「日本人の6人に1人が偏差値40以下〜」という文脈でバズっている記事が流れてきて、さらっと眺めてそっと閉じたのですが、ちょっと良くない記事だなと思ったので解説してみたい。


まず、偏差値の定義についておさらいする。

< 偏差値とは >
偏差値とは、対象の数値が母集団の平均値からどの程度へだたっているのかを示す数値である


ということで、文章からわかるように「自分が平均からどのぐらい離れているか」ということを示す相対的な指標です。


そうです、

相対的な値

なわけです。




理想的な偏差値の分布図を示してみます。



偏差値を5刻みで表すと全体に占める割合は、こんな感じになる。母集団が十分に大きければ、偏差値には負の数も存在する逆に100や1000などの大きな値もありえるというのが偏差値である。


偏差値40以下の割合を軽く足し算してみよう。一般的に偏差値は、ほとんど25〜75の区間におさまるので、25以上40以下を足し算してみます。


1.66 + 4.40 + 9.19 = 15.15%


ですね。25以下もいるので、そういう細かなものも足したら、もうちょっと増えます。


15〜16%というのは、要するに6人に1人ぐらいです。


すなわち、



日本だけでなくどんな国でも偏差値40以下は6人に1人

もっというと

世界中で延べにしても偏差値40以下は6人に1人



です。



ということなので、「日本人の6人に1人が偏差値40以下」って聞いて「やべぇ、、、」みたいに思わせるのは単なる誘導ですし、そういうものであるということを覚えていただけますと幸いです。図を見るとわかりますが、6人に1人は偏差値60以上です。


ご安心下さい。