高校1年生の時、同じクラスの1年5組で出席番号が1番だった石垣一真くんの誕生日が4月11日だった。

自己紹介の時に「好きなタイプは柴咲コウさんです。あと、なで肩です。」と言っていたのを今でも覚えている。入学式の日の放課後、一真はクラス中の女子に囲まれて連絡先を聞かれていた。すごい。


あれから15年経った。
学生の時の友人は、高校生からしかない俺にとって高校時代の友人は本当に大事で、感謝しかない。一真に毎年、「誕生日おめでとう」と連絡するし、一真からも誕生日の時にはお祝い連絡が来る。今年もおめでとうを送って、夢の30だねと言ったら「人生の半分友達でいれるってすごい」と返事が来た。

「そっか、半分か」と少し考えて「すごい」と思った。
同じように15年経ったら45歳になるけど同じように「おめでとう」と言えるような友達でありたい。


日中、外に出て歩いていたら道の先に明らかに道に迷っているインド人?の男性がいた。
なにかの紙を見つめたあたりをキョロキョロしていたので、お手本のような迷い方だった。目が合うとすぐに、「あのー」と声を掛けられた。

「でしょうね…」と思ったけどひとに道を尋ねるぐらいだからよっぽど切迫詰まってるのかもしれないし話を聞くと、インドカレー屋の配達でこの辺りまで来たけど場所が分からない、とのことで配達先の住所を見せてもらってスマホのナビで検索をすると歩いて20分ぐらいのところだった。まぁまぁ距離がある。

配達を頼んだお客さんの電話番号も書いてあったので、電話を掛けると女性が出た。事情を話すと「やっぱりそうですよね、頼んで1時間以上経つのでー」と笑っていて1時間も経ってたらカレー冷えてるじゃんと思ったので早く配達できるに越したことないと思いつつ、タクシーが通るようなところでもないし、二人で歩いてお客さんのところまで向かった。

向かっている間インド人?の店員さんは多分お店に電話をして何かを話していたりなんだかバタバタしてた。俺は「今日は少しあったかくてよかった。」と思いながら歩いてた。


配達先のすぐ近くまで来たときに改めてお客さんに電話をかけて、家の前の通りで待ってもらうように伝えて少し歩くとお子さんを抱えた女性がいたのであの人だ!と思った。

お客さんもこちらに気付いたようでようやく合流。店員さんは「よかったー」と何度も安堵していて「冷めちゃってごめんなさい」とお客さんに謝りながらしっかり代金の3500円を受け取っていたのでちょっと可笑しかった。でもまぁ、そりゃそうか。

お客さんは俺にまで丁寧にお礼を言ってくれて、店員さんはここからタクシーを捕まえる、とのことなのでそこで別れた。
お店の名前も、本人の名前も、何にも知らない不思議な散歩だった。


来た道を歩いて家に帰ってから、明日からまた始まるツアーの名古屋編のことを考えていた。
名古屋、大阪。
リハーサルスタジオでの感触はすごく良くて、通えてない名古屋で今の自分たちをぶつけられるのが楽しみだし、シナリオアートとグッドオンザリールともひさしぶりに会えるのも楽しみだし、でもその反面、あっという間なんだろうなぁ、と思うとなんだかもの寂しい。早くもっと長くツアーが出来るようになりたい。アンテナのスタイルに共鳴してくれる人がワイワイしてる今の感じをもっと触れれるようにしたい。

お風呂から上がって、ケータイの通話アプリをふと開いたとき、カレーの配達をしたお客さんの電話番号が履歴で残っていた。
残しておいてもなんだか申し訳ないので削除した。名前も知らない店員さんと歩いた時間を証拠として残してくれてたのがその電話番号だけど、削除した瞬間、目に見える今日の出来事があった証拠はなくなってしまった。


見えないけど繋がっているっていうさりげなさが良くて、アンテナブルー靴下をグッズで出してるけど、いつかフロア中が、見えてなくてもきっとアンテナ靴下を履いてくれてる信頼感があったらいいな、と思った時のことをなんとなく思い出した。


誕生日だった一真とも、最近会えてないのに友達として認識し合えているのもそういうことかもしれない。今日から1年ぐらい経ったある日、インドカレー屋の店員さんは今日のことを思い出すかと言ったら別に思い出さないと思う。俺もそうだと思う。

でも、名前とか聞いておけばひょんなことからこれから仲良くなったりなんかして、遊びに行ったりなんかして、そしたら一真と友達になったまみたいに友達なんかになっちゃったりしたのかもしれない。

色んな未来のきっかけや分岐点はそこら中に転がってる。

明日の名古屋も、大阪も、きっとそうだと思う。



ツアー頑張るぞー。

人生の半分、アンテナの音楽を聴いてる、ってなってるような将来を夢見て寝る。
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