月別アーカイブ / 2018年01月

 はれの日やかぼちゃの馬車がいま話題に上がっていますが、「先にお金を払うこと」は、サービスを受けるまでの期間相手が倒産したり逃げないことを信じること。なのでリスクのある行為です。
 取引はなんでも、何かを得るときには何かを差し出す関係になりますが、先にお金を払うと安くなる場合、「安くなること」と、「サービスを受けるまでの間の相手方に生じるリスク(倒産や夜逃げ)」を取引していることになります。
 なので、消費者としては、「安くなる値段」と「サービスを受けるまでの期間(長いほどリスク)に相手方に生じるリスク」とを天秤にかけて取引するかを判断することになります。
 はれの日の場合は、先に払うと安い=サービスまでの期間に相手方が潰れるリスクが釣り合っているか?と判断することになりますし、かぼちゃの馬車の場合、建築費用等の先行投資と、家賃の一括保証で取り返す間に相手方が潰れるリスクとが見合っているかを検討することになります。
 逆に、飲食店のように先にサービスを提供するビジネスの場合、店は、無銭飲食の被害にあることも想定して価格設定をするということになります。現実的ではないですが、先に代金を払うお客の方が安く値段を設定することすら合理的です。
 2度と同じ被害が生じないように、2度と同じ被害に遭わないように、この点を気をつけて賢い消費者になりたいと自分も思いました。
 

貴乃花親方が出した貴乃花文書が明らかになったそうです。この問題点と相撲協会を参照しながらコンプライアンスについての話です。

https://www.msn.com/ja-jp/news/sports/相撲協会4人組が指示した隠ぺい事件-貴乃花親方不信の決定的理由、八角理事長「内々で済む話だろう」/ar-AAuQfRz?li=BBfTvMA&%252525252525253Bamp%252525252525253Bocid=spartanntp

問題点
「内々で済む話だろう」と述べて被害届の取り下げを要求していた場合に想定される問題点は以下のとおりです。
・協会にはリスク管理規程が存在し16条には、「緊急事態が発生した場合には、理事長は危機管理委員会に、緊急事態の対策について諮問する」となっている(原典にあたれておらず、グッディ取材班が元危機管理委員長の宗像弁護士からお聞きした情報です)。
・それにもかかわらず危機管理委員会に諮らずに、「内々で済む話だろう」と理事や理事長が述べた場合には、このリスク管理規程に違反するか、仮に危機管理委員会には報告していたとしても、リスク管理規程の趣旨に背く行為として、理事としての適格性について疑義が生じる。
・仮に被害届の要求に応じなければ不利益を課すような言動があれば、強要罪の成立の可能性もある。

なぜこんなことを言うようになったかの推測
 相撲協会の話とは無関係に、一般的に問題を隠蔽する組織の思考回路には、過去の成功体験があることが多いです。
 その意味で、矢作嵐さんがひどい怪我を負わされたのに公表せずに大事にならなかった成功体験が、今回の貴ノ岩関の件の対応を誤った理由の一つになっている可能性があります。
 あとは事件事故の重大性の評価を誤った場合です。例えば、こういう暴力事件が日常的であると、世間一般から見た重大性評価とは評価が異なってしまうことがあります。

相撲協会がするべきだったコンプライアンスは
 よく何か問題が起きたら焦って隠そうとする企業がありますが、これは一定規模以上の団体では最も悪手です。
 そもそもコンプライアンスとは、何かが起きないようにするものではなく、何かが起きることを前提とした、その予防策と事後対応策で成り立つものです。
 隠蔽は、「組織構造の問題点を見つめ直すきっかけを失わせ」、「問題の原因を温存することになり」、「権力闘争時に外部にリークされる危険を生じさせ」ます
 公益財団法人として、また、組織を守るという相撲協会の立場に立って考えたとしても、公表して再発防止策を早急に取ることが最も良い対応だったのだと思います。
 また、外部通報制度を適切に運営する必要があるのではないでしょうか。

追伸
なお、だからと言って私は相撲協会という全体の人格を叩く気も擁護する気もありませんし、貴乃花親方の全人格を叩く気も擁護する気もありません。
それぞれの事実、行動、組織論については批判しますが、全体を知る由も無いし、だいたいどの人間(法人)も良いところもあれば悪いところもあるのが当然です。人間は多面体だし、しかも光の当て方でどんな形にも見えるというのが基本的な考え方です。
私はそもそもどっちかの味方になってその反対側を叩くことに意味は無いと考えています。また、全人格の全肯定か全否定になって相手方を叩くことは過ちだと考えています(全肯定してしまう精神状態は、その後裏切られたと熱心な全否定になる危険性を有している)。これについてはまたまとめて書きます。 

重要文化財は、普通に売買できません!
 重要文化財である両立像が盗難されたのち、現在持っているお寺が自分のものだと訴え、盗難されたお寺の方が返却を求めた裁判で判決があり、裁判所は盗難されてお寺(大岡寺)に返却を認める(大岡寺勝訴)判決が出ました
https://mainichi.jp/articles/20160512/k00/00m/040/135000c 


プロ的にも、重要文化財は登録義務があるが、対抗要件にはなっていないので、即時取得の適用があるという気をつけるべき判決の指摘がありますが、一般の方がトラブルに巻き込まれないように注意していただきたいてんは以下のとおりです。

①重要文化財は売買が原則禁止されており、まず国に買取請求し、断られて初めて売買が可能となります。
②重要文化財が盗難にあっている場合、所有者として文化庁に登録されている方に買い取るけど誰かに売りましたか?と聞かないと、自分のものにならない(難しい言葉で即時取得の適用が無い)可能性がありますので注意が必要です。

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