コンビニのレジ袋を有料化(値段設定をする)ことを義務付けするという話があるようです。
有料化、ポイント付与を義務に=レジ袋削減へ取り組み強化-環境省:時事ドットコム
 環境省が、レジ袋の有料化や辞退する客へのポイント付与といった「プライシング(価格付け)」を、スーパーやコンビニなどの小売店舗に義務付ける方針を固めたことが12日、分かった。容器包装リサイクル法などの関連法改正も視野に、19日に公表する「プラスチック資源循環戦略」の素案に盛り込む。 スーパーやコンビニで使われているプラスチック製のレジ袋をめぐっては、海に捨てられたごみをウミガメやクジラが飲み込む例が報告されている。同省は、有料化などを義務付けることで、レジ袋を減らす取り組みを強化していく必要があ
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世間の賛否の割合については見る資料ごとに微妙に数値が違いますが「賛成が6〜7割、反対が3〜4割」という感じで、消費者からは肯定的な意見が多いようです。

取り組みの趣旨は「プラスチックごみの削減」だそうです。コンビニからスタートするようですが、コンビニがやればスーパーや一般量販店なども同じように対応することになるでしょうから、販売に携わる人の全般に関係がある話ということになるかもしれません。

いくつか疑問に思うことがあるので、まとめておきたいなーと思います。

  1. 本当にゴミは削減されるのか?
    コンビニやスーパーなどでもらうレジ袋って、一般的に家庭の燃えるゴミを捨てるときに利用されているように思います。ゴミの削減の観点から言うと、この「燃えるゴミを入れる袋」にレジ袋が使われることが問題ということになると思います。では、燃えるゴミ用にはポリエチレンを使用しない袋が利用されるのでしょうか? 「ゴミ袋」なるものも一般的に販売されていますが、それらのほぼすべてがポリエチレン製です。そう考えると、とても削減されるように思えません。レジ袋からポリエチレン製のゴミ袋に変化しているだけで、あまり変換しないように思うのですが、どうなのでしょうか。

  2. 商品を袋詰めするスペース
    一般的にスーパーでは消費者が袋詰めをするので、袋詰め用のスペースが用意されています。これに対してコンビニというところは、レジスタッフが袋詰めを行う慣例のお店がほとんどです。今後、レジ袋なしのお客さんが増えると考えると、消費者が用意した袋に入れる作業は、消費者が行うことになると思います。その際に、狭いコンビニの店内に袋詰めするスペースを用意するというのは難易度が高い気がします。

  3. 万引きは増えないか?
    コンビニやドラッグストアは、万引き対策がかなり大変であるという話は昔からあります。価格設定についても「一定量の万引きがある」ことを前提として価格設定がされていると言われています。今までは、「レジで会計→レジ袋に店員が袋詰め」というフローがある程度明確だったのですが、袋詰めされないことが増えるとなると、万引きを確定することが難しくなりそうな気がしています。

  4. 袋だけ欲しいという消費者への対応は?
    今、スーパーのレジ袋は大きさの大小に関係なく「1会計あたり2円」としているところが多いです。レジ袋が不要であると申し出ると2円もしくはポイントカードに2ポイント付与するというお店をよく見かけます。あくまでも割引にしている背景に「袋だけでは売らない」ということがあります。

    スーパーのレジ袋を欲しい人は少なそうですが、例えばロゴが入っていることに価値があるようなお店ってありますよね。ファンシーショップとかスポーツ用品店とかカフェとかブランドショップとか。価格設定がされると、そういうところで「袋だけ下さい」というお客さんへ対応しなくてはいけなくなる可能性があると思います。期間限定デザインの袋を購入者限定で〜みたいな取り組みもありますが非常にやりにくくなるように思います。

  5. 商品価格の据え置きに理解が得られるか
    仮にレジ袋が有料になったとしても、商品の価格は据え置きになることが予想されます。

    レジ袋をつけないのに値段はそのままかよみたいな消費者圧力が流通側を圧迫するようなことにならないと良いなぁと思います。

    コンビニの顧客単価は500円強ぐらいです。各社とも「顧客単価700円」が目標だと聞きます。仮に500円に対して2円の割引であれは0.4%の値引きですが、これがすべての商品から2円割り引くとなると、コンビニでの平均購入点数は3点だそうなので6円の値引き。これは3倍になります。


非常にネガティブなことばかり書いているので、「さてはお前はこの件に反対なんだな! 環境破壊推進派!」みたいに思われると困ってしまうのですが、本当に効果があるという定量的な指標があり、それを一定期間ごとにチェックする体制が整うならやった方が良いと思います。

環境への配慮は非常に重要なテーマだと思います。しかし、アンケートの結果と実際の販売の現場というのは大きく異なります。

有名なマーケティングエピソードとして、マクドナルドが「店頭商品にどういうものを増やしたら良いか」というアンケートを取ったときの1位は「サラダ」なのに、サラダはまったく売れないっていう話があります。

人はアンケートみたいなものになると理想論を語りがちです。このレジ袋の件もアンケートを取ると「レジ袋の有料化に賛成」が多数派になるということのようです。

しかし、実際に法律が施行されて、各コンビニ/スーパーなどの小売量販店が実際に「袋1枚あたり2円です」のようなことをはじめたときに店頭で「今まで無料だったのに金取るの?」ってクレームでパンクしたりはしないでしょう?

同様の事例に、通信販売の送料があると思います。「○○円以上は送料無料」の価格を消費者の「送料が高い」というクレームへの対応でどんどん下がっていった結果として、販売会社は運送会社のコストを減らし、運送会社が人件費を支払いきれなくなりパンクしました。

レジ袋も、
  1. レジ袋は有料です
  2. 商品の値段はレジ袋分下げます
  3. レジ袋の値段下げます
  4. 小売店の経営が苦しくなります
  5. 人件費が払えません
  6. 人が集まりません
  7. 営業が継続することができません
というようなことに数年かけて発展しないと良いと思うのですが。


ここまでは、社会課題的な話でしたが、じゃぁ、実際の経営としてどんな施策が考えられるかというのも気になります。

レジ袋に価格をつけるプライシングだけではなくポイント付与でも良いことになっています。袋を辞退するとポイントカードにポイント付与というサービスは容認される方向のようです。ポイントカードというとデジタル的なものをイメージしがちですが、スタンプラリー的なもので10回辞退したら20円クーポンとして使えますみたいなことは容認されるようです。ところで、これで本当にレジ袋って辞退されるでしょうか?

この方法は現在の「レジ袋の辞退を申し出ると1会計あたり2円の割引」のようなサービスとなんら変わりません。そうだとすると、スーパーなどでは既に導入済みでコンビニだけの問題になって行きます。そうなったときに、やっぱり袋詰めスペースや万引きの問題になってしまいます。

この施策、本当に真面目に検討されているのでしょうか? いろいろと疑問がつきません。

なんにせよ、本当に環境に配慮されて、環境保全のために消費者がコストを負担することを容認できるのであれば、是非やったらいいのではないかと思います。

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