月別アーカイブ / 2016年09月

 高畑裕太さんの弁護人のコメントが発表されました。
 そのコメントの内容については様々な議論がされていますが、弁護士としてからの疑問点を分析してみました。
  結論的には、
①弁護士として依頼者を守るときには一般の方をこうやって誘導する必要があることがある
②「ヒロナカ」に悪人のレッテルを貼られた政治家や芸能人が頼む理由がわかる
③弁護人が本人の意図を無視してコメントを出すことは無いので、高畑裕太さんは、「合意があった」と言いたいんだろう。
④でも合意があったというには、「どんなに仲良くなっても一人で宿直してた女性がそのまま寝るか?それとも前から付き合ってたというのかな?」「お母さんとの面会で謝ってなかったっけ?」「欲求が抑えられなかったというコメントは警察が嘘をリークしたのかな?」という疑問が湧きました。もしかしたら言えない裏事情があったのかも知れません。なお、否認しながら示談というのはあり得る話です。
 純粋に知的好奇心なので、弁護人を揶揄する意図はありません。また、高畑裕太さんや被害者の方に対する思い入れもありません。是非皆さんも心をフラットにオープンにして読んでください。どちらかに肩入れしたうえでのコメントをいただいても対応できません。
 なお、個人的には今回出てきたのが娘さんではなくイソ弁の方といのもどういう意図があるのだろうと気になりました。娘さん同じ事務所にいるんじゃなかったっけ?

 以下、弁護人のコメント を引用しつつ、疑問点を述べます。

今回、高畑裕太さんが不起訴・釈放となりました。

 これには、被害者とされた女性との示談成立が考慮されたことは事実と思います。しかし、ご存じの通り、強姦致傷罪は被害者の告訴がなくても起訴できる重大犯罪であり、悪質性が低いとか、犯罪の成立が疑わしいなどの事情がない限り、起訴は免れません。

 誤りじゃない?検察の統計を見れば明らかなとおり、強姦致傷の起訴率は、どんなに見ても50%以下です、しかも、この統計は示談しているかしていないかで分類されていませんから、示談された強盗致傷の起訴率は50%以下のはずです(今後指摘があれば訂正する可能性あり)
http://www.moj.go.jp/housei/toukei/toukei_ichiran_kensatsu.html
 また、裁判員裁判が始まった後に起訴率が下がっていることは、国会においても質問が出ており、その中では46%という数字も出ています
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b180321.htm
 しかも、被害者の意向を無視して起訴するってちょっと考えづらいです。
 その他、大澤弁護士や奥村弁護士の見解も拝見すると、概ね示談がなされれば不起訴確率の方が高いという見解のようです(勝手にリンク貼って良いか悩んだのでご自身で検索してください。)。
 この誤りの部分は、「示談しても起訴されることを前提」とすることで、本件が「違法性が少ない、合意があったとも思われる」と誘導するための誤った前提の提示になっています。
 この点、弁護人は「もともと悪質性が低いとか犯罪の成立が疑わしいのに強姦致傷で逮捕されることが多く、逮捕された事件の半分はそもそも無罪だ」と考えているのかも知れません。


お金を払ば勘弁してもらえるなどという簡単なものではありません。

 すり替えの議論かな?今回勘弁してもらえたのは、あくまで「被害者が示談したから」です。これも、強姦致傷罪が一般的には重い犯罪だという一般の方々の認識(それ自体はあっている)と、通常起訴される(誤り)とを結びつけるためのレトリックの役割を果たしているような気がします。でもとてもうまいです。

一般論として、当初は、合意のもとに性行為が始まっても、強姦になる場合があります。すなわち、途中で、女性の方が拒否した場合に、その後の態様によっては強姦罪になる場合もあります。

  このような場合には男性の方に女性の拒否の意思が伝わったかどうかという問題があります。伝わっていなければ敵意がないので犯罪にはなりません。

「敵意」って法律用語ではないのでわからないのですが、女性が「敵意」を示さないと犯罪が成立しないのか?
さらに、この文章をあげることで、暗に「本件は被害女性が高畑裕太にはっきりと拒否の意思を示さなかった」と示唆するのであれば、これも非常にうまいやり方です。


もっともこのようなタイプではなく当初から脅迫や暴力を用いて女性が抵抗できない状態にして無理やり性行為を行うタイプの事件がありこれは明らかに強姦罪が成立します。違法性の顕著な悪質な強姦罪と言えます。 
私どもは高畑裕太さんの話は繰り返し聞いていますが、他の関係者の話を聞くことはできませんでしたので、事実関係を解明することはできておりません。


