひとは誰しもおのおのの「蜂工場」のなかに入れられて/這いずっている/夢にせよ、悪夢にせよ、平凡にせよ奇抜にせよ、良きにせよ悪しきにせよ/解かれていく/あたしの眼差しはふたたびエリックへ還り/何があたしに起きたのか、彼には話さなければならない/かわいそうなエリック。弟に逢いに家まで戻ってきたのに、夢から醒めて知らされるのは、/つまり、妹が一人できたってことよ。■■■「イアン・バンクス」ジョーゼフ・ヘラーの「キャッチ22」になにがしかを負っていて/わたしは当時の快適帯(コンフォート・ゾーン)に近づく方向にいった。一人称の語り、遠くでスコットランドの島まがいの地が舞台で、ひどい暴力問題をともなう、正常さに挑むティーンエイジャーによって語られ、わたしにとってサイエンス・フィクションの骨法がもちだせるものだった。島は一個の惑星とみなされ、主人公のフランクはエイリアンにほぼ相当する。内心顔をしかめながら、わたしはあたりまえのことを書く流派に屈服したが、SF的誇張法の一服の助けを得て、誇張可能な体験を自身の過去に探った。わたしはダム造りをしたから、フランクもそうする。/もっとも、女性、海や復讐については、いささか常軌を逸した超越モチーフを含んでいる。/わたしは大きな自家製カイトを作ったから/まったく罪のないティーンエイジャーの少年がするように、爆弾を、火炎放射器を、銃を、巨大パチンコを、/に熱中したので、フランクもそうする。/ある点で、フランクは、われわれすべてのために戦うのだ。/子どもたちはおそらく、大人に劣らずあまたの暴力的思考を抱いていて、ただ普通は洗練されたモラルの枠組みを内に持たない■「訳者」神話的時間は円環を描いている点で、物理的時間と根本的な違いがある。つねに行ったりきたり戻らない一直線の散文的なものでなく、呪術的時間は詩的に回帰する。そこに蜂工場の成立する基本的条件がある。十二時間、十二日間、十二年間/豊穣、怪奇、有機的、半神的、アンドロギュノス的な神話世界/おれの崇拝の対象となる犬は、ひっくり返して綴れば、dogからすなわち、godとなる。/アナグラムが隠れている/「蜂工場」の蜂はミツバチbeeではない/スズメバチを指すwaspが使用され/白人でアングロサクソン系のプロテスタント、ひいてはエリート支配層を示す言葉WASPを軌を一にしている■「牧真司」「蜂工場」はモノローグで語られ/ソリッドな文章で綴る/暴力と死があたりまえのように染みついた世界。凄惨な場面も少なくないが、それがまったく扇情的に描かれておらず、どこか静謐な詩情、冷え冷えとしたユーモアすら漂う。/アモラルにしてイノセント/狡猾さをもちあわせもって/最初にころしたのは、いとこのブライス/フランクとエリックが飼っていた兎を面白半分に焼きころした/罰をくださなければならない/二番目は幼いポール/三番目はいとこの少女エスメラル/「蜂工場」はどこかWゴールディングの「蠅の王」を思わせる/JGバラードの「殺す」との類縁性を思わずにはいられなかった/レイ・ブラッドベリの「小さな殺人者」「バーン!おまえは死んだ!」「遊園地」「少年よ、大茸をつくれ!」などのイノセントな世界破壊者のモチーフ/作品が孕む論争喚起的なテーマの補助線は真相それ自体よりも凄味がある■三田格/ギュンター・グラス「ブリキの太鼓」/ウィリアム・ゴールディング「蠅の王」/アントニー・バージェス「時計仕掛けのオレンジ」/ジョン・ファウルズ「コレクター」/JGバラード「クラッシュ」/マーティン・ベッドフォード「復讐×復習」/コリン・バレット「ヤング・スキンズ」/クリストファー・ノーラン「インターステラー」で九冊の本が落ちるシーンで最初に落ちる本はイアン・バンクス「蜂工場」で、他にはトマス・ピンチョン「重力の虹」、ボルヘス「伝奇集」、最後に落ちるのはエドウィン・アボット・アボット「フラットランド」/ちなみに何故か、イアン・バンクスはAmazonのCEOジェフ・ベゾスやテスラ社のイーロン・マスクが熱狂ファンだそうだ






