先週の木曜日、昨日の日曜日と東京ゲームショーに行ってきました。

木曜日はビジネスデーなので、関係各社のみなさんも現地にいると言うことで、懐かしい顔に出会ったり、すれ違っても声をかけるタイミングのない人がいたりとかいろいろでした。実は、金曜日の夜も、TGSにいらっしゃっている方々と夜に食事する機会などがありました。

ブログにも書きましたが、日曜日は一般日に息子と東京ゲームショーへ。

今年の東京ゲームショーの期間を通して、ゲーム業界というかエンターテイメント業界の流通/販売などの仕組みが大きく変わったのだなということと、その変わった原因の多くが「C2C」(Consumer to Consumer)と略される、個人間取り引きによるものになってきているなぁということを痛烈に感じずにはいられませんでした。



個人間取引というのは、非常に昔からありました。太古の昔は、雑誌の最後の方のページに「売ります/買います」なんていうハガキ投稿コーナーがあって、アイドル誌なんかだと生写真の交換とかそういうのが行われていました。どの時代にも、その時代にあわせた個人間取引があったと思います。インターネット時代の個人間取引と言えば、NetNews(死語でしょうか(笑))のfj.forsaleなどでしょうか。私も、中古のノートPCなど譲ってもらったことがあります。

C2Cの基礎的なことを、ごくごく単純化して伝えれば「不要になったものを、必要な人に売る」という行為であって、これ自体に良くない部分はないと思います。これを「不要品をまとめて買い取る」というような感じに、組織だって行う行為に転換すると、古本屋や中古ゲームショップ、中古CD屋のような業態になるわけです。

C2C市場と言われるものが、これらと大きな違いがあるかというと、何も違いはないように思います。

ただ、古本にしても中古ゲームについても「著作物が売買されているのに、著作権者にお金が入らない」ことは、たびたび話題になる事象ではあります。そういうことも中古業界と大元の製造メーカーが話し合いの土壌についていろいろな話あわれた結果として、今のおちついた状況があるわけです。

これらの一連の事柄が「話し合いの結果落ち着くところがあった」のには、いくつかポイントがあると思います。
  • お互いおちついて話し合いの席についた
  • C2Cおよび再販売の業界の方が大元の製造メーカーよりも十分に小さかった
私には、この2つがポイントだったように感じるのです。

今でも、C2Cの取引の当事者が極端に大きな利益をあげているということは当事者の一人一人に目を向ければないでしょう。しかし、時代の流れでしょうか「C2Cプラットフォーム」なるものの台頭によって、
  • 個人が大量に買い付けてC2Cで販売することが出来るようになった(いわゆる転売)
  • 転売行為を組織だって行う人が増えた
  • 上記の2点によって、普通に買いたい人が買えなくなった
ということが、問題を難しくしています。

特にいわれる「転売業者」問題については、「安く仕入れて高く売る」という風にシンプルに捉えると、典型的な小売り販売でしかないので、法律的には適正な経済活動であるように見えます。ただ、たかだだ数千円のものを市場から枯渇するまで買い占めて、1つ数万円で販売するなら数百%にもおよぶようなプレミアをつけて「欲しい」という気持ちを利用して、「本来の販売事業者の数倍の販売単価あたりの利益」を得ていることが問題になっているわけです。

コンサートチケット、写真集、ゲームハード/ソフトなどの少量(と言っても数万人)のファンがとびついて買うようなものが、これらの転売業者の餌食になっており、世のオタク(含むわたし)が悲しい目にあっているわけです。

これらの買う側の人たちの特徴として「欲しければ高額でも買う」という性質も悪影響をおよぼしているようです。

この状況に解決の糸口はあるのでしょうか?

C2Cプラットフォームの理念からすると、かなりイレギュラーな行為ではありますが、
  • C2Cプラットフォーム上でメーカーからの直接販売を行う
ということが実現すれば、無用な高額プレミアを付けての販売はなくなるようになるようにも思います。

ところがC2Cプラットフォームのビジネスというのは、要するに「決済代行」なので、決済金額が大きくなればなるほど、自分たちの収益が大きくなるわけなので、「販売金額が下がる方向性の施策」に積極的に取り組まれるかと言えば、それはやや怪しいと言わざるおえない。

もちろん、偽物を作って、本物の値段を付けるみたいな「明確な違法行為」については取り締まられるでしょうし、コンサートチケットを架空転売して、コンサートには自分が行き、他人にお金を払わせるというような詐欺行為については、厳しく取り締まられることでしょう。ただ、転売については、そこに商品がきちんと存在している限り「安く仕入れて高く売る」という標準的な経済行為である以上は、なんとなく気に食わないけど、文句の言いようもないビジネスであるということが、話をややこしくしているように思います。


やはり転売のターゲットになっているものを売っているメーカーとC2Cのプラットフォーマーが、きちんと話し合いの席について「消費者に取って良いものとなるメーカーとC2Cの関係」について話し合う時期に来ているのかも知れません。

特に結論もありませんが、何かまた思うことがあれば書いてみたいと思います。