「言うは易し行うは難し」とはよくいったもので、やりたいと思っていることでもなかなか行動に移せていないなぁと感じることがよくあります。

純粋に時間がないからということもままありますが、何かをするために時間が十分に確保できている状態であっても、振り返ってみると何もなしていないということも少なくない頻度で起こりえます。

後々考えると、その大部分は精神的に余裕がないというか、行動を起こすことに納得感を付随できていないことが多いようです。よくあるのが頭の整理がついていない、何か悩みがあるパターンで、いざ物事に取り掛かろうと思っても頭の中にあれやこれやの心配事が渦巻いてしまって、安心して集中できないんですね。

このような状態では例えコトに取り掛かれたとしても、良い仕事ができるはずはありません。むしろ半ば嫌々やることで精神が疲弊してしまい、悪い効率のまま、辛さばかりが増していくことになります。

ならば頭を整理すればよいであろう、と理屈ではわかりますが、諸々の問題解決において一番難しいのは問題の定義だといいます。悩みがあるから、行動に移せない。行動に移せないから結果が出ずさらに悩みが増える。こんな負のサイクルに陥ってしまうことも少なくありません。

そんな時はどんなことでもいい、紙とペンを準備して頭の中を占めているものを書き出すようにしています。今すべきことは何なのか、頭を悩ませているのはなんなのか。任されている仕事のことでもそうですし、家事や雑用のことでも全て素直に書き出します。

すると、ただ書き出しただけにも関わらず、不思議な事に気持ちが楽になることが多いです。複雑に見えていた悩みも、実は粒度のばらばらな複数のものが絡み合っているだけで、かつ一つ一つは大したことない(場合が多い)。紙に書き出すことでそのことに改めて気づくことができるんですね。このテクニックを私は「悩みの因数分解」と呼んでいます。

そして、因数分解した悩みのうち、今すぐに解決できないものやタイミングを調整したいものはいっそ意識から外すようにします。私の場合はGoogle Calendarに予定としてセットすることでその段階では忘れても良い状態を作り出します。問題をちゃんと定義してしまえれば、あとは行動に移すだけです。

後に書き出した紙を見返すことが確実であれば、書き出した段階で忘れてしまっても良いかもしれません。私の中で強烈に記憶に残っている言葉なのですが、「紙に書き出してしまえば後は忘れても安心だ」と私が九州大学時代にお世話になった廣川先生もおっしゃっていました。

頭の中の物事を書き出して整理する、「悩みの因数分解」のテクニックは結城浩さんがいうところのロビンソン式悩み解決法とほぼ同様のものですが、非常に効果的です。

やっぱり人間の頭はそんなによくできていなくって、限られたリソースの中である程度向き合う事柄や意識する範囲を限定してあげないと上手く動いてくれないんだと思います。

そして、きちんと納得感を付随して自分なりに目標が設定できたら、あとはポモドーロ・テクニックでももふもふの原田さんが紹介されていたタイムボックスを切るテクニックでも、お好きなソリューションを使ってあげれば心穏やかに仕事を進めることができます。
成果をあげるための秘訣を一つだけあげるならば、それは集中である。
とはドラッカー先生の言葉ですが、その集中状態に持っていくためにも、まずは頭の中を整理して、一つのコトに取り掛かる準備をしてあげるのが大事だと痛感します。