今日もともと入れてた予定をなくした。
Twitterにも書いた、宮城県の名取市にあるカフェ イーチタイムにお邪魔して、先輩の中村マサトシさんのライブをなおポップさんの隣で、影に隠れながら見ていた。

俺が入店してすぐ、お客さんが鼻をすする音があちらこちらから聞こえていたし、俺の目の前にいたおじさんは何度も何度も声を殺してハンカチで顔を覆って肩を震わせいた。
店内は窓側にキャンドルが置かれていて幻想的だった。

日中、タワーレコード仙台PARCO店でインストアをして、ブースいっぱいに溢れるぐらいのお客さんがいて「おかえりー」と言ってくれてみんな笑顔でライブをたのしんでくれて、「初めて見る人いる?」と聞いたら手が沢山あがった。活動休止をしていて、表に出ることがなかったのになんで増えてんだ?と思ったらラジオがきっかけだった。そういえばモーンガータを発売したときにパワープレイになった福岡でもそうだった。

サイン会はやっぱりちょっとザワザワした。
けど、みんなニコニコしていて「応援しています」とか「ワンマン楽しみにしてます」とかアンテナを知ってくれたきっかけとか、思い思いのことを話してくれてちびちゃんたちからもラブレターをもらえたりして「こんなに愛してもらえてるなんてありがたい」と思っていた。

そして夜、イーチタイムに行った時の空間はどちらかと言ったらMCで笑顔になることもあったけどそれはアンテナを見ていたお客さんのような笑顔ではなくて(当然なんだけど)、涙が多かった。
なのに、それも愛だった。涙で溢れて想う愛もやっぱり愛には変わらなくて、故人を偲ぶ気持ちがいっぱいだった。

ママさんがカウンターの中で料理を沢山用意して、KUDANZのゲンさんとママさんの姪っ子ちゃん?たちがそれを手伝っていて、演奏本編が終わってからママさんに会いに行った。
ママさんはいつもみたいに笑って「ありがとう〜」と言った後に「ごめんね」と言っていて、その「ごめんね」がなんだかずっと離れなくて、「全然!」と返すのが精一杯だった。

本当はいっぱい話したかったけど、人も多かったしママさんに書いた手紙だけ渡してお店を出た。


なんでもかんでも、極論で言ってしまえば自分以外は他人で、「自分の人生なんだから自分の好きなように生きろ」と自分では思うのに、アンテナに会うために時間を割いて、笑顔になってくれる人がいたり、故人を偲んで涙する人がいたり、手伝ってくれる人がいたり、「他人」を想って喜べたり涙したり出来る心はやっぱりすごく綺麗だ。


どんなにラブラブなカップルだって身体は別だで、ありえないほど強く抱き締め合ったって相手の身体は吸収できないし、「ひとつ」なんかには心も身体もなれない。
だからその人や物に心を映す。

健太さんがいない店内に「いつもはここでこうしてる」イメージを浮かべたり、例えば恋人が脱いでいったパジャマとかに残像を探してぬくもりとか言ったり、匂いとして記憶したり、本当の意味で1つになんかなれやしないんだから何か手がかりを求める。

幸せも、悲しみも、他人であるはずの相手がいるからこそ生まれる心と気持ちで、どちらの感情もすごくピュアで綺麗で。

「イーチタイムはみんなで守っていきます」と中村さんが言っていた。俺も俺の中で出来ることでずっと、長くこのイーチタイムという場所を守っていけるようにする。
それとおんなじように、俺はアンテナという場所も守っていけるようにやっぱりしていく。それは実はこの1年間こそ、「ファンの方みんながアンテナという場所を守ってくれていた」ということだと思う。

バンドだけではなくて家族や友達とかもみんなそうで、見えない気持ちでいつも誰かを、場所を、それぞれが守ってる。




グッバイフジヤマが活動を終了するってツイートを見て、割と色んなことが重なってどん底レベルに落ち込んだけど、終了を選択したのもすごく勇気のいることで、守り合ってきたものへの感謝がないとむしろ出来ないことだから。(感謝どうこうの前に終了という選択を取る場面ももちろんあるけど)


アンテナがツアーを成功させたい、と願う気持ちもきっと「この場所を守る」と願うことと通じてるのかもしれない。成功させる、きっとすると思う、みんなでその成功を喜びたいから。


物理的に1つになることはできないけど、うちらはステージからフロアのみんなに気持ちを乗せて、みんなはフロアからステージのうちらに気持ちを乗せて、それで初めてまた新しい場所になる。そういうことをたくさん作っていけるように。だからもう「他人」なんかじゃないことばかりだ。









あーママさんに直接「俺も支えますからね」と言えなかった。会場のお客さんが泣いている人が多かったので俺は泣いてはいけない、と泣かなかった。
健太さんにも届くように、僕らがやることは音楽なのでツアー成功させますから、ってかっこよく言えなかった。

いつもそうなんだよなぁ。いつも少し、遅れちゃうんだよなぁ。