悪気がないとは、悪いことをしようと思っていないにも関わらず、相手に対してなんかしら影響を与え、結果としてよくない方向に進んでしまったときによく使われる言葉です。
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「悪気がない」はさまざまな場面でしばしば目撃されます。例えば、
  • 自分では遊んでいたつもりなのに、相手からしたらいじめになっていたこと
  • 自分では親切したつもりなのに、相手からしたら「おせっかい」になっていたこと
  • 自分では応援したつもりだったのに、相手からしたら大きな負担になっていたこと
上記のような場合は、自分としては「よいこと」をしていると思っていて、それが結果として悪くなってしまいます。だからこそ、とても気づきにくいことであると考えられます。

そして 「自分」は「相手」に対して悪い心を抱いていない、これが僕にはとても厄介に感じます。

僕は不登校を支援するフリースクールを運営していますが、ある方からこんな話を聞きました。

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Aさんは学校に行けない日々が続いていた。
しかし、母親がものすごく心配していて、頑張っていかなければならないと思っていた。
そんなとき母親と先生からこんな提案を受けた。
「12時まででいいから、学校に来ないか」
Aさんはその話を聞き、心を決め学校に行く決意をした。そのことに母親と先生は喜んだ。
当日 Aさんは問題なく登校し、みんなと一緒に授業を受けた。その姿を先生は見守っていた。そしてその姿はとても元気そうに見えた。
12時にさしかかる少し前に、先生はAさんに話しかけた。「よかったら給食を食べていかないか?」Aさんは小さく頷き、みんなと一緒に給食を食べ、その後帰宅した。

その日以降Aさんは再び学校に行けなくなった。

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どうしてこうなってしまったのか。
先生に全く悪気はありませんでした。
子どもの状態をみて、大丈夫そうだと判断し、提案したのです。

しかし結果としては、子どもは再び学校に行けなくなりました。

僕はこの「悪気がない」を防ぐために必要だったことは2つあると思います。この2つはすべての「悪気がない」に有効なものであると考えています。

1つは、相手をいかに思いやれるか。
おそらく先生は自分だったらこうされたら嬉しい、または一般的に考えたら正しいことをされたのだと思います。しかし、「相手はどんな状態なのか?」それを今までの経緯を考え、今目の前の子どもの心理状態を想像することができれば、「よくここまでがんばったね」などの言葉を発することができたのではないかと思います。
    
2つめに、どれだけ学んでいるか。
先ほど「相手をいかに思いやれるか」という話をしましたが、実はこれは簡単なことではありません。なぜなら人は自身が経験したことしか実際には理解できないからです。
大抵の方は、学校に通っており、不登校の子どもは理解できないことでしょう。それは学校の先生も含めてです。
そのため、相手がどんな気持ちなのか、それを想像し思いやる際には自身の経験をもとに考えてしまい、失敗することがあります。
だから 必要なことは、その当事者相手のことを学ぶこと。今回は不登校というケースですので、書籍などをとおして学ぶことはできます。
学ぶことで相手のことを少しずつわかろうとすることができるようになっていき、相手のことを「思いやること」が本当の意味でできるようになっていくと思います。もちろん、当事者ではないので、完璧に理解することはできませんが、「極限」まではいけるのかなと思います。

少し長くなりましたが、上記2つの解決方法を紹介させていただきました。ただしこの2つの方法を実践する以前の問題、まずは自分の言動を自覚することが最も重要です。無自覚のままでは、解決しようとそもそもならないからです。

改めて自身の1つ1つの言動に目を向けて、見つめ直すと新たな気づきがあるかもしれません。
是非実践してください。僕も実践します。

ちゃんちゃん(終)