僕が沼津に通いだして1年が過ぎた。

Aqoursのキャストが沼津・内浦を訪問したことをきっかけに一気にモチベーションが上がり、2016年2月に千歌の実家のモデルである安田屋旅館に宿泊した。

まだアニメ放映前でコラボも特にされておらず、季節も冬だったことから静かで人もまばら。

それから数ヶ月、恋になりたいAQUARIUM発売をきっかけに、伊豆・三津シーパラダイスや駿豆線でのコラボも始まったことで町の様相は少しずつ変化してきた。

さらにアニメ放映までにユニットシングルで松月さんや淡島ホテル、遊覧船が出てくることで徐々にサンシャイン!!が拡がり始めてきたのだった。

7月のアニメ放映後は夏休みもあってか、連日の大賑わいで、内浦方面行きの西浦線はラッピングバスだと満員で増便が出るほどだった。聞くところによると前年度より大幅に利用者数が増加したとか。あわしまマリンパークもバス同様に利用者増加、松月さんでもみかんどら焼きやみかんパウンドは連日売り切れ、安田屋旅館さんも常に満室という状態。

アニメ放映前の内浦を見ているだけに、アニメの効果とラブライブ!のコンテンツ力には驚かされるばかりで、地元の人にとっては本当に驚きだったと思う。

ただ、サンシャイン!!のメインになる舞台は内浦地区であり、アニメ放映中にどこかのテレビ局で今回の経済効果が放映されたときには、市街地の仲見世商店街の方のインタビューでは「特に客が増えたとは思えない」という感想が出るように、ファンは市街地をスルーし内浦や沼津港を巡る人が多かった。

それに変化の兆しが出てきたのは、あげつち商店街のつじ写真館さんの取り組みだった。

善子、もといヨハネのマンションが上土にあったことで、つじ写真館さんがショーケースにイラストを描くようになった。それがTwitterを通じてファンに拡がり、10月にはキャラクターデザインしている室田さんが訪れてヨハネの色紙を寄贈したことで、アニメに一切出ていないお店や場所にも目を向けられるようになった。

つじ写真館さんのように沼津を舞台にしている、地元にキャラクターが住んでいる設定、そういったことに愛着を感じて自主的に応援してくれるお店が増え、ただ舞台を巡るのではなく、地元の人との交流にシフトしていく動きが生まれた。

サンシャイン!!という作品は沼津にある実在の場所をモデルしているがゆえに、コンテンツと地元の連携だけでなく、ファンと地元との関係も重要な作品になっていると感じている。

それは地元あってのサンシャイン!!であり、地元の人に愛されなければ、作品の魅力を失ってしまうからだ。

ラブライブ!サンシャイン!!は「輝きたい」という想いによって集まったメンバーの活躍を描いている。

「輝く」ということは、キャラクターだけでなく、人口流出が続く沼津が「輝く」ことであり、そこに住む地元のにみなさんも「輝く」ことだと思う。そうした「輝き」をファンを含めたみんなと一緒に作っていくことで、「ひとりでは作り出せない輝き」を生み出せるはずなのだ。

ラブライブ!という作品が持つコンテンツと現実のシンクロを、サンシャイン!!はキャラクターとキャストだけにとどまらず、内浦や沼津といった町の魅力を多くのファンに伝える作品となっているのだ。

作られた感動が心を揺れ動かさないのと同様に、押しつけられた聖地というのは本来の魅力を損なってしまう。

しかし沼津では自主的な応援の気持ちがファンの心を揺れ動かし、多くの感動と魅力を与えてくれるのである。

こうした町や人の雰囲気を作り出せるのがサンシャイン!!のすごさであり、また応援していて楽しいと感じる所以なのだと思っている。