#4

▶︎古来、空気(余人はアルゴンと呼ぶ)は生命の源である/ここに、刻むこの文章は、わたしが生命の真の源を理解し、ひいては、いずれ生命がどのようにして終わるかを知るにいたった/われわれは毎日、空気をいっぱいに満たした二個の肺を消費する/われわれは毎日、空になった肺を自分の輪郭からとりだし、満杯にした肺と交換する。/ほんの数分でも時間の余裕があるなら、空の肺を吸気口に接続して、次の人のために満杯にしておくのが一般的な礼儀だ/満杯になった肺を話し相手に差し出したりする/厳密な意味で空気の共有とは呼べないにしろ、/仲間意識がうまれる/吸気口とは地下深くにある貯蔵槽(レザウォール)ーーー世界の巨大な肺にして、われわれの栄養すべての源ーーーから延びる吸気管の末端に他ならない/空気の流れがゆっくりになれば、思考の速度が低下し、時計が速く進む/本質をつきつめれば機械的なもので/だからこそ/空気は生命の源ではないと記した/空気は創造することはできても破壊することはできない/宇宙における空気の総量はつねに一定だから、生きるのに必要なのが空気だけだとしたら、われわれはけっして死ぬことはない/真実は違う/生命の源は、空気圧の差ーーー空気の濃いところから薄いところへと向かう空気の流れである/気圧の差がたがいに平衡を見出そうとするとき生じる力によって駆動されている/宇宙のあらゆる場所の気圧が均一になれば、すべての空気は動きを失い役にたたなくなる。/実際には、われわれは空気をまったく消費していない。/宇宙の気圧の均一化に加担している。/この宇宙は、こらえていた巨大な息としてはじまった。その理由は知る由もない。しかし/宇宙が、開闢したことに、わたしは感謝して/わたしがこうして存在するのは、その事実のおかげだからだ。/わたしの望みと考えのすべては、この宇宙のゆるやかな息吹から生まれた渦巻きであり、それ以上でもそれ以下でもない。そしてこの偉大な息吹が終わるまで、わたしの思考は生き続ける。/この宇宙が閉ざされても、堅牢なクロムの無限の広がりにある空気室が、唯一ここだけではないかもしれない。/宇宙以外の別の宇宙がありうる。/かつてわたしに動力を与えてくれた空気が今度は誰かの道理になりうるのだと想像すると元気が湧いてくる。この言葉をここにこうして銘刻することを可能にしてくれた息吹が、いつか他人の体を流れるのだと思うと、励ましになる。/生き返るチャンスがあるかもしれないなどと考えて自分をあざむくつもりはない。なぜなら、わたしはその空気ではないから/願わくは、いまこれを読んでいるあなたが、/探検家のひとりであってほしい。/あなたがこれを読んでいるいま、わたしはとうの昔に死んでいるが、/いまこの言葉を刻みながら、わたし自身は/同じことをしている/だろう▶︎予期される未来/自由意志が幻想でしかないと説く議論するは、物理学を論議にするものから、純粋な論理だけに基くものまで、むかしからあった。/反論不能であることを認めているが、/その結論をほんとうの意味で受け入れた人間はだれもいない/自由意志を持っているという経験はあまりに強固なので、議論ひとつで覆されることはない/覆れるために必要なのは実体験であり、予言機がそれを提供する/機械の裏をかこうといろんな戦略を試したりする/予言機をプレイした人間の三分の一は/昏睡状態(コーマ)ともいうべき無動無言症になるする/不動点に落ち着くか/またべつの力学系はいつまでもカオス的な運動を続けるかもしれない。/しかし/どちらのふるまいも、完全に決定論的なのである。/唯一の方法は、うそを信じることだ。/いまや文明の存続は、自己欺瞞にかかっている。いやもしかしたら、昔からそうだったのかもしれない。▶︎「甘やかすことが子どもの自分勝手な行動を招き、それに腹を立てたナニーは許されている以上に厳しい罰を子どもに与えてしまう。そのち、ナニーはそれを後悔し、その結果、さらに甘やかすことで過剰に埋め合わせをする?これは逆転した振り子運動であり、振幅が常に大きくなる傾向がある。もしこの振り子を垂直のままに保つことができれば、その後の修正の必要はなくなるだろう」/「子どもたちは罪深く生まれるのではない。われわれが世話を委ねた者たちの影響によって罪深く育つのだ」▶︎子どもに読み書きを教える必要はもうなくなるかもしれない/音声認識および音声合成が、まもなくそういう能力を不要にしてしまう/うちの娘/については、むかしながらの読み書きの力がつねに基盤となるようにしよう。/娘がおとなになったいま、/わたしと同じくらい読める/しかし/書く力を失ってしまった/しかし、補助してくれるソフトウェアがあれば、自在にかける。/流暢にしゃべれるけれど書くほうは/第二言語的なものになっている。/生活記録(ライフログ)をとっている人間は/自分の生活のすべてを絶え間なく録画し/記憶にとってかわることを望んだ。/意味記憶(一般的な知識)とエピソード記憶(個人的な出来事の思い出)を区別する。書くことが発見されて以来、人間はずっと、意味記憶を補完するテクノロジーを使ってきた。最初は本、それから検索エンジン、一方、エピソード記憶については、/助力を歴史的に拒んできた。/そしていま、/ライフログは網膜プロジェクターをつけ/そして、だれもが乳幼児のころを覚えているといえるようになったら、/自分の尻尾を呑み込むウロボロスの蛇のように、記憶から消え失せてしまう。/人間は物語でできている。/一秒一秒の公平中立な蓄積ではない。/瞬間を/組み立てた物語(ナラティブ)だ。/瞬間を選びとる基準はひとそれぞれで、各人の個性を反映している。/未編集の防犯カメラ映像が映画にならないのと同様、完璧な記憶は物語にはなりえない/書くことはテクノロジーであり、/読み書き能力のある人間は、その思考家庭をテクノロジーに仲介されている/われわれは、造作なく本を読めるようになると同時に、知的サイボーグになる。その結果は深淵だ。/全世界で、吟遊詩人(バード)や語り部(グリオ)が/変化させ、過去は現在の必要を満たすように徐々に整えられていった。/説明が変わるべきではないという考えは、記述された世界に対して読み書き文化が抱いている敬意の産物だ。/口承伝承は共同体の認識にお墨付きを与える/ライフログにより/わたしたちひとりひとりの心も、口承伝承から読み書き文化へと移行する。/読み書き能力を得ることで、/主観的な経験を軽視するほうに傾く。/核心は、自分が正しかったと証明することではない。/自分が間違っていたと認めることにある。/自分がとった最善の行動を強調し、最悪の行動を除外するようなつくり話ではなくーーー間違いをおかす自分を認め、他人の間違いに対してもっと寛容であるようなものにすることだ。/娘との口論の経過説明/告白的な叙述スタイルが一般的に描く弧のかたちに沿うように/歪めて/しまったか?/または/結果が知りたい。/ディヴ属のジジンギへ書くことを教える/「夜が来るとわたしは眠る」「ふたりの人間がいます」/「書くときは空白がいる」/あんたのしるしは群れをつくっている。