最初は作品として残そうという気持ちはあまり無くて、来てくれた人の「生」で感じた記憶にだけ残れば良いと思っていた。








でもその日が近づくに連れて、手紙やファンメールで、映像作品として残して欲しいと言う要望が本当に沢山来て。



それと共に自身の感情の変化もあり、何か自分を客観的に観れるモノを残したいと思ってきて…。



でもその時点でラストワンマンまで1カ月を切っていて、今更販売予定やリリーススケジュールを組むのも難しいだろうと半ば諦めていました。



そんな時、たまたま寺子屋ツアーの中間の打ち上げで、映像制作会社のKSP Entertainmentの方とお話をさせて頂くことがあって。



その方とはネガ時代からLIVE映像製作や配信でお世話になっていて、酒も入っていたノリもあり、半分冗談で「ラスト撮ってくださいー!」とお願いした。




その場では軽い冗談として流されたんだけど、後日会社に持ち込んで真剣に相談をしてくれたらしく、KSPさん側もTHE BLACK SWANの最後を映像に収めたいという気持ちになってくれたみたいで。



しかしリリースも難しい中どうするかと色々と考えてくれた結果、KSPチャンネルでの配信という形になりました。



正直、自分も半ば諦めていたのに、そんな冗談を真剣に聞いてくれて叶えてくれたKSPさんに感謝の想いでいっぱいです。



配信があってからも、フルでのDVDのリリースをしてほしいと言う要望が後を絶たず、そんなファンの気持ちも嬉しかったです。



そんな想いも受けて、今回の物販特典のダイジェストDVDを編集をさせてもらいました。



勿論DVDの容量の問題もあって、全編ノーカットにすることは出来なかったけれど、なるべく当日のLIVEをそのままに伝えたくて、楽曲は全てノーカット、更に配信バージョンには無い編集もあったりと、特典にするには勿体無い位の内容になっていると自負しています。



かなりギリギリで準備で撮影してもらったので、カメラ台数も少なく、音もちゃんとミックスしたわけではなく当日の音そのまんまで、「販売」出来るクオリティではないとの判断だけど、LIVE映像でも音の差し替えが当たり前の様になっている今の時代で、紛れもなくその日の「音」と「想い」が詰まった作品になっています。









そしてこのDVD編集と、盤面のデザインを経てオレのTHE BLACK SWANでの仕事は終わりました。



自分の想いが入っているから、100%客観視は出来ないけれど、自分が視て格好良いと思える、そしてTHE BLACK SWANにしか出来ないLIVEをしてたよ。



体調も悪く、声も出てないし顔も腫れてるし、そんな負の要素もある意味忘れられない想い出になりそうです。



あの日を共に創り上げた「君」の想い出が、蘇る様な作品となっていますように。



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「この5人は最高のメンバーでした!!」






なんて綺麗事は言えない。



自分自身を含め、最高だったら解散なんてしねえよ!



とも思うけれど、この歪な5人だったからこそのTHE BLACK SWANだったと思う。



改めて客観的な眼で自分のバンドメンバーを見て、リスペクト出来るメンバーだと思ったよ。



誰一人抜けることもなく、皆で成長を続けた、その中で意識のズレも生じた。



それは仕方のないことで。



それがTHE BLACK SWANというバンドだった。








ラストワンマンツアーを経ての寺子屋ツアー、どんどん良くなっていくLIVEを噛み締めながら、このツアーがずっと続けば…とさえ思いました。



正直イベント嫌いのオレが、馴れ合いでは無く、本来ならば確実にアウェイな筈の寺子屋イベントが、こんなに熱いモノになるとは所属した時には思いもしませんでした。



寺子屋のバンドとも、お互いを認め合える仲になったのも貴重な財産で。



そんなツアーの最中に、最後の日への想いを込めて、この歪な五角形と、I'm 6と名乗る「君」が混ざり合って、「5→6」(拍子)になる曲を書きました。



「自心造反者」



かなりギリギリに上がった曲、しかもとても演奏しにくい5拍子の曲を、たった一度のLIVEの為に、誰一人嫌がらず良く覚えて演奏してくれたと思います。








昔からLIVEの理想像をずっと思い描いていて、自分が成長していくと共にどんどんその理想も高くなっていったけれど、最後の最後に、その理想に今までの中で一番近付けたLIVEだったと思う。



思い描いていた演出、流れ、そして空間の純度。



「全員が一つになる」っていうのはとても難しいと言うのも理解っているし、不可能かもしれない。



それでも今までの中では限りなく純度の高いLIVE空間になったと思う。



これは今まで純粋な想いで築き上げてきた「君」との絆に他ならない。



誇りに思うよ。



そして、信頼出来る音響や照明、スタッフや事務所の皆、あの空間を一緒に作った皆には、何も言わなくても伝わっている筈。









解散の話が出てから、色々と考えることがあって、少し自分自身を客観的に見詰めてみたんだ。



そして、行き着いた結論…







「オレは売れない。」



他のメンバーの所為ではなく、オレがボーカルじゃ売れないだろうなと思ったんだ。



「売れる」「売れない」の定義が何処にあるのかは分からないし、何をもって「売れてる」と判断したら良いのかも分からないけれど、少なくとも自分がバンドを始めた頃に思い描いていた「売れてる」バンドには、数字的には足元にも及ばなかった。



こんなんでも一応THE BLACK SWANは「売れてやる!」と思って作ったバンドです。



それなのに「売れる」ことにそんなに執着も出来なくて、非常に中途半端な状態で揺れている時期もあり、それでもバンドがカッコ良くなれば「売れる」んじゃないか…と淡い期待も抱きながら、個々思い思いの「進化」を重ねて活動を続けてきました。



