ギャラリー間で始まった展覧会「アジアの日常から:変容する世界での可能性を求めて」が、あまりにも刺激的だ。

いつも通り、ほんの軽い気持ちで観に行ったんだけど…

いやはや、大ヤケドだよ、すごくいい意味で。

まあまず、この企画、この展示、このメッセージに振り切った、ギャラ間のソウルにシビレまくり。本当に日本の建築に想いのあるギャラリーであることが、改めて伝わってくる。

なぜならこの展覧会は、日本の建築人に向けられた、眩いばかりのエナジーであり、勇気ある警告でもあるからだ。おまいら、そろそろヤバいぜよ?っていう。んもう、ヒリヒリすんね。

もちろん、そんなことはどこにも明記されていない。だけど行間、もとい、空間には、そんなメッセージがパンパンに詰まっているのだ。

放っておくと前置きだけで突っ走っちゃいそうだから、そろそろ会場の写真でも出すね。

むむ

むむむ

むむむむむ、

第一印象は、
「動画、多っ!!」って感じ。
展覧会で動画観るの、苦手なんだよねー

ということで、隅から隅まで舐めるように鑑賞するコースはサクッと諦めて、ザックリ模型眺めたり、キャプション追ったり、という体勢に移行したわけだけど、

うっ、これはヤバいじゃん…
どこの国も!ヤバいじゃん!!

ギャラ間恒例の中庭展示は、ベトナムのヴォ・チョン・ギア氏。自身の18番、竹の構造体を作り込んでいる。
んもう、ビッシリと!撮りきれないスケール感!圧倒されます。

館内から見ると、こんな感じ。どこか懐かしいようでいて、実は未来を創造する建築家としての責任から選ばれた、素材と手法。

今回の展示はどれも、モノだけでは語りきれない。見るべきものは、文脈であり、思想なのだ。
キャプションには、ぜひ手で触れて感じて欲しい、と書かれている。加えて中庭には、素材の匂いが濃厚に立ち込めていて、否応なく建築のちからが、五感へと伝えられてくる。

ちょうどヴォさんが会場で、地元ベトナムのテレビ取材を受けていて、本人に感想を伝えたら、カメラに向かって喋ることになったりして(汗)そんなこんなで。

すっかりファンになってしまった、ヴォさんとパチリ!うれしーい!

本展はアジアの5つの国から、5組の建築家が出展していて、どの建築家もだいたいアラフォーくらい。世代やキャリアに開きがないよう、ほどほどに揃えられている。

なのに、やはりと言うべきか、アジア他国、みんなアツい。

日本が成長期だったとき、このくらいの体温だったかも知れないけど、それに比べて今のアジア他国は、反面教師的な前例を含めたあらゆる情報、比べ物にならないくらいのネットワーク、日進月歩の技術力がある。

当たり前の話だけど、過去の日本が歩んだ道とは、あらゆる意味で、別ものなのだ。彼らは過去の日本よりも、もとい、未だ日本が得たことのないような、はるかに広い視野から、自分たちを客観視している。土着性と国際性を、現代的なバランスで纏いながら。

タイからは、チャトポン・チュエンルディーモル氏。こちらもサイコー!
バンコクの街並みと、
タイの「粗悪品」たち、
で出来た、4つの屋台なのだ!

なぜ展示を屋台にしたのか。
キャプションには、こう書いてある。
この4つの屋台は、会場内にバラバラに置かれても、それはそれでアジアの混ざり合いを表すことになるだろう、と。さらには、通常の「小ぎれいな」建築展の凡庸さも、痛快に批判している。

チャトポンの展示は、まさに本展のタイトル通り、建築性と日常性のどちらをも担保した傑作だ。もしも建築人が、建築の在り処を建築に、あるいは建築人仲間の中にしか見い出せなくなったとしたら、それこそが平和ボケであり、建築ボケである。

翻って、日本からの出展がダメだったわけではない。ただ、言葉少なで、なんだかヒマそうな印象を受ける。

o+hの展示は、良くも悪くも、日本の建築をとりまく現状を、正しく表している。そしてそんな状況は、アジアどころか、他のどんな国も経験したことのない、全く新しいタイプのものと言えるだろう。


余談だけど、アジアって三文字に、今ドキのヤングたちは、どんな印象を持っているのだろう。

日本は、他のアジア各国に比べて、アジアという言葉と、少し疎遠になってしまうような過去がある。高度経済成長を遂げると同時に、まるで自分の黒歴史が続いているかのような、他のアジア各国とは、もう違うんだ、とでも言いたげなムードがあった。それは同時に、謙虚さを、つまり、学び、気付き、発奮するチャンスを失うことにも繋がった。

元気出せよ、目ぇ覚ませよおまいら!

ギャラ間が放った建築界へのエールは、私たちが今立っているこの地平から集められた、選りすぐりの、それも、とびっきりガツンと効く、それはそれは痛烈なパンチだったのだ。

http://www.toto.co.jp/gallerma/ex151017/index.htm