ぼくのしるしは均等にならんでいる」/「単語と単語の間に空白を残す」/「あなた。は。何。歳。です。か?」/単語がどこではじまりどこで終わるかは、耳で聞いてもわからない。/山羊の脚の皮と同じくらいあめらかで切れ目がないが、単語は、肉の下にある骨のようなもので、単語と単語のあいだの空白は、山羊の脚をばらそうと思ったときに切断する関節部分に相当する。/書くときに空白をはさむことで、/自分のしゃべれることに目に見える骨をつくっている/どうして書くことが考えることの助けになる?/話した言葉は飛び去る、書いた言葉は残る、だからだ、/書くことは/記録する方法というだけではない。/そして単語は、しゃべることの部品というだけでない。考えることの部品だった。/考えをレンガのように両手でつかんで、べつの並べかたで並べることができる。書いたものを見ることで、考えを磨き、もっと強く、もっと精緻なものにしてくれる。/ぼくらの言語は、あなたの言語で「真実」にあたる単語がふたつある。正しいことを指す場合は、ミミ。正確なことを指す場合は、ヴォウ。紛争では、当事者たちはそれぞれ正しいと/ミミをしゃべる。しかし証人は、起きたことを正確に話すと宣誓し/ヴォウをしゃべる。/当事者たちは、ミミをしゃべっているかぎり、それがヴォウでなくても、嘘をついていることにほかならない▶︎「フェルミのパラドックス」は「大いなる沈黙」と呼ばれ/宇宙はさまざまな声が満ち溢れてやかましいはずなのに、びっくりするほど静まり返っている。それは、知的種族が宇宙人に広がる以前に絶滅してしまうから/夜空の静けさは、墓場の沈黙だ/リオ・アバホの森にはわたしたちの声が鳴り響いて/わたしたちは殆どいなくなって/この雨林も、宇宙の他の部分と同じように沈黙するだろう/アレックスという名のヨウム(アフリカに棲息する大型インコ)が/知的能力の高さで知られていたーーーアイリーン・ペパーバーグという名の人間の研究者が、三十年を費やしてアレックスを調べ/アレックスが死ぬ前夜、ペパーバーグに/「あなた、いい人。愛している」と言った。/人間は数千年にわたってオウムとともに生きてきた/aspirationという単語が、「望み」と「呼吸」の両方の意味を持つのは/わたしたちが話すときは、肺に吸い込んだ空気を使って、思考に物理的なかたちを与える。/われ話す、ゆえにわれあり。/ピュタゴラス学派の神秘主義者は、母音が天球の音楽を表していると信じ、/ヒンドゥー教の神話によれば、宇宙は「オーム」という音とともに誕生した。/1974年、天文学者はアレシボを使って、人間の知性を宇宙に知らせしめる/人類のコンタクト・コールで/原初の「オーム」のかすかな残響である。/メッセージはこうだ。/「あなた、いい人。愛してる」▶︎オムファロス/たとえこの宇宙がつくられたのが人類のためではないとしても、わたしはやはり、宇宙の仕組みを理解したいと/わたしたち人間は「なぜ」という疑問のこたえではないかもしれませんが、「どんなふうに」というか問いの答えをさがしつづける/主よ。/この探求こそがわたしの目的です/アーメン。▶︎不安は自由のめまい/自分のあらゆる行動が、それと反対の行動を選んだ分岐によって打ち消されるため、選択が無意味になるのではないか/人間の意思決定は量子現象よりも古典的で、選択するという行為は、それだけで新たな分岐をうむわけではない/新たな分岐を発生させるのは量子現象であり、/自分の行動の道徳的な重みをプリズムにゼロにされた/とはいえ、殺人などの重罪をおかすほど性急に行動する人間はほとんどいなかった。/行動の結果は/この分岐にいる自分自身に降りかかってくるからだ。/エドガー・アラン・ポーは、そうすることが可能だからというだけの理由で間違ったことをする誘惑を「天邪鬼」といった/
■商人と錬金術師の門/過去を変えられないことが/悲しみに直結しない/タイムトラベルものが/ムスリムの設定/に合うかもしれないと/運命の受容がイスラームの基本的な教義のひとつで/「アラビアン・ナイト」の叙述と/閃き/できあがった。■息吹/ふたつのモチーフから❶PKディック「電気蟻」/医師の診断を受け/あなたはロボットですと告げられ/自分の胸を/開き/パンチテープが/ほどけて/自分の心を/覗いている❷ロジャー・ペンローズ「工程の新しい心」/エントロピーに関する/エネルギー保存則が示す/人間はエネルギーを吸収するのとほぼ一致する率で、たえずエネルギーを放出し/秩序を消費し、無秩序を生成している/つまり/われわれが生存できているのは、宇宙がきわめて秩序の高い状態で始まったから/■偽りのない事実、偽りのない気持ち/ウォルター・オングの「声の文化と文字の文化」をモチーフにしている■オムファロス/オムファロスとはギリシャ語で「へそ」/イギリスの自然学者PHゴスが/アダムとイブは、へそがある状態で創造されたと主張した/宇宙は、化石や地層など/ひっくるめて(へそでつながる)創造されたという考え/反対に、すべてがまっさらな状態で創造されたする「若い地球説」があり/アインシュタインの相対性理論さえ、観測者がどんなに速く動いていても物理法則は/同じに見えるはずだという/コペルニクスの原理の派生は/もし人類がほんとうに宇宙創造の理由であるなら、相対性理論が正しいはずはない。違った状況では、物理学は違ったふうに振る舞うし、検知されるはずだ。■不安は自由のめまい/ルターいわく「われ、ここに立つ。こうするよりほかない」つまり、それ以外の行動をとることは一切出来なかった/自由意志に関する議論で/ルターが「ほかの道も選べた」と発言していたら/賞賛に値したとは考えない。加えて、量子力学の多世界解釈がある。/だが/あなたがなにをしようと、それと反対の行動をとった別の宇宙がつねに存在し、あなたの決断の道徳的な重みを打ち消す/多世界における多数の/ルターたちを調べることができたとしても、教会に反抗しなかったルターを見つけるためには、はるか遠くまで探しにいかなければならないだろうし、その距離の遠さは/なにがしかを物語っているはずだ。/デンマークの哲学者キルコゲール「不安の概念」の一節から/「不安は自由のめまい」/「不安は、精神が心と体の統合を提案し、自由がみずからの可能性を見下ろしながら、支えを求めて有限性に手を伸ばすときに生じる」/自由意志/脳は物質で/物質は古典物理学の法則に従ってふるまう/ある時点におけるシステムの状態は、その直前の状態によって決まる/決定論の主張には大きな説得力がある/しかし/問題は、未来についての情報を得られた場合/どう振る舞うか/未来を変えることはできない/変えられるとしたら、未来についての情報を得たことにほかならない/禅の公案みたいなもの/悟りをひらいて/平然と立ち向かえるひとは/少ないと思う/避けられない困難に直面したとき、知性はどうふるまうか



































