これは熱い。熱すぎるインタビュー。
コナミを辞めた小島秀夫が語るゲームの未来 | ゲーム・エンタメ
――2015年にコナミを退社して独立する際、多くのオファーがあったはずです。インディーズでの起業にこだわった理由は?コナミを辞めたとき52歳でした。残りの人生が短いので(笑)自分の好きなことをしたかった、…
toyokeizai.net
もちろん私が大の小島さんのファンというのはありますが、これは今の時代の会社と個人の関係についても示唆に富んでる記事だと思います。
ゲーム産業が映画化してるのは間違いないと思いますが、一方で日本のゲーム業界は組織構造としては従来型の企業が意外に多い印象も強いです。
これだけゲーム産業が大きくなったことを考えたら、もっとゲームのクリエーターが大勢スターとして扱われても良いはずですし、クリエーターが憧れの職業になって良いはず。
eスポーツとかも日本ではなかなか盛り上がりに苦戦してるようですが、やっぱり日本でゲームっていうとエンタメとして少し下に見られる傾向がまだまだ強いのが悲しいです。
そういう意味で、ぜひ小島さんには新しい形を切り開いていただきたいと強く思う今日この頃。
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長野で講演させていただいた時の、キングコング西野さんの基調講演が、ビジネスマンにも参考になるポイント満載で、実はネスレの津田さんとも、価値観がシンクロしててしメチャ面白かったので、速記メモを取ったので公開しておきます。

スマホでのメモですし、西野さんのトークがマシンガントークだったので漏れとか間違い多そうなのはご容赦ください。


▪️プペルの作り方と届け方
もともとはねるのとびらは8年ごとに若手を育てる企画として始まった。
企画が始まる前に、はねるがうまく行けば行くほど西野は嫌われるぞ、と言われた。
フリ役の人は海に落ちたり、尻を蹴られたりしたらダメ。芸人のくせにお笑いをしないんだ、と必ず言われる。
当時はそれでも売れるなら全然オーケーと思っていた。
(ここまで嫌われるとは思ってなかったけど)

当時は露出が正義だと思っていたので、そこらじゅうの番組に出まくっていた。
25でそこまで行けて、好きなことがやれるようになったけど、スターにはなれなかった気がした。
芸能界の順番をひっくり返すことはできなかった。完敗だと思った。

ウォルトディズニーに勝つつもりでやってるのに、たけしさんやさんまさんに勝てない。
先輩が引いたレールの上でやっててはダメだと気づいた。
そこで、ゲストで出る番組をやめて、休みを作り自分のレールを作ることにした。

▪️タモリさんに絵を描けと言われた
その時、タモリさんに呼び出されて2人で飲んだ時に絵を描けと言われた。
その時は最初は断ったんだけど、飲み続けてたら、タモリさんと売れたタレントが片手間に書いた絵本は面白くないという話で盛り上がった。
特に多くの絵本で、大人が子供をバカにしてるという話で一致した。
子供向けっていう言葉を簡単に使うけど、すごい失礼な話ではないか。
そもそも、絵に対象年齢なんか無いのではないか?
絵本は親や学校の先生がふるいにかけたものを買うけど、満足してない子供もいるはず。
大人向けの絵で書いた絵本を求めている子供が日本にも100人に1人ぐらいいるはずで、その子達のために絵本を作るのは面白いのではないかと思った。


▪️絵本で勝つために
で、絵本を書くことにはしたものの、どうせ絵本を書くなら、勝てる絵本にしたいと思った。
ただ、正々堂々と絵本の技術でプロの絵本作家に勝てるわけがない。
いろいろ考えた結果、自分が唯一勝てるのが絵本にかけることができる時間だった。本業の人はそれで生活してるから、一冊を効率的に書くべきだけど、自分は幸い副業だからいくらでも時間がかけられる。
プロに物理的に作れない絵本の作り方をすれば負けるわけがないので、それで地球上で一番の絵本作家になれることは確定した。

最初は書き始めたらスラスラ書けたけど、ストーリーがほぼトトロだったのでボツ。
1作目は3年ちょっとかけた。
ストーリーを書く能力は意外にあったし、中学生の頃に自分の性欲を満たすために自分で女の子の裸を書いていたので意外に自分の画力もあった。
でも、3万部しか売れなかった。
2作目はクリスマス時期に出したので恋人のプレゼントになってメチャメチャ売れると思ったら、やっぱりまた3万部しか売れなかった。
もうテレビをやめると言ってから6年ぐらい経ってしまっていて、気がついたら同期が活躍しだして、自分はオワコン扱いされていた。
自分の活動が全く知られていないことを痛感し、作ることだけに専念するのではなく、作ったら届けなきゃいけないことに気がついた。
届けること、マーケティングとか宣伝を自分でやるのはずっとカッコ悪いと思って吉本や出版社にまかせていたけど、売ること自体が自分の責任だと考えなおして、『つくる』という言葉を再定義した。


