VOL.4
『拘束』

VALSHE-vol203956


本公演の中で一番皆さんの予想に反したストーリーだったのではないでしょうか?

というのも、この脚本は当初自分の頭の中にあったストーリーとは随分違います。
楽曲の持つイメージとコンセプト、そしてブックレットに描かれたイラストを通して、「時代背景は幕末、戦いの前線に立つ武士たちの決起集会」をテーマに、そしてオーディエンスをあとに続く同胞、というイメージで書いていこうとしていました。

が、せっかくの歌劇演舞、せっかくのファンクラブLIVE、喜劇というかコメディというか、そんな要素もどこかに入れたいな…と思っていたなかで、そこに昇華出来そうな作品が少ないのも確かで。
どうせなら意外なところでコメディにしてみたい…と、白羽の矢が立ったのがこの『拘束』なわけです。

元々持っていたイメージを全とっかえして、
「よし、武士じゃないなら戦隊ものだ!戦隊ものでも中途半端なものがいい!」
「いっそ戦隊カラーで色分けした訳あり地域密着サークルくらい地味にしよう!」と、非常に漠然としたテーマを掲げ出来上がった脚本は、当初もっともっと長い脚本でした。

本当はグリーンの「今日の偏見」を切々と語るターンがあったのですが、時間尺の都合上止むなくカットしていたりします。笑

そして一番VALSHEがリハーサルで苦労したのもこの作品。
笑い過ぎてセリフが言えない場面が何度もあり、自分の隣にグリーンを置いてしまった自分自身の配置ミスでした。笑

一番のお笑い要素としてグリーンを動かしていたので、ある程度覚悟はしていたものの、グリーン役の顔芸まで想定しておらず…
ともあれ誰がどう演じるかによって、自分の書く脚本が面白くもつまらなくもなると一番痛感した作品でした。

そういう意味でも、拘束に至ってはVALSHEとグリーンは公演中予定に無いアドリブが随所に入っていて、自分でもゴールドさんを演じていて非常に楽しかったです。

レッドの役柄はいつも応援して下さる方のメッセージやコメントを受けて、お母さん世代の方も多いことを、VALSHEを取り巻く環境の特徴として、それを過剰めに肉付けしたキャラクターを作りました。
レッド役のももこの入り込み具合、素晴らしかったですね!笑

普段の公演では絶対に出来ない!という意味でも、
この一幕は異彩を放っていたのではないでしょうか。