ふむふむ 。もちろんそうですね。

 しかしながら知りえた事実関係に照らせば、高畑裕太さんの方では合意があるものと思っていた可能性が高く、

 さっき事実関係を解明できていないって言ってたのにこう言い切るのは、最後に続くように、ここは「弁護人」としての立場ではなく「第三者的」にのべているから言い切れると考えていると分析します。
 でも、弁護人として何回も被疑者から話聞いてて、本人の認識について「可能性が高く」としか言えないってどういうことなんだろう。
 急に弁護人としての立場ではなく、第三者的に一歩引いた感じになっているのはなぜだろう。
 弁護人なら「合意があったと高畑裕太は述べており、合意が当初あったがその後合意がなくなったのだから本件は無罪または違法性が強くない」と言わないのがそれまでの文書との兼ね合いで不思議です。

少なくとも逮捕時報道にあるような電話で「部屋に歯ブラシを持ってきて」と呼びつけていきなり引きずり込んだなどという事実はなかったと考えております。つまり、先ほど述べたような、違法性の顕著な悪質な事件ではなかったし、

 「つまり」の部分がやや論理が不正確ではないかな。
 先ほどは「最初から脅迫や暴力を用いた」場合が違法性が顕著だと言ってる。
 しかし、ここでは「部屋に歯ブラシを持ってきてと呼びつけていきなり引きずり込んだ事実が無い」=悪質で無いと述べています。
 つまり、「マスコミ報道の事実が無い」=悪質で無い。と述べています。

仮に、起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります。以上のこともあり、不起訴という結論に至ったと考えております。

 弁護人が「思われた」ってまた第三者的立場に なっている点はなぜだろう。「これは無罪事案だった」とははっきりと言えば良いのに。

 以上のような疑問がありますが、結果的に、「『示談しても不起訴にならない強姦致傷が不起訴になるのだから』それほど悪い態様じゃなかった。または被害者がはっきりと拒否しなかったから誤解が生じたんだ」ということを読者に印象付けられているのは大変うまいなーと思いました。

 今後この事件はどのような事実が明らかになるのか、どのような流れになるかはわかりませんが、異例のコメントの分析と疑問点、読み取れることを分析してみました。


 

高畑裕太容疑者が釈放されるそうです(本日13時50分現在)

強姦致傷罪は親告罪(被害者が処罰を望まないと起訴できない) ではないので、示談が成立しても検察官は起訴することは可能ですが、被害者が示談して処罰を望まない意思を明らかにしたときには、怪我の程度も軽ければ被害者の意思を無視してまで 起訴しないのが通常です。
よって、起訴する必要がない以上、もう捜査する必要性も無いので、釈放するということで示談成立後速やかに釈放されたのです。

示談交渉の具体的な状況は伝わってきていませんが、報道されている事実からは、以下のことが推察されます。
・起訴されると実刑5年前後を覚悟しないといけない
・そうすると、高畑裕太容疑者側は、「起訴される前であれば幾ら出しても出せるだけであれば」どうしても示談したい。 
・一方被害者は通常「ちゃんと処罰もされたいし、示談金もたくさん欲しい。お金に代えられない被害を受けているのだから。」と考えます。
・しかし、起訴されてしまうと、高畑氏側の客観的な状況としては「もう示談しても数年軽くなるだけだし、そこまでの大金は出せない。」 と考える。
・よって、あくまで客観的には起訴までに示談成立する可能性が高い状況が多いです。

また、本件の特徴として
・高畑裕太容疑者が示談できずに実刑になれば、5年前後刑務所行き、その後は芸能界を引退した一般人として暮らすので、それ以上報道されずにひっそりとだけど世間の批判から逃れて生活出来る可能性が高い(最近は過去の犯罪歴が検索結果に出ることを差し止める事例も出てきました。)
・示談して釈放されれば、マスコミから追い回されてバッシングを受ける。
という特徴があるので、被害者の方が高畑裕太を許せないという気持ちが強い場合であっても、むしろ高畑裕太を苦しめる方法としても示談成立という考え方もある、と思います。

これらの事情が相まって示談成立となったのでしょう。










 

 相模原での死体遺棄事件について秋山智咲被告に有罪判決が出た件でグッディに出演させていただきました。
 本件では、死体を運んだ「事実」自体には争いが無く、争点は、秋山被告が「死体と認識していたかどうか」の故意の点です。
 この点について裁判所は、①運んだ物の重さについて自分と同じくらいと認識していたこと、②死体を預かってから遺棄するまでに1ヶ月も遺棄現場を探しながら自分はホテル暮らしをしていたこと、③当初警察官に偽の遺棄現場を伝えていたことから、死体である認識があると判断しました。
 これに対して秋山被告側は、④佐藤一麿被告からはライオンと言われ、自分では犬と考えていた。⑤それまで佐藤被告からDVを受けていたり、佐藤被告の華麗な遍歴の嘘を信じていたし、刃向かうと別れて北川景子のところに行くと言われていたため、自分と結婚してくれる負い目から、人ではないという佐藤被告の言葉を信じざるを得なかったという点が反論されました。