▪️『つくる』の再定義
『つくる』というのを、ものを作るだけでなく、お客様の手に届くところまでをデザインすること、と定義しなおした。

昔は売ることを問屋に任せるのが当たり前だったかもしれないけど、今は広告も恋人のLINEも、全てのものが同じ土俵に並んでしまっている時代。
普通に考えたらどんな広告も恋人のLINEに、かなうわけない。
『つくる』の定義が変わっているので、良いものを作るだけでは半人前。

そこで一度お客さん側の視点に回ってみて、考えなおしてみた。
自分は本もCDも有田焼もほとんど買わない。
つまり『作品』は買わない。
でも水やパンやテレビは買う。
つまり『生活必需品』は買う。

ただ買ってしまった『作品』はある。
シンガポールのマーライオンとか宮島のペナントは買っちゃってる。
本は売れないけど演劇のパンフレットは薄いのにメチャメチャ売れる。
作品は買わないけど、思い出やお土産は買う、ということだと思った。

スマホ時代でいろんな産業がなくなっているけど、お土産屋は潰れてない。
お土産は『生活必需品』なのではないかと思った。

▪️作品をお土産化するために
そこで、自分の作品をお土産化すれば良いじゃないかという結論に至った。
絵本をお土産にしてもらうためには、体験してもらうことが必要。
そこで絵本の原画を無料で貸し出して、原画展を開催してもらったら、出口で絵本が面白いように売れることが分かった。

今までの本は出版社の都合でなぜか売る期限があるけど、そもそも本には期限がないはず。
原画展のお土産という売り方なら、いつまでも永遠に売ることができる。
この売り方なら百億冊でも売ることができる。
あとはこの期間を縮める作業をすることだけ考えれば良い。

モノ消費からコト消費というけれど、コト消費にモノを紐付けてしまった方がいい。

自分の絵本の原画展は、この3年ぐらい世界のどこかで必ずやっている。今日もどこかで開催されてるはず。


▪️プペルでディズニーへの挑戦権を得るために
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プペルは5年前に、すごい良い話を思いついたところから始まった。

ただ、ディズニーの映画に挑戦するためには、確実にたくさん売らないといけない。
たくさん売るためには今までのやり方ではダメ。
そこで、作り方を分業制にするところから始めてみた。

映画やマンガなら分業制で大勢でやってるのに、絵本はなぜ1人で書くのか?
この絵本分業のアイデアは百万人が思いついてるはずだけど、誰もカタチにしなかった。
なぜなら絵本は市場が小さいから制作費をかけることができない。一人が生きていく分ぐらいしかしか売れる保証がない。

なら、逆に先にお金を用意すれば良いという結論になり、資金調達から始めた。
そこで、クラウドファンディングを使うことにした。

自分は世界で1番クラウドファンディングが得意だと思ってる。
ただ、クラウドファンディングはお金のなる木ではない。

お金が集まる企画と集まらない企画の違いは2つのことを分かっているかどうか。
・お金とは何か
・クラウドファンディングとは何か


▪️お金とは何か
お金とは信用を数値化したものである。

ホームレスの友人のコタニに自分を50円で売らせてみたら、しっかり働くので、結局、昼飯も晩飯も飲み代も奢ってもらえるということになることが多い。
彼が結婚式の披露宴をクラウドファンディングしたら、50円で彼を買った人たちがみんな支援してくれて250万円も集まった。
もうコタニは5年ホームレスを続けているが、すでにクラウドファンディングを20回ぐらい続けていて合計で数千万円集めている。
でも、普通の現代人は空気を読んで嘘をついて生きているので、彼と同じことはできない。

有名人だからお金が集まるというのは違う。
知名度の高いロンドンブーツの淳さんが頑張って宣伝して100万円しか集まってない。
ホームレスのコタニなら2日で集まる。

タレントの給料の出所はスポンサー。
タレントに求められるのは好感度。
タレントはマズイ飯でも美味しいと言わないといけない。
つまりタレントはウソをつく。

でも、今はそのウソがバレる時代。

実は高い好感度を求め続けると、認知度は高まるけどウソをつくことによって信用が下がる時代になっている。

認知と人気はイコールではない。
スポンサー受けするタレントのCDは実は意外に売れない。
だからベッキーは好感度が落ちると仕事が無くなるけど、ゲスの極み乙女は活動を続けられた。

