本を企画し作る側にいると、著者が一冊の本に、あらゆる想いを伝えようとする瞬間に立ち会うことがあります。
反対に読者は、「自分にとって役立つものは何か?」を探し求めています。自分の人生の質を高めてくれるような本との出会いを求めています。
ここで大事なのが、「この著者は、自分を読者として想定している」という感覚が読者に持てるかどうかなのです。
これは何も本のタイトルやテーマにだけ及びません。文体やスタイル、そしてリズムだって大事なのです。
読者は、「自分が読者として想定されている本」と出会いたいのです。自分の呼吸やスタイルと合うような本と時間をともにしたいのです。
書き手である著者は、この「想定読者」をどこまで広げれるかが鍵となるでしょう。
売れ続け読み続けたい著者には、こういうスタイルが確立されています。だからこそ、文を読んだだけで「〜スタイル」がわかり、ある意味、安心感を覚えるもの。それゆえ、読者の日常生活の空気に取り込まれていくのです。
人は変化を嫌うもの。だからこそ、読者の日常生活に入り込め本を作るのが、中長期的には大事になってくると思うのです。そしてそういう書き手を育てていければと思っているのです。