コロナと豪雨などで投稿のタイミングを逸してしまっていたのですが、令和元年に初めて犬と猫の実質的殺処分がゼロになりました。もちろんこれからも持続可能な形でこれがずっと続いていくためには、まだまだ課題もあります。ただ、職員をはじめ、NPOや獣医師など、関係の皆さんにも協力していただいて、ようやく一つの通過点を過ぎたのでシェアしますね。

 

 

平成23年には市の担当職員たちと話し合い、犬猫の殺処分をしていた市内2カ所のうち、西部の施設での殺処分をやめて、命の大切さや適正飼育啓発に特化した施設に変更しました。

 

平成25年には殺処分ゼロの誓いを宣誓しました。同時に、病気で衰弱して譲渡できないなど、どうしても殺処分せざるを得ない場合でも、炭酸ガスではなく獣医師さんによって苦しみを和らげる取り組みとして麻酔を使うように変更しました。これは公益社団法人日本動物福祉協会の飯塚修先生のご助言でした。

 

 

そうした中で平成27年度には犬について実質的に殺処分頭数がゼロになりました。ただし、猫についてはまだまだ取り組みが必要でした。

 

そこで、平成28年にはミルクボランティア事業をスタートさせて、一般家庭では飼育が困難な哺乳期をあらかじめ研修を受けたボランティアが飼育することで、子犬や子猫の譲渡を推進しました。市内で活動するボランティアの皆さんや協力をいただいた福岡市獣医師会の皆様には心から感謝です。

 

平成30年には「ずっといっしょ」をキャッチフレーズにした犬猫パートナーシップ店制度をスタートして、ペットショップで販売の前にまずは譲渡という選択肢を案内することや、飼い主への適正飼育講習、マイクロチップの装着などを満たしたペットショップ等を認定して、終生飼育をさらに推進しました。協力いただいたペットショップの皆さんのおかげです。

 

令和元年には譲渡サポート店制度をスタートして、犬猫と飼い主の出会いの場を増やすために、適切な譲渡に協力していただけるペットサロンやペットホテルなどを福岡市が認定して、譲渡機会を増やしてきました。

 

このような取り組みを進める中で、令和元年度には初めて猫も実質的殺処分頭数がゼロになりました。

 

この殺処分ゼロを継続するため、譲渡の機会をさらに増やすべく、今年度はふくおかどうぶつ相談室をリニューアルしました。

 

7月初旬には、そのリニューアル内覧会を行いました。家族で訪れたくなる雰囲気をさらに醸成して、譲渡や適正飼育の啓発をさらに推進していきたいと思います。場所は西区役所の近くです。

 

 

ただ、もちろん譲渡を増やしていきたいとは思っていますが、誰にでもすぐ譲渡するわけではありません。家族全員の同意や、家庭の状況など、様々な状況が飼育するにふさわしいと判断した場合に譲渡させていただきます。

 

 

また長年現場で汗をかいている現場の担当職員からは野良猫対策や不妊去勢手術などの根本対策ももっと進めたいという意見をもらいましたので、新年度の施策や予算編成ではそのような提案が出てくるかなと期待しています。また病気などで衰弱して譲渡出来ない犬や猫の扱いについてなど、まだまだ課題の全面解決には時間が掛かります。

 

 

動物愛護の話になると同じような動きをしている団体同士でも意見の相違が大きかったり、相入れない考えに攻撃的になる団体もあって、横の連携がなかなか取りづらい分野なのだということは、行政サイドから色々と動いてみて分かりました。それが理由で中央も地方も行政がこの分野にアンタッチャブルになっているのであれば、とてももったいないと思います。

 

全てを一気に進めるのは難しいですが、少しずつでも前に進めていければと思っています。

 

いずれにしても、民間の皆さんと協働したこれらの動きが、個人的には将来の日本において生体展示による販売が無くなる一里塚になればと思っています。


福岡市長 高島宗一郎