今の芸能事務所の間違ってるのはテレビCMをステータスにしているところ。
自分が使っていないサービスの広告に出たら実は信用を失ってしまう。

えんとつまちのプペルを作ろうと思ったら、信用が1番大事なので、ウソをつくことになってしまう番組には出ないと決めた。


▪️信用をお金に変えるための装置
今は信用をお金に変えるための装置が出てきた時代。
その1つがクラウドファンディング。

親の世代は貯金しろ貯金しろというけれど、1000万円貯金するために税金払って2000万円稼ぐために必死で働くぐらいなら、1000万円分の信用を貯めた方が良いと思う。

プペルでは作る時と届ける時にクラウドファンディングを実施し、1万人の人から5600万円集めることができた。

何故かテレビのコメンテーターが、西野はこのお金を何に使うのだろうかと発言していた。彼らは分かってない。
購入型のクラウドファンディングは明確にリターンが決まっているので、自分がこのお金を勝手に使えるわけではない。

クラウドファンディングで重要なのは集まった金額の大きさではなく、1万人支援してくれたということの方が大事。
1万人が支援という体験を通じて作り手になってくれれば、当然作り手の人は買ってくれる。
実は、発売前から1万部売れてるということ。

その1万人がさらに周りに広げてくれる。


▪️ディズニーの弱点は著作権
次にやることは作り手を70億人にしてしまうことと決めた。
そのために著作権をフリーにした。

ディズニーは著作権で全てを縛ろうとするが、あれがディズニーの弱点になる。

プペルは広告も長く残るものにしたいので、お金を渋谷の広告ポスターとかに使うのではなく、音楽を作った。
その音楽もJASRAC登録せずにフリー素材で公開した。

そうした活動により、気がついたらプペル列車やプペルオーケストラの楽譜が勝手にできてる。
これは、みんながプペルの作り手になっているということ。

これからのコンテンツは、全員クリエーターで全員オーディエンスの時代。
もはや観客だけの人はいない。

ただのコンサートとかマジックショーとか、見るだけの観客のためのコンテンツはもはやつまらない。
作り手として参加したくなるコンテンツにしないといけない。

クオリティという言葉を再定義すべき。
これまでのクオリティは完成しきったもの。
これからのクオリティはお客さんをいかに参加させられてるか。


▪️プペルが無料公開できた理由
プペルが22万部いったときに勢いが少し止まって来たので、次の取り組みとしてプペルをネットで無料公開したら批判が殺到した。

みんなツイッターとかネットのサービスは無料で使っているのに、なぜか絵本を無料で提供すると批判が集まる。
一部の声優も、自分たちのコンテンツは無料で顧客に提供されてるのに、何故か絵本の無料公開に批判してきた。

無料公開した理由は、2つ。
自分で絵本を買う選択ができない子供に見せてあげたいから。
この瞬間は、その子は無料で見てるかもしれないけど、信用を稼げているから損失はない。いつか彼らはその信用を返してくれるはず。

また、無料公開しても、実は絵本は売上も上がると確信していた。
絵本は読み物としての価値だけではなく読み聞かせの価値がある。ウェブ上のコンテンツでは読み聞かせできない。
親が忙しいから買う絵本は外せない。絵本は親が読んで面白かった絵本を買うので、ネタバレを隠すこと自体に意味がない。
一億人に立ち読みしてもらえば、買わない人が増えるより買う人が増える効果の方が大きいと思った。
実際に無料公開後もプペルの販売はさらに伸びて30万部を突破できた。

これ以外にも70個ぐらい手法があるんだけど、それは「革命のファンファーレ」に書いたので、そっちを買って読んでください。
(おわり)

これは面白い。
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裏方になるべきところで、VAIOの名前を出して欲しいと言われるというのは興味深い現象ですね。VAIOならではの現象だとは思いますが。
海外のプライベートブランドは、製造メーカーの名前を出さないのが普通なところを、日本ではセブンプレミアムがメーカー名を出すようにしたのが成功の1つのポイントだったと誰かに聞いたことがありますが。
特に日本だと、どこが作っているのかというのを気にする人が多いということなんでしょうか。
「小さな会社にしかできない小回りの利く組織と、大企業が投資して作り上げたブランドの両方があるからこその強み。」というのが、日本においては大企業を起点とした新規事業の注力すべきところだと、個人的には思っているのですが、ソニーからスピンアウトしたVAIOがどんな変化を遂げていくのか、往年のVAIOユーザーの1人としても気になるところです。
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