#5

サーストンの三原則(マジシャンのタブー)「説明しない」「繰り返さない」「明かさない」→マジックは演出がすべて/タイムマシンは仕掛けでなく本物だった。それだけ/馬は草食だ。草食動物が全力で走るのは/肉食動物に追われているとき/命の危険を感じているとき/競馬とは、人間が勝手に作ったものだ/彼は、勝ったとしても負けたとしても、いつもレース後に「ごめんな」と謝っていた/命の危険を感じさせて、ごめんな/それが/言葉の真意だった/今では真実も数少なくなって/世の中はあまりに多くの嘘であふれ/その中でも最も大きな嘘/とは「未来は変えられる」というもので/「変える」とは存在するものを別様にしてしまうこと/変えられるとしたら、それは未来ではなく過去/過去はすでに存在していて/過去という豊穣な海のなかにあるから/存在していない/未来など恐るるに足りませぬ/二千年以上前の/古代ギリシア/に、ゼノンという男がおり/四十以上のパラドクスを残した/が、そのうちの四つが哲学者アリストテレス によって語り継がれて/その三つ目の「飛ぶ矢のパラドクス」は/「矢は飛んでいる間、常に静止している」というパラドクスで/すなわち「もっともらしい前提と正しい推論から、常識や理屈と異なる結論が導かれること」だが/アリストテレス は「時間は瞬間の積み重ねではない」(時間は点を集めたものではないよう)と反論したが/しかし/(時間は線のように)「時間の流れは存在しない」/私たちは、物質が変化するという形でしか「時間の流れ」を想像できない/フランス哲学者のベルクソンが指摘している通り、私たちは物質の変化の背後にたる仮象の概念を「時間の流れ」として理解しているが/であるならば、「過去」は/必ず存在し、不変であると/しかしながら/どこに存在し/確認すべきものなのでしょうか。/それが、人間の精神のなかにあるもの/すなわち「過去」というのは、人間が自らの精神を参照にしたときに現前する仮象の存在物です/静止しているものにも「0」という速度が存在している/存在しているものを変えることは可能ですが/速度を変えられないもの/それは「時間」です/一秒は、必ず一秒の間に進行します/時間の速度を変えることはできない/私たちの脳は/現実を改竄しています。/目の前で爆発が起こったとして/音が脳に届く時間と、光が脳に届く時間にはかなりの差があるのですが、脳はそれが「同時」だと認識し/過去の旅でも起こりうる/無意識に時系列を編集してしまう海馬という部位が支配する/ケプラーは言う/幾何学図形の法則性が美と調和していること/西洋音楽は数学的であり、惑星とは一種の音楽であるということ/惑星たちはポリフォニーを歌っていて、それぞれの惑星の声域は太陽からの距離によって決まっていて/地球はアルトで、火星はテノールで/そもそも「ハーモニー」とは「組み合わせる」という数学の言葉で/「リズム」も数学の言葉/という経緯も考えれば/惑星をポリフォニーだというのも理解できる/ピタゴラスが音階を発見して以来/音楽とは数学で/数学とは真理だった/ボイジャーは太陽系の外惑星、すなわち木星、土星、天王星、冥王星の写真を撮影してから、太陽系外への永遠の旅路についた/撮影した写真は「家族写真」と呼ばれている/太陽系全体の姿をおさめた写真家だ/教会のステンドグラスの向こうには透き通った星空が広がっていた。そこには宇宙があった。火星のテノールと、地球のアルトがあった僕はその中に、今もなお宇宙のどこかに漂いながら、バッハやモーツァルトをまだ見ぬ誰かのために運んでいるボイジャーの姿を探した。/最後に「虚無」が流行した/流行そのものが消えた/断捨離/不要なものを捨てる/皮下脂肪を捨てる/余計な人間関係の精算捨て叶わない夢の諦め方/しかし、おれは改造単車ーーーゴッドスピード号に跨る/流行とは「差異」だ/ノームコアーーー究極の普通は差異を奪い去った/しかし流行とは「他人にどう思われるか」/でありながら/帰結は/みな似たような格好をする/純粋に楽しみたい/さて、お前はどうする?/ニュートンがこの世に存在していなかったら、万有引力は発見されなかったか?/そうは思わない/万有引力の発見にはストーリーがある/ケプラーが楕円軌道の法則や公転周期と起動鳥半径の関係を発見していた/ニュートンは最後のピースになっただけだ/しかし、歴史的必然性のないディケンズの「オリバー・ツイスト」は書かれなかっただろう/共産主義のマルクスとエンゲルスの歴史的偶然と邂逅は「オリバー・ツイスト」より高度な事件です/ヘーゲルの系譜を継いで極端な無神論だったマルクスと、産業革命後の英国チャーティスト運動に触れ、労働者階級に深い関心を持ったエンゲルス、/マルクスは精子で、エンゲルスという卵子と受精して、共産主義という子が生まれた/マルクスは天才でしたが、気難しい人間で(人間的にはクズ)/数多くの敵をつくり、組織から疎まれ/生活力もありません/加えて/浪費癖があり、借金ばかりして/それを支えたのがエンゲルスで/エンゲルスは父の紡績工場の経営を劇的に上昇させ、十分な資産を得ていた。/皮肉なことに/共産主義の母には、並外れた資本家の才能があった。



