本書で説く、「第七感」とは、たんなる直感や思いつきではなく、それは長い間考え続けてきた重要な問題を一瞬のうちに氷解させてしまう「答え」を生む脳のメカニズムだという。


『人間の五感―嗅覚、味覚、触覚、視覚、聴覚―五感とは「脳の力」。
脳は五感で知覚したものを認識するために、記憶を用いる。
現代の神経科学は、人間が身の回りの世界から五感を通じて得た情報を認識する際、記憶が大きな役割を果たしていることを明らかにしている。
私たちが「バラの匂い」を認識できるのは、以前にそれを嗅いだことがあるからなのだ。
このような「学習と記憶」は、「第六感」でも重要な役割を果たしている。そして、この第六感は「直感」と呼ばれることが多い。
消防士、緊急看護師、兵士などは、強力な第六感を持っている。すなわち、過去に何度も繰り返してきた経験に基づいて、第六感が働き、迅速な意思決定ができるようになるのだ。
それに対して「第七感」とは、新しい状況で「斬新な答え」を生み出す能力のことを言う。つまり、「ひらめき」のようなものだ。

☆第七感は4つのステップからなる。
1、先例。2、オープンマインド。3、突然のひらめき。4、決意
まず、経験・知識・先例が「ひらめき」の材料となり、次にオープンマインドによって、目の前の状況についての既存の考えを、いったん頭からすべて忘れさるという心の状態が作りあげられる。

「ひらめき」を科学的に起こすためには。まず、
☆「脳のプラグ」をすべて抜く。
新しい考えを自由に「漂流」させる。
「変更すべき点はないか?」と考え続ける。
「思考の流れ」をすべて言葉にする。
「自分の考え」に固執しない。
「ポジティブな感情」こそがオープンマインドをつくる。

☆「突然のひらめき」を生み出す。
脳が一瞬でスパークする瞬間とは、「先例」と「オープンマインド」が、クリエイティブな火花を散らしながら組み合わさる瞬間。
「分析」では、集中状態の脳が論理的に答えを出す。
「洞察」では、リラックス状態の脳が瞬発的にひらめく。

「第六感」の「直感」とは、「浅い創造性」であり、「第七感」の「ひらめき」とは、「深い創造性」である。
「ブレインストーミング」では、浅い創造性しか生まない。ブレインストーミングではなく、「探索」こそが第七感に至るカギになる。

第七感を要素に分解すると、それは機械的なものに思える。心が「オープンマインド」の状態にあるとき、脳内で「歴史の先例」が組み合わされ、「突然のひらめき」が生まれる。既存要素が新しく組み合わさる。
そして「決意」で思考が深化する。

☆すべての「ムダな思考」をやめる。
「心とは、それ自体が一つの世界だ。それは地獄を天国に変え、天国を地獄に変える。」
思考を解放する「フリー・ユア・マインド」で、オープンマインドを実現するためには、ネガティブな感情から自分を解放する。

「フリー・ユア・マインド」のステップ。
1、問題。2、過去/未来。3、カルマ/ダルマ。4、行動。
1、問題。すべての悩みの原因を書き出す。
2、それが「未来への不安」なのか「過去の苦しみ」のどちらか、あるいはその組み合わせなのか判断する。
3、カルマ(自分ではコントロールできないこと)に直面したときに、ダルマ(自分でコントロールできること)は何かについて考える。これによってネガティブな感情を減らしやすくできる。部分的にでも問題を解決しようとすることで、ネガティブな思考にとらわれている頭を前向きに切り替えられる。
4、それぞれのカルマとダルマに対して、とるべき行動を決定する。特にダルマに関しては、具体的な行動として記述する。それは「やることリスト」のようなものでなくてはならない。
もし、問題を解決したいものの、どんな行動をとれば良いかがわからないときは、部分的なものでもかまわないので、同様の問題を解決した先例を探すこと。そして、とにかく「解決できる部分」に集中することだ。

ストレスを「戦略」に、不安を「行動」に変える。「冷静さを保つこと」が思考を広げる。悲観でも楽観でもなく「戦略的に」考える。

☆「人生戦略」をマップにする。
1、やりたいこと。2、目標。3、行動と障害。4、未知のステップ。』

カルマとダルマによって、ネガティブな感情をコントロールする考え方は、応用が効きそうな手法だと思う。
「突然のひらめき」を生むためには、充分な経験や知識が「歴史の先例」となりそれらが脳の中で学習と記憶となる。そして、それらの材料が組み合わさって「突然のひらめき」となるためには、心が「オープンマインド」という状態でなければならないと言う。そのオープンマインドとは、既存の考えをいったん忘れ去っている状態だというのだ。
しかし、このオープンマインドについては、本書でもいくつかの例を挙げて説明がされているが、私にはそれでもやはりまだ分かりづらいものだった。


「超、思考法」 ウィリアム・ダカン 著

❄⛄


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NBpress Onlineより