 私が記録を読む中で気付いたことと、今までの経験から、秋山智咲被告は嘘をついていたのか?を検証したいと考えてます。

<有罪か無罪か?>
 秋山被告が有罪か無罪かの点は、明らかに有罪だと思います。
 それはこういう理屈です。
 刑事裁判における「故意」とは、「犯罪事実の高い可能性を認識しながら、それでも良いや」という精神状態のことを指します。そして、「高い可能性を認識したが、それでも良いやと思ったか」という判断基準は、「被告人本人」ではなく、「一般人」です。そして、判断材料は、「被告人が経験した事実です。」
 まとめると、刑事裁判における故意とは、「被告人が経験した事実を判断材料に、一般人ならば犯罪事実の高い可能性を認識し、それでも良いやと思った心理状態」です。本件に即して平たくいうと、「秋山被告の経験した事実を一般人が経験したら、これって死体の可能性が高いけど、まあ良いやと思った状態」です。
 本件では、①、②、③の事実から、一般人なら、そんなに重くてこんなに捨て場所探さなきゃならなくて、警察に嘘ついて隠さなきゃいけないものって死体だと思うよね。と裁判所は認定しました。
 では、秋山被告が弁解している④、⑤はどうなのかというと、④については、自分でもライオンじゃないと思ったし、犬じゃないんじゃないかと疑ってたじゃないか、⑤北川景子と天秤にかけたりとか佐藤一麿の言うこと信じるなんてありえないよね。ということで弁解は信じられないとしました。
 よって、秋山被告に故意があったことは認められると考えます。

<秋山被告は嘘つきか?>
 裁判で故意がある。すなわち、「死体とわかってて運んだ」と認定されたので、秋山被告は嘘をついているのでしょうか?私は秋山被告を擁護するつもりはありませんし、むしろ殺人幇助の公訴時効を考えたら今後の捜査の行方を見守りたいと考えている方ですが、秋山被告は嘘をついていないと思っています。
 それはこういう理屈です。
 先ほど述べたように、裁判では故意があることになりました。
 しかし、これもあくまで「秋山被告の体験をした一般人からしたら故意がある」ということです。弁解についても同じく一般人からしたら信じられないということです。
 じゃあ、なぜ秋山被告は嘘つきではないと言えるのでしょうか?
 秋山被告はお嬢様学校に通い、将来家を継ぐ予定だったと思われます。アナウンス研究会的なところには入っていましたが、アナウンサーは目指していなかったようです。こういう方の場合、親が今まで甘やかして育てていた可能性が高いです。そして世の中のことを知って将来社会で活躍しようとかいうことを真剣に考えて勉強していたとも思えません。早い話世間知らずのお嬢様だったんでしょう。そういう女性が佐藤一麿のような「根拠はないが自信だけは見せてくる男」に騙されると、盲目的に信じてしまう。それ以上に「信じたい」という気持ちが生まれてしまいます。特に交際が長引けばその傾向は顕著になります。一般の女性からしたら信じられないかも知れませんが、私のお客様にも、「秋山被告の気持ちわかる」と言われる方がいらっしゃいました。
 そんな状態の秋山被告の頭の中を推測すると、「これってひょっとしたら犬じゃないかも知れない。でもそれを一麿に言ったら北川景子にとられちゃうし、負けたくない。それに彼をイライラさせたら彼に暴力を振るわせてしまう(「彼に暴力を振るわれる」ではなく、彼に悪いことをさせてしまうという点がポイントです)。犬じゃないよね。だって一麿は私のこと大切に思っているもん。それに一麿を信じるってきめたんだから。。。。」と考えていたはずです。
 とはいえ、そんな馬鹿なことを一般人の人は思わないので、当然このような秋山被告の精神状態は無視されて、死体と認識してたでしょ。と言われてしまうわけです。
 よって、裁判で故意があると認定されましたが、秋山被告は嘘をついていたわけではないと思います。
 このような「ズレ」は、世間一般の常識と離れた生活環境や考えを持っている被告のときによく生まれるものです。
 この「ズレ」を解消しない限り「私は一麿を信じただけ。私は悪くない」と考えて、自分の罪や愚かさと直面することすら出来ません。
 私はこの事件から、「あまりにも世間知らずで、自分の考えをしっかり持っていないと、流されるままとんでもない行為にまで手を貸して、反省する機会すら失う」という教訓を感じました。あくまで推察ですが、秋山被告からは、悪意よりも愚かさを強く感じた事件でした。

 なお、佐藤一麿被告の行動(DV、交際開始後に無理難題をさせてだんだんと従属的にさせていく)からは、彼が女性を都合よく洗脳していたのは、秋山被告だけでないと考えています。それが誰か、その洗脳された方が今どのような状態かをはっきりと言うと問題になるので言えませんが、少なくとも将来の話に限定しても、秋山被告のような目にあう人は、佐藤一麿被告が心を入れ替えない限りまた生まれると思います(一般にDV加害者は繰り返すと言われていますよね。)。佐藤一麿被告の今後の動向には注目しています。

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