#6

…魚
魚よ。魚よ。そばにいてくれるのはおまえたちだけだ。/ふいに魚がとても羨ましくなった。単純明快な生き方だ。方向はひとつ。上流へ泳ぐだけ。ためらう必要はないし、無数の選択肢に悩むこともない。/しかしそんな生き方になったらなったで僕は不満を述べるだろう。/一匹の魚を見た。流れに押されて群れから外れかけている。/ああ、魚も大変なんだ。/小石を手にした。石はホログラフィ映像の魚を通り抜け、水路の底へ沈んだ。/手のなかには何もなかった。一粒の砂もない。/僕のリハビリも終わった。

…花
ベルリンの壁は残っていたのだ。/フェンスと九つの検問所。/フェンスの外の地区はある意味で深圳の情婦だった。/どうやって有用な情報を短時間で拾えるのだろうか。/海に落ちた針を探すようなものだ。/「レインマン」のダスティ・ホフマンが箱からこぼれた爪楊枝の本数を一目で言いあてたように。/俺は果物ナイフを握っている/俺の精子は不妊だと医者から言われてる/だれの子だ?/あなたの子よ!/雪蓮(シュエリエン)は体ごと前進し、ナイフの尖端を夫の胸に押しつけた。/真っ赤な液体が傷口からしみだし、花のように広がった。/死は最高の偽薬。/俺は雪蓮と初めて話したときのことを思い出した。

…夏
夏が大好きなんだ。/スカートを穿いて、スイカを食べて、棒アイスをなめて、水泳にいって、草むらで蝉の抜け殻を探して、雨上がりの水たまりをサンダルで踏んで、夕立のあとの虹を追いかけて、走って汗だくになったあとにシャワーを浴びて、冷たい酸梅湯(サンメイタン)を飲んで、池でオタマジャクシをつかまえて、木苺やイチジクをもいで、夕方に裏庭にすわって星をみて、夜に懐中電灯でコオロギを探して。/二千年前の古書で孔子が理想とした社会は、すべての年長者を自分の親のように世話し、すべての子をわが子のように愛するようになる。/このクマにはテレプレゼンス装置が入っていて、病院でおじいちゃんの心拍、呼吸、体温を監視して繋がっている。クマが目を閉じているときは、おじいちゃんは眠っているし、おじいちゃんが目を覚ますと、クマも目を開く。話しかけたら聞こえるようになっている。だから童童とおじいちゃんは繋がっている。/夏はまだ終わらない。楽しいことがたくさんある。おじいちゃん、心配いらん!

…龍
馬を夢見る詩人のようね。/人がいなくなっても世界は続く。ほら、今夜の月はこんなにきれい。歌いたければ歌えばいいし、歌いたくなければ寝ていればいい。歌えば世界が開くと。黙すれば万物の歌が聞こえる。/夜風にのって鉄がぶつかり、鳴り、きしみ、こすれる音がして聞こえた。機械油と、錆と、電気火花のにおいがする。


…沈黙
時は2046年。ところは国の首都。国名はない。なぜならほかに国はないからである。/国のほかに国民なし。/ようこそ、会話クラブへ。ここではなんでも自由に話していい。いまいましい装置はない。/1984年は傑作よ。/物理的な書籍の書籍は現代では重罪だし、書くことは危険すぎる。だから1984年を暗唱してもらおう。/会話こそが闘争なのね。/巧妙に会話も盗まれる。/1984年で、僕たちはもう死んでると話す場面がある。/都市全体はさらに深い沈黙に呑まれるだけ。

…惑星
チチラハは美しく、その花や湖はあらゆる旅行者を魅了する。むきだしの地面はどこにもなく、すべて植物におおわれている。/この星ではだれもが「はい、やります」という。しかし実際にはやらない。虚言癖の全住民は、先進的な文学、美術、歴史、そして、政治、商業を手にしたが、唯一この星に欠けているのは、科学だ。真理を断片的に察知しても、系統立てられることはない。

