月別アーカイブ / 2018年10月

興味深い以下の論文が発表される予定ということで、1年前にトロッコ問題について考えたブログを一部整理し、考えも改めて再掲します。
https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/pr-highlights/12745?utm_source=Twitter&utm_medium=Social&utm_campaign=NatureJapan
 典型的な自動運転のトロッコ問題とはこういう問題です。
「①自動運転の車が事故を起こしそうになり、②このままだと子供を轢きそうになっているが、③ハンドルを切れば老人を轢いてしまう、この場合に④老人を轢くインプットをしておいて良いのか」
です。

 この問題は倫理的にも法的にも難問とされていますが、よくよく考えていると、問題自体が抽象的なのと、様々な未確定の前提があるから難しいのではないかと考えており、以下まとめます。
 なお、自動運転レベル3までは、そもそも人が緊急時に介入すべきとされていることから、今回問題になっている「自動運転車が全てを判断する」という問題設定とは異なる(トロッコ問題はレベル4から問題となる)という前提で論じています。

▪️「老人か子供か?」のトロッコ問題は机上の空論ではないか?
「老人か子供か」の問題への回答は、単純に「来た危難は避けるようにインプットするが、避ける方向に別の危難があったらさらにその危難も避ける」とインプットするしかないのではないかと考え、トロッコ問題はそもそも机上の空論で、実際には問題にならないと考えます。
理由は、以下のとおり、センサーが老人か子供か感知して判断できるのか?という問題です。
仮に人と物を区別できるのであれば、物の方向に避けては良いが、人の方向に避けることは許されない。とインプットする程度でしかないのではないかと考えます。

▪️車に年齢が選別出来るの?出来るときにはぶつからないんじゃない?
なぜなら、自動運転自動車であったとしても、今から衝突しそうな相手の年齢をセンサーでとっさに判断できないと思われるからです。よって、これが出来るという前提でのトロッコ問題はそもそも前提がおかしいし、今回の論文が前提としている事情のような「衝突しそうな相手の年齢、年収、性別がわかる」自動車ということなら、社会的ステータスとネットワークが繋がっている前提ですから、そうならば車同士ももうネットワークで繋がっていて、ぶつからないんじゃないかと思います。

難しくいうと、
「そもそも老人を轢くことが許されるかどうかを、その結論を左右するとしている年齢や年収といった個別具体的事情によらせるのであれば、その個別具体的事情は、少なくとも現時点では自動運転車があらかじめ感知できない事情に左右されることになるから感知不可能という結論になるし、個別具体的事情を全て感知し判断できるセンサーを有する車は衝突しないのではないかと考えられるので、そもそも問題の前提として「年齢を区別してどちらと衝突するようにプログラミングするか」は問題が成り立たない論理矛盾を来しているのではないか?
結論的には、単純に「来た危難は避けるようにインプットするが、避ける方向に別の危難があったらさらにその危難も避ける」とインプットするしかないのではないか?さらに進めるとしても人と物を区別できるのであれば、物の方向に避けては良いが、人の方向に避けることは許されない。とインプットするしかないのではないか?ということです。

なお、当事務所の今井教授の専門分野でもあるので今度お聞きしたいところです。 

先程のブログで告知させて頂いた法務省最初通告詐欺に関するニュースですが、諸事情で放送がなくなってしまったそうです。
現場の方は大変苦労されたとても意義ある取材でしたが、局の諸事情ということでした。
ミスターサンデーのディレクターの方はとても頑張っていらっしゃったので残念ですが、実はテレビではネタの直前差し替えやボツはよくある話でもあります。
私自身詐欺に遭われる方を減らしたいのでブログは残しと置こうと思います。

 明日28日夜放送のミスターサンデーで、「法務省最終通告詐欺」の手口についてインタビューと監修を行いました。
 そこでも解説しますが、「法務省最終通告詐欺」に使われるあのハガキはなんであんなに怪しいのか?
 それは「わざと」です。決して詐欺犯に法的知識がないからではありません。彼らは非常に優秀で良心がないだけです。
 ではなぜ優秀な彼らがわざと怪しいハガキを作るのか?それは、「スクリーニング」のためです。
 彼らからしたら、電話をかけてきた対象にその後様々な手口で(放送予定)お金を出させなければなりません。その手間をかけるだけの「騙しやすい対象」を選別する方法があのハガキなのです。
 あのハガキをみて、例えば弁護士は絶対電話しません。そして、それは弁護士相手に手間をかけたくない彼らの目的とも一致しています。弁護士が遊び半分に電話してその番号をyoutubeにあげられるなんてことは彼らは一番避けたいことです。
 特殊詐欺をする彼らは非常に頭が良く、組織だって、ビジネスとして詐欺を行っていると考えて対処しなければなりません。
 もしあなたが「法務省最終通告詐欺」をなくしたくて、ちょっと世の中に良いことをしたいと考えているのなら、無視すれば良いとアドバイスしつつ、あのハガキをもらった親族や友人に変わって電話し、かつ騙されているように振る舞う。というのが一番「彼ら」にとってダメージを与えられる方法です。放送を見ればわかりますが、彼らは非常に演技力が訓練されています。それだけお金をかけて詐欺ビジネスを遂行しているので、時間の浪費は避けたいことです。
 とはいえ、優秀な「彼ら」はまた他の悪事に手を染めるので、彼らを社会の役に立たせられるような方法を考えるのが政治の役目かなとも考えたりします。
 これ以上の細かい内容は明日のミスターサンデーを楽しみにしていただきたい(かなり努力されている取材です)ですが、これがyoutubeではなく地上波で行われるということが被害防止に重要だと考えています。
 なぜなら、一般にこういった詐欺に騙されてしまいやすい方は、youtubeを見ている可能性は高くないからです。
  なお、明日の放送では八代先生がコメンテーターということであとは八代先生に解説を任せることになっています。上記のような理解をしてくれて同じように考えてくれていると嬉しいなと楽しみに拝見する予定です。  

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