この話は、大変に昔の話(35年以上前の話)なので、全体的に現代の常識で見れば不謹慎な部分があるのですが、そこはできればスルーしてもらえると良いのですが。
コンピューターでも音楽でも、どんな記録媒体を使っていたかで、年齢が知れるってものだ。
音楽ならレコード、カセットテープ、CD、MD、MP3プレーヤー、ダウンロード配信、ストリーミング配信まぁいろいろある。
コンピューターだと、パンチカード、CMT、カセットテープ、FDD、CD、DVD、ダウンロードって感じかな。
僕は、そのセグメント分類で言うと、全体的に「カセットテープ」からスタートしている。どうしてかと言えば、当時、ラジオも録音できる、音楽も聞ける、プログラムも保存できる。カセッテテープは万能だったからである。
僕がそういうものを必要としていた1980年代には、実はラジカセ(ラジオとカセットテープが使えて録音ができる)は、もうさほど値段が高くなかったけど、実はテープ自体が高かった。もちろんラジカセも、ゴミ捨て場で拾ってきたものを修理したものだったけど、なかなかカセットテープが高くて、いっぱいは持てなかった。
そんな時にお小遣いを握りしめて、隣の駅の中古屋さんで、買ったカセットテープがこれだった。
これの46分のやつ。使える画像が90分のしかなかった(笑) もう、当時っていろいろゆるゆるな時代で、普通にレコードから音楽を録音したカセットテープが普通に中古屋で単なるカセットテープとして売られていたのである。もちろん、プログラムを記録するために買ったんだけど、聞いてみて気に入ってしまって、プログラムの記録を諦めたのが、このアルバムだったのです。
オフコースの「ワインの匂い」。
なんか聞いたら涙が出た。当時、小6。なんとなくいろんな理不尽に悩んでいた頃だった。アイドルのラジオを録音して、同じ番組を週に10回ぐらい聞いて、プログラムを組んで、仲の良い友だちもいないし、なんとなく「俺はどうなるんだ?」って不安な気持ちで押しつぶされていた。
でも、これを聞いて「まぁ、いいか」と思えた。
高校生の時にテープが壊れてしまったので、プログラムを売ってもらったお金でCDを買った。それをMP3にしてずっと持っていた。
その後の、僕の人生が、とても安定したものだったからだと思う。随分、聞いていなかった。
YouTube Musicが急におすすめしてきた。
久しぶりに聞いて涙が出た。
今、思えば、小学生の自分が、この歌のこの歌詞に涙した精神状態は、普通ではありえなかっただろうと思う。
「ワインの匂い」というアルバムの最後の曲。タイトルは「老人のつぶやき」というタイトル。まさに死にゆく老人が人生を振り返る歌である。
その曲の中にこんな歌詞が出てくる。
私の短い人生は
私の生き方で生きたから
当時、人と比べて、自分の生活のいろんなことをくよくよと悩んでいた、僕からすると「自分の人生は自分の力で生きていけば良い」ということを伝えてくる、この歌詞のメッセージ性は半端なく強かった。
この曲は、「自分から好きと伝えられなかったことだけが心残りである」と言う歌詞で結ばれている。非常に強いメッセージだ。
20才になって、はじめてワインを飲んだときも表題曲の「ワインの匂い」を思い出しながら飲んだ。
「ワインの匂い」には、こんな歌詞が出てくる。
私はもう誰も
好きになることもない
今は
ありがとう
あなたはいい人
もっと早く会えたら
これは、今になって冷静に考えると不倫というか、道ならぬ恋を歌った歌である。当時は、そこまで考えられなかったけど、「ものごとの出会いには順番も大事なのだな」と考えながら聞いたものである。
あぁ、懐かしい。
本当に言いたいのだけど、YouTube Musicのリコメンドよ。お前に俺の何がわかるというのだ(笑)
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