ピマチューは南半球の標高が北半球よりとても低い。赤道に沿って垂直に近い急傾斜の崖があり、惑星をきれいに二分している。崖の上は幸と氷の世界。下はどこまでも広がる世界だ。惑星を一周する崖の壁面に、市街が築かれている。その様はまるで巨大な絵画だ。/訪問者は驚くべき風景と物語に魅了されて、ここから去り難くなる。/ピマチューの住民は元訪問者で、もとの住民はなんらかの理由で姿を消し、美しいゴーストダウンが残った。それをのちの惑星間旅行者が発見した。

ピンフォーはあらゆるものが適量で平均的な特徴で住民の愛想が良かったので、それを利用しようと宇宙から多くの訪問者が集まった。/意気揚々としていた訪問者たちは、やがて失望する。/住民は聞き上手だが、言行不一致は根深い矛盾ではなく、単なる習慣に過ぎない。正面切って問えば「世界には真実がたくさんある。そのうちの一つを知っているからといってどうなるのですか?」と言う。

ジンジアリアンで誰かと出会うと、身体の一部が一時的に融合し、体内物質の都部が混ざりあう。別れるときに、体内物質は再分配される。彼らは肉体を重視していない。/他人の体がどれだけ入っているのかわからない。自分は自分だと信じるだけで、体内物質の交換を気にしない。/この自分という感覚が幻想であることを彼らは気づいていない。/出会った前後でどれだけ自分が流出したのか知らず、自分は変わっていないと信じている。

これらの惑星の座標は尋ねないでほしい。その数字は宇宙最古の謎だ。きみの指のあいだの空気ともいえる。手を伸ばしてつかんでも、指を開くとなにもない。/僕らは旅人にすぎない。意味の曖昧な歌をうたい、暗い空をさまよう。それだけだ。彼らの歌が聞こえるだろう。遠いそれぞれの星から届く風にのって。

こんなにたくさんの文明をどうして知ってるの?/行けばだれでもわかるし、/それが訪問者と地元住民のちがいだ。/ひとつの宇宙にふたつの原理が共存するわけないわ。/いいかい、重要なのは真実かどうかでなく、信じるかどうかだ。/いとしいきみ、「オデュッセイア」の昔から遍歴の騎士は貴婦人への求愛にさいして遠隔の地の物語を聞かせるものだ。/マルコポーロが東方の諸国を訪れたように、あるいはフビライ・ハーンがその広大な領土を馬でめぐったように、これらの惑星を旅した。/僕らはここにすわって午後をすごし、話をする。それによって宇宙は僕らのものになる。/いまはきみも僕も語り手であり、また聞き手なんだ。



…蛍火
夏への扉を抜けて/雪止鳥が空にあらわれ、世界の混乱は深まりました。/深紅の宇宙へのカーンコール/わたしはロザマンドと呼ばれました。世界の薔薇という意味です。世界はむしろ、しおれつつある薔薇です。/私たちが夏への扉を抜けて最初に到着した惑星である「無重力都市」/宇宙に最後にともった明かりへ蛾のように飛んでいきました。/母だけは無重力都市をみても泣きませんでした。/母は無重力都市の魔術師と話すため、わが子を捨てました。/ロザマンドは野薔薇(ワイルドローズ)と呼ばれました。/騎士は、消えない炎が私の黒い瞳の孤独をいやせるように、星のかけらを持ち帰りました。母は夜と、私は昼と一体になったわけです。私たちの輝く墓には永遠の炎がともされています。

…π
徐福は方士で、東の海の向こうの三神山へ行って不老不死の霊役を持ち帰ると主張した。秦の政王は多数の船に三千人の童男童女と財法を山と積んで与えた。しかし船団は三年前に出港したきり音沙汰がなかった。/荊軻(けいか)(燕の太子の命を受け、策略を用いて秦王の政を暗殺しようとするが、失敗し逆に殺された。)は、徐福を詐欺師という。/彼は宇宙の秩序は数学という。数字と図形こそ天からこの世に送られる言葉で、とりわけ円という。/真円には円周と円の直径の比が、3.141529とはじまり、数字が無限に続く。/繰り返しはありません。/百桁を計算するにあたり十年かかりました。/陛下、三人の兵が計算機構の構成要素の一つで、論理積門(AND GATE)をつくり、出力と入力を機械的に習得させれば、三百万の兵で高速計算が実行できます。/円周率を1万桁まで十ヶ月で出せます。/計算陣形は陛下の不老不死への執着を利用して国を滅ぼす謀でした。/しかし大発明だったのも事実です。/あの演算能力をもってすれば、数学の言葉を理解し、宇宙の謎を解き明かすことが可能でした。

…介護
文明が老いて死ぬ過程はそれぞれ異なる。人間も死ぬときは、異なる病気にかかったり、たんに老衰だったりする。神文明における最初の老化の兆候は、個人の極端な長命化で、思考は硬化して創造性を失う。若い連中は頭角をあらわさないし成長しない。そのせいで文明が老いていった。/地球へ来たのは、長生きしたいからじゃなく、人類の生きる情熱、創造性、想像力を共にしたかったからで、我々の文明の幼年期を思わせた。しかし、付き合わせた人類にもかなり負担をかけた。■■■アメリカ流のライフスタイルを崇拝するあまり、人生唯一の目標がアメリカへの移住となった「外国かぶれ」もいれば、外国人嫌いで民主主義を中傷し、自分たちの希望をすべて中国がより強く成長することに託した「五毛党」もいる。/鄧小平政権下の四つの「経済特区」のひとつの深圳でいえば、チャイニーズドリームを生むかわりに、その周囲との分断をうんだ。/1903年、現代中国文学の父・魯迅は「中国人民の進歩は科学小説ではじまる」と言った。/私たちが直面している問題ははるかに複雑で、科学的な解決できそうもない。それでもSFはかすかな可能性をこじ開けられるとわたしは信じている。/全般に中国のSF作家は特定の歴史的条件と対じしている。一方では、資本主義の危機を乗り越える代替手段としての共産主義が失敗したことは、資本主義文化の危機がグローバリゼーションの進展にともない、中国人民の日常生活でも顕在化している。/他方で、中国は経済改革と発展のための重い代価からくる一連のトラウマを越えてなんとか経済的に好調を続け、国際的にも再興してきている?




















