名古屋のTREASURE 05X という何日も分けて開催されるイベントに今年初めて出演させてもらった。
アンテナは3会場を往来が出来る日に出演で、アンテナが出る会場のトップバッターだった。
一番大きな会場はCzecho No Republicがトップバッターだったしその会場の階段を上がればうちらの会場というとても楽ちんな構造だったのでチェコのライブを途中まで見てから自分たちのライブに臨んだ。


アンテナの次はスピラ・スピカで、スノーマンだった頃に一度メンバーさんからCDをいただいた時があったけど、そのことを本人たちが覚えているのか、と思っていたら話すタイミングを逃してしまった。
名古屋に今年、定期的に通えていれてすごく嬉しいし、なによりも満員の、名古屋のライブハウスを経験できたのはすごく考えられることがあって、(スピカ・スピカのお客さんももちろんいたと思うけど)仙台や東京での場所で満員を見れるのは漠然とした「自分たちもこうなりたい」っていう目標がはっきりとイメージ出来るようになるから、名古屋でもそのフロアを見れてよかった。

そういう意味で言うと、今年のリリースツアーで回った大阪も、GOOD ON THE REEL と シナリオアートの力を借りて自分たちの企画としてソールドアウトできて、何度も通ったパンゲアの満員のフロアを見れたのはすごく意味のあるものだったし、ドラマストアが連れていってくれた福岡も山口も、「福岡キューブリックのソールド風景ってこういうんだ」っていうのを体感出来たし、このあいだのthe shes gone、the quiet room との3マンだった渋谷でも改めてソールドアウトのフロアを見れたのはよかったし、東京は特に、今までのワンマンライブ以外の対バンイベントとしてのアンテナの動員としても想像つかなかったぐらいのお客さんが来てくれていて、人数を聞いたときにあんまりにも驚いたので「数え間違えてませんか?」と確認してしまうほどだった。


東京はやっぱりすごい街で、こないだのリリースツアーの仙台でソールドアウトまで出来た350人を埋めるのにアンテナは遠回りしながら、7年かかったんだけど、その350人を東京で開催する来年の渋谷WWWのチケットを買ってくれた方がもう超えてしまった。もちろんそれはとても嬉しいことだし、ありがたいことだけど、今まで何度も立てかけたハシゴを自分で外してしてきた俺は、喜んでいるんだけどいつもどこかで「少ししたら、みんなこの船から降りてしまうかもしれない」と思っている自分もいて、初めて出来た恋人が「いつか俺のことを嫌いになるんじゃないか」と思ってたような嬉しい分だけの反動の、謎の不安感に似ている。


でも、今までのその不安よりも明らかに感覚として違うのが「この人たちは自分自身で俺たちを選んでくれてる」と分かることで、もちろんずっとアンテナを好いてくれてる人もそうだと思うけど、その反応が今までよりも濃度の濃いものになってくれているのを感じるし、だからその分、良い意味で何かに対して無責任でいられる余裕があって、嬉しい気持ちと、その反面の不安な気持ちはもちろんあるけど、「次は何を見せてあげようか」とか、音楽を自分たちとみんなを繫ぎ止めるためのものではなくて、もっと夢中にさせたい、っていう気持ちで曲をたくさん作れている。


8月は東京と名古屋の二本だけのライブだった。
大きな、夏フェスに出演することはなかった。悔しいなぁと思うし、ありんことか野外でやりたいなぁとか思いながら、曲を作って、メンバーでスタジオにこもって、フェスでお客さんと炎天下の中時間を共有することもなかったけど、俺たちは次、その炎天下でお客さんと時間を共有することになるかもしれない種を作ってた。


それは曲作りもライブも同じで、将来、名古屋で、福岡で、北海道で、ワンマンライブをする未来の種を蒔きに行けてたから、その積み重ねが結果としてまた1つの形の未来になっていければと思う。


そして嬉しいことに9月は栃木のベリテンで宇都宮、これも初出演やっと出来て、北海道もまた会いに行けるし、秋には福島、仙台、岩手、秋田と東北巡りに群馬もあるし、俺たちをライブに誘ってくれるバンドさんやイベンターさんがとっても増えて嬉しい。(断ってしまったのもその分あるけど)


初めて行く土地や、初めて会う人にどこまでアンテナの音楽が刺さるかは分からないけど、いつでも自分たちはその先の未来にいるかもしれない誰かを探しに向かう。

俺たちの船は俺たちにしかない装飾で、乗り心地で、スピードで、行くところ行くところ、表現するもの全部、また先に繋がっていくし、今までも繋がってきたことを最近改めてよく感じる。


自分たちの歴史が漫画なら、今何巻なんだろう、今物語の何編なんだろう、みんなが出会ってくれたのは何巻からなんだろう、夏フェスには出れなかったけど、春のツアーで沢山の人に出会って、ツアーが終わってから色んな人に会えたり、再開出来ている2019年は何編って言うんだろう。


だから、きっとこのあいだ行った名古屋でワンマンライブが出来た時、北海道でワンマンライブが出来た時、福岡でワンマンライブが出来たとき、仙台でもっと大きなところでワンマンライブが出来たとき、ダブダブの2月を迎えたとき、その時々に自分たちの漫画は何編と呼ぶのがいいんだろう。



俺もあなたも今、人生の何編にいるんだろう。


転職しても、退職しても、入学しても卒業しても、失恋しても恋人ができても、生きてる限りその時が全てじゃなくて、まだまだ一部、大きな一部。