街の灯りがぽつりぽつりと増えていき、ずっと手に持って歩いていたストールを首に巻き、
なんだかおなかがすいたな ひさしぶりに肉じゃがでも食べたいなあと思いながら
左前に座る女の子のアイフォン5sのケースがとてもレトロなドクタースランプアラレちゃん。当時風の色使い、なのにiPhoneケース。ふしぎなタイム感だなとぼんやり眺めていると、となりにいるお母さんを起こして、パタパタと降りてゆかれました。
ぼんやり眺めてた口元の八重歯がとてもキュートな女の子でした。
窓に映ってる三日月は さっきの凛とした、静かでほっそりとしろーいさりげない姿から一変、
今はもうすこしどんよりと重たいオレンジ色を纏って、溶けるように ふたまわりくらい大きくなって 空の下の方に降りてきています。


大阪に来て何年。
と、これまでもブログに何度も何度も書いてきたけれど、秋のこういう季節には 誰だって思い出が頭を巡るし、失くしたものや 守れなかった約束、そんなものがなんとなく脳裏によぎったりするんじゃなかろーか。と思う。
で、大阪に来て何年だ。ひとりで暮らしてどれくらいだ。ららさんと眠るようになって。ららさんがいなきゃ、部屋が自分の部屋じゃないみたいになってから。
実家を離れてもう9年だ。
実家にはキキという猫がいた。
私が中学2年生のとき、当時は母がスーパーの100均でパートをしていた。陶器担当で、ディスプレーにやたら凝っててたのしそうだったけど。あとたまに子供の幽霊が出る。でもぜんぜんこわくないよって話してたけど。
そこに、あるとき子猫が迷い込んできて、うちではペットなど飼ったことがなかったし、条件的にもぜったい飼えないはずだったんだけども、母がもうどうしてもと拾ってきてしまった。
めすで、耳が大きい、ガリガリで、脱水症状ばりばりの、ほんのちーさい猫だった。
学校から帰ってきて、一応父に知られないようにと、わたしの勉強部屋に隠してあった。わたしはそこでほとんど勉強なんか、したことなかったけれども。猫の存在もすぐに父親にばれたけど。

学校から帰ってきて、猫を見た。名前がもうさっそくついていた。母が病院でこの子の名前は?と聞かれたとき、とっさに答えたのがキキ、だったそーな。キキは茶色と黒のまだらもよう、胸やおなかと、あと足の先が靴下履いてるみたいに白かった。
凄まじい生命力で、どんどん元気になって、それにとても賢く、犬のように懐き、ねずみのおもちゃを咥えて、これで遊べと人のところに持ってきた。なんかほんと、頭よかった。
初めて会ったとき、なんでかわたしは猫の扱いに慣れてなすぎて、
何か音がしたら安心するんじゃないかと ヘッドホンから音を出して近づけたら、すごくびびられた。そりゃそうだ。
でもなんか、なんでかよくわからんけど、たぶんわたしにいちばん最初に懐いたと思う。

当時まだ本当に小さかった妹は、動物が怖くて、キキが近づくとおそろしがって大泣きした。わぁああああああ!!!こっちやらんでよ!!!!!とヒスった。こんなに可愛いのになあと不思議だったけど、ほんとーに怖かったんだと思う。

キキはよく散歩に出る猫で、1日1回は外に出て周囲をパトロールして帰ってきた。似たようなドアが並んでいても、ちゃんとうちを見つけて毎日帰ってきた。メスのくせに喧嘩がつよくて、でもなんとなく間抜けな猫で、なぜって、どうやらキキはすこし短足で、歩くときぜんぜん猫らしくなく、どしどしと歩くから、畳の上でも足音がした。
いつも母が帰ってくると、変態の母に極端な愛撫を仕込まれていたためか、客観的に眺めているとなんだか哀れになるほどゴロゴロと白目を剥いて母を歓迎した。

なんか、うまくまとまらないんだけども、
こないだ、そんなキキが、とうとううちに帰ってこなくなった。体の調子が悪いのか、ご飯を食べなくなったので、病院に連れて行ってお薬をもらったけど、日に日におとなしくなっていく一方で、
心配なので外にも出さないようにしてたけど、あるとき隙を見て外に飛び出して、それから何日も帰らなかったと母は言う。
わたしも心配したけど、離れているので一緒に探すこともできず、母がさがしてもどこにもいなくて、2週間がたって、
それからもっともっと経って、
毎日探して泣いていた母もなんとなく覚悟し始めて、たぶんキキは亡くなったのかなと思う。と電話越しで話した。

それからわたしも久留米の実家に帰る機会があって、家に入ったら、当たり前だけどもそこにキキが居らず、
わたしはもうここ10年近くこの家で生活していないのに、なんかよくわからないけど漂ってる寂しさだけを感じて、
母みたいに泣いたりは、一度もできないけど
もしかしたらわたし自身まだ実感もないのかなと思うけど
もうキキに会うことはないんだなあと思った。生きている限り、必ずいつかは死が訪れるし、それがいつとは選べないし、ただ受け入れることしかできないけど、
わたしはなんだか、特に悲しくもないけど、受け入れることもまだできていないのかもしれない。
よくわからない。
でもキキはとてもかわいい猫だった。かわいい猫だったー。


実はララさんとキキはとても仲が悪かった。何回か、顔を合わせたことがあるけども、ララさんに会って以来キキは白いふわふわを見るとフウウウウと言うようになったから。
ララさんとキキはそんなに、年が離れていない。たぶんキキが2歳先輩なくらい。

今ララさんがいることで、わたしの部屋はわたしの部屋としてそこにあるけど、
ララさんがいなくなったら、わたしの部屋はどこにあるんだろうな、と思う。
たった今から死を心配することほど無意味なことはないと思うけど、ララさんは今日もたくさん食べ、たくさん「ごはん」と鳴き、たくさん賢く、たくましく、たくさんかわいい。


ツアーが、残すところあと福岡の1本となった。
UTAUTAUツアー、はじまるまえから楽しみやったけど、始まったら予想してたよりもっともっと密度が濃く、日に日に楽しく、燃えつきるほどの熱量のツアーだった。
のこすところあといっぽんの、福岡ファイナルで、わたしはどんなことを思うかな。
ツアーの内容のことに関しては、終わるまではまだあんまり話したくないけど、
一曲一曲の歌詞を口にするたびに、自分の生まれ持った性格や性質を、なんどもなんども思い知らされた。
何年も前に、ぜんぜん違う状況の中で作った曲が、今のわたしの口から、今の抱えてるものを通って、同じ想いで出ていった。
今回のツアーではここまで、何度もそんな感覚になって、終わってから、よく立っていられたなと思ったりした。
地元の福岡で、まだたった2回目のワンマン。どきどきしてる。どんな景色を見ることになるかなー。
10/25、ファイナルがとても楽しみです。



そうだ。それが終わってからも、その前にも、わたしはいっぱい歌を歌います。大阪城野音でのSSWフェスもあれば、豊洲野音もあれば、東京ビジュアルアーツの学園祭もあるねえ。
今年は夏が終わってから、いろーんなことがあって、いろんな気付きが多い秋です。
久しぶりに書いたらほんとに可笑しいくらいまとまらないけど、たくさん出かけて、おいしいものたべたいですね。


もうそろそろ家につきます。
帰り道の金木犀はまだいーにおい。みなさんも風邪に気をつけて。んではまたライブで。