#7

「沈黙の春」に似て/シンプルかつ正確でありながら、詩心に富み、理系の葉文潔(イエ・ウェンジェ)が読んでも、とても心地よく感じられた/すべての証拠が示す結論はひとつ。これまでも、これからも、物理学は存在しない/「それは宇宙のどの場所においても適用できる物理法則が存在しない/物理学は存在しない」「想像もつかない力が科学を殺そうとしている」/「わたしのログイン名は海人です」ワンミャオを言う/周の文王に向かって「あなたが背負っているものはなんですか?」「砂時計だ」「太陽を見るだけでも/時間を知ることができます」「恒紀でなければ/乱紀だ」「太陽は昇ってくるかわからない」「(寒いから)脱水体に火をくべれ」「莫迦をいうな」「この世界では人間はみんな脱水したり水で戻したりする」/「太陽は気紛れな神で、目覚めているときの機嫌は予想もつかない。つまり、それが乱紀だ。太陽が眠っているときは、呼吸が一定している。つまり恒紀だ。/(伏犠が発明した)あの巨大な振り子には、太陽神に対する催眠作用があり/ときおり、うたた寝している」/この夜は十八年間つづき、極寒のなかで崩壊した/戦国期まで到達していた/ワンミャオは/Vスーツを購入した。/「あれは孔子だ」墨子が/指して言う。「彼はすべてに礼が必要だと考え/礼のシステムを創造し、/太陽の運行を予測しようとした」/「恒紀はつづく」/墨子は、すでに燃え始めていた/炎に包まれて滅び/後漢レベルまで到達/Vスーツを脱いだ/「三体」はたんなるファンタジー空間を意図的に装っているが、じっさいはもっと奥深い現状を隠している/一方、目の前にある現実世界は、表面的には複雑にみえても、実際はシンプルな「清明上河図」ではないか/❶漸進型=基礎理論の成果が少しずつ応用技術へと転用されていく。最近だと、航空宇宙技術。❷突然変異型=基礎理論の成果が実用的な技術へとすみやかに転化され、技術に突然変異が生じる。最近だと、核兵器の登場。それまで原子からエネルギーをとりだすことなど永遠に不可能と物理学者のなかで考えられたが、ごく短い時間のうちに突然あらわれた。/技術跳躍が生じる可能性がもっとも高い分野は❶物理学❷生物学❸コンピュータ科学❹地球外知的生命の探索(とくに、❹がインパクトをもたらす)/「葉先生、いつかいっしょに紅岸基地の跡地に行きましょう」「ワンさんわたしはあなたとは違うの。もういい歳だし/一日一日を生きていくだけ」文潔の白髪混じりの頭を見ながら、ワンミャオは、文潔がまた、娘のことを追想しているのだと思った/アリストテレス 、ガリレオ、ローマ教皇による質疑応答/三体問題です(質量が同じかほぼ同じの三つの物体が互いの引力を受けながらどのように運動するからという古典物理学の代表的な問題/オイラー、ラグランジュも関わった。)/われわれの惑星がそのうちのひとつの太陽をめぐって安定的に運行している期間が/恒紀です/もうひとつかふたつの太陽が一定距離内に近づいて、その引力によって、もとの太陽からこの惑星を横どりした結果、惑星が三つの太陽の引力圏内を不安定に彷徨う期間が/乱紀です。/宇宙的なスケールで繰り広げられるサッカーの試合のようなものです。/ワンミャオはだしぬけに、名状しがたい恐怖にとらわれた「やめてくれ!放せ!おれは真実を語っているんだぞ!」「きみの語ることが真実なら、焼死はまぬがれるだろう」/アリストテレス が邪悪な笑みを浮かべ/火をつけた/三太陽の日に滅亡/中世レベルまで到達/コペルニクスは宇宙の基本構造を示すことに成功/シャーロック・ホームズの「紺色の研究」の一節で、指摘は正しいが自分の推理の過程をすぐに答えられないときがあり、自分の考えを整理して、説明できるようにできたのは、しばらくだってからというエピソードがあるが/たいていの人間だって、2+2が4だとなぜわかるのか説明しろと言われたら困るだろう、と。/これと同じだ/答えを導きだすのがすごく早くて反射的だから、どうやってその答えにたどり着いたのか説明できない/空は無ではない。空は存在の一種だ。そなたは、空をもってみずから満たす必要がある/これは仏教の理念ではないね/現代のある種の物理 学理論に近い/心のなかて創造した第一の空は無限の宇宙だった/何ひとつないこの宇宙は、自分を安らかにしてくるものではなく、溺れる者が必死に何かにすがろうとするように、/不安で心を満たしてしまう/それでこの向けの空間にひとつの球/を創造した/動くことも/変化することも永遠にない/まるで死という概念を完璧に体現したもの/さらにもつひとつ球(同じ大きさと質量のもの)を創造し/初期運動を与えたが/回転は安定し変化しなくなる/死の舞踏だ/そこで第三の球を導入し/驚くほど劇的に変わった/第三の球は空に命を与えた。三つの球は最初に運動量を与えられると、複雑で/同じ動きを繰り返さない/球のない状態、球がひとつの状態、球がふたつの状態では、宇宙はたったひとつ、もしくはほんのいくつかの方程式で表すことができた/ニ、三枚の枯葉で晩春を表すようにね。/ワンミャオは目の前にいるこの人物(ノイマン)を操っているのが、システムではなく、人間のプレイヤーだとわかった。それも、中国人に違いない。/われわれはこの計算陣形を秦1号と命名し/OS秦1.0/朕は秦の国力を投入して計算陣形を維持してきた/計算によれば太陽はすぐに昇ってきます/直列する三つの太陽の背景にテキストが出現した/三恒星直列がもたらした引力によって滅亡しました。この文明は科学革命と産業革命レベルまで到達し/ニュートンが非相対性理論的古典力学を確立し/微積分とフォン・ノイマン型コンピュータの発明により、三体運動に対する定量的数学分析の基礎が築かれました。/恒星の呼吸?/太陽の外側のガス層/は、永劫の昔から、膨張と収縮のサイクルを繰り返し/まるで呼吸するように/三体星系の長い歴史において、太陽のガス層が膨張するたびごとに/惑星が飲み込まれている/三体星系を離れて、星々の大海に漕ぎ出すんだ/移民できる新しい惑星を見つけなければならない/同時に出現した双子の太陽によって滅亡/文明は原子力時代及び情報化時代に到達/三体文明にとってマイルストーン/つまり三体問題に解が存在しないことを/証明した/三体のゴールは/星々を目指し、新たな故郷を見つけること/人類の邪悪な面について文潔が理性的に考察するようになったのは「沈黙の春」を読んだあのときからだ/最近、「楓」という映画が公開されてね/セクト争いのあの時代に/このひとたちは英雄だったの?と子どもに訊かれ、いや、違うと大人は答える/歴史だ、とまた答える/つまり、忘れさられるものなのか/種の共産主義思想はもともと古代の東洋で芽生え/つまり、仏教がそうだが/キリスト教は、人間しか重視しない/すべての種をノアの箱舟に乗せはしたが、人間以外の生き物に、人間と同等の地位を与えようとはしなかった/仏教はすべての生命を救おうとする/地球三体協会(ETO)は精神的貴族の組織とも言われている/メンバーの多くは高い知識階級にぞくし、政財界のエリートも相当数いる/一般庶民は、現代科学と哲学に殆ど影響を受けない/属する種に対し、ゆるぎない本能的な共感を持っている/社会に三体文化を広める主要ルートはVRゲーム「三体」であるが、ETOが莫大な資金をつぎこんで開発したもので、当初の目的はふたつ/ひとつは布教/もうひとつはETO(知識)階層をもっと広げる、リクルートすること/救済派は三体教の信者で構成された/降臨派は原理主義者で人類を敵とみなしている/地球人類は狩猟時代から農耕時代まで十数万地球年齢を費やし/農耕時代から蒸気機関時代までは数千地球年を費やし/しかし、蒸気機関時代から電気時代までは、わずか二百地球年で/その後の数十地球年で、彼らは原子力と情報化の時代にまで到達しました/恐ろしいほど加速している■■■カール・セーガン「コンタクト」とアーサーCクラーク「幼年期の終わり」と小松左京「果てしなき流れの果てに」を混ぜ合わせたような作品/「三体」とは天体力学の三体問題に由来する三つの天体が、たがいに万有引力を及ぼしながらどのように運動するか/一般的には解けないことが証明されている/文化大革命を前振りにした天体物理学賞・葉文潔(イエ・ウェンジュ)とナノマテリアル研究者のワン・ミャオが主役となり/作中のVR「三体」/山田正紀「神狩り」やジェームズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」あるいは奇才バリントン・J・ベイリーを彷彿とさせる/短編「円」ともリンクしているのは既読のひとにはもう一つの楽しみだ/