そしてカッコ良いバンドには成れたと思う。



こんなバンド周りを見ても絶対居ない。



そこは自負しています。








でも商業的な観点で見た時の自分には、特に何も良い所なんてなかった。



そして歳を取るにつれ、どんどん「良い」と思えるモノが減ってきた。



曲がカッコイイとか、センスが良いとか、そう思わせてくれるバンドは多少はあれど、極一部の好きなモノを除いて、バンドや音楽で自分の心に響くものが殆ど無くなってしまった。



その狭い窓口からしか受け付けない自分が、広いアウトプットを持つことなど出来る筈も無く。



売れているバンドの理由は、好みに関わらずある程度は理解っているつもりです。



自分にはそれが圧倒的に欠落していた。



実力が無かった。



去年インフルエンザになってLIVEを飛ばしてから、体調管理の為にずっと摂取していたR-1を過信し過ぎて無理が祟ったのか、ラストワンマン前に体調を崩して、かなりコンディションの悪い状態でラストを迎えたという事実も、全て自分の実力。



でもそれを後悔しても仕方ない。



最後の最後に「自分」という存在を受け入れたよ。



「オレには力が足りなかった。」











と、ここまで書くと、じゃあ何でバンドなんかやってたんだ、ボーカルなんかやってたんだと思われそうだけれど、そんな自分にも、自分自身認められる良さは在って。



自分の良さは表現における「純粋」さだと思う。



普段の自分は決して「素直」でもないし、自分でもよく分からない。



しかし、表現者としての自分は誰よりも「純粋」だったと思う。



だから偽ることなく、自分の表現には自信を持てた。



カッコイイと思っていたよ。



それは今も。



売れる実力は無かったかもしれない。



限りなく深い自己嫌悪を歌っていたけれど、自己愛と自己嫌悪は表裏一体。



オレは自分の表現の一番のファンかもしれない。



自分達の作品に、LIVEに救われたのはオレ自身で。








だから、この先の自分の人生。



「売れる」とか「売れない」とかもうどうでも良くて、自分の表現をもっと高められるバンドが出来るならやりたいと思っています。



THE BLACK SWANはかなり我儘にやらせて貰ったけれど、それでもソロとかでなく、「バンド」をやりたかったのは、メンバーとの化学反応を楽しみたかったからで。



絶対自分一人ではこんなLIVEはできなかったし、こんな作品も残せなかった。



メンバーにも感謝しています。



もし「次」があるならTHE BLACK SWANよりもカッコ良くなるのが目標かな。









それと…



これはメンバーの意思は全く無視した個人的な想いだけど…



商業的な理由や同窓会的な雰囲気の復活は、例え元々好きなバンドであっても良いと思えないし、やりたいとも思わない。



でも、メンバー全員が個々で成長していて、その上でもっとカッコイイモノが魅せれるなら、復活的なモノも有りだとは思っている。



今の時点で言うことではないかもしれないし、何の確約も無いけれど、THE BLACK SWANはまだその可能性は秘めているかなとは思っています。



約束は出来ないけれど、また逢う日まで、お互い必死で生きましょう。









永遠なんて無い。



きっと100年もすればオレらのことなんて誰も覚えて無いでしょう?



イヤ、もっともっと早く消えてしまうかもしれない。



「ずっと」とか「一生」とか不確かな言葉は要らないから、これからの「君」の人生で何かに躓いた時、そこにTHE BLACK SWANの音楽が在るなら、もしかしたら今気付けなかったことも気付けるかもしれない。



遺された作品がそんな存在で居れたら良いなと思います。








そしてお互い人間的に成長して、もしまた出逢えたら、その時はまた本気でやり合いましょう。



THE BLACK SWAN 儿

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伝えたいことがあり過ぎて…



でも纏まらなくて…



書いては消して、消しては書いてを繰り返して…



気付けばもう残り3本しかないという所まで来ていました。






4年前、この5人で始めてステージに立って、本当に色んなことがありました。



自分の表現が思うようにいかなかったり、



前のバンドと比べられたり、



猫拾ってテレビ出たり、



それをきっかけに付いたファンもいれば、離れたファンもいたり、



バンドの本質を見てくれているファンはどれだけいるのだろうかと、悔しくて悔しくて悩んだ時期もあったけれど、



LIVEをやっていて、今残っていてくれているファンは本当の意味で「I'm 6」だなと思います。



だから、「君」達を含めて、「現在」のTHE BLACK SWANが一番カッコイイと胸を張って言えます。



ワンマンツアー、寺子屋ツアーを回って、こんなLIVEが出来るのはオレ達だけだと自負しています。







でもやっぱりLIVEには波もあって、4/5のSCAPEGOATとの2MANで、自分自身納得出来るLIVEが出来なくて、誕生日を迎えた時とても病んでました。



お祝いのメッセージやプレゼント等も色々貰ったけど、その返事が出来なくてごめんね。



遅くなったけど、改めてありがとう。



良かったLIVEも悪かったLIVEも全てが自分の糧で、最後まで成長していく為には必要なモノで。






でももう後悔する様なLIVEはしたくない。








最後を迎える日、



「最後だからなんとなく行っとくか」



みたいな気持ちは要らなくて。



最後の空間を一番純度の高い空間にしたい。







ただ…



THE BLACK SWANを、そして儿という表現者を好きだった人には、どんな手を使ってでも来て欲しいと思う。



後で「行っとけば良かった」なんて後悔しても、その時間は二度と来ないから。



解散を心から惜しんでくれているレーベルメイトや、仲間、そして「君」の為にも、残り3本、更に高みを目指したいと思います。




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