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タスクが増えてSNSもTwitterも離れつつあるのはよい感じ/SNSはTwitterメインといってもromクラスタな感じ/ネット系タスクもSNSより優先しなきゃいけないこと増えすぎな感じ/余暇というか遊びと境界がだんだんなくなる感じ/音楽、読本、映画、ジム、創作、すべてはゲームという感じ/ゲームとはプレイヤーだけでなくメタプレイヤーの翻訳者が(もうひとりの自分が)自分のなかに生まれて対話と議論するという感じ/愚痴しかないとか実体なき文字だけの批判は損切りする感じ/楽しいこと或いは楽しむことを自ら選択しまくる感じ/掘りまくれ/彫りまくれ/楽しむとは掘るか彫ることと定義づけられる(ぼくのないぶで)/シャーロック・ホームズの「紺色の研究」の一節で、指摘は正しいが自分の推理の過程をすぐに答えられないときがあり、自分の考えを整理して、説明できるようにできたのは、しばらくだってからというエピソードがあるが/たいていの人間だって、2+2が4だとなぜわかるのか説明しろと言われたら困るだろう、と。/これと同じだ/答えを導きだすのがすごく早くて反射的だから、どうやってその答えにたどり着いたのか説明できない/そういうゲームが増えてきた(わたしのないぶで)/オルターナティブに/
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一月は8冊読了/そして、久しぶりに図書館へ/今月読むリストから/なんていうか好きなタスクに埋もれて走って散歩しろ/読んだ編集はまたそのうちに/したはよんだやつやね/
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