三月なのに寒いですね。でも、結局床暖房のおかげで一度も部屋のエアコンをつけないまま冬が越せました。
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文春オンラインの自分の連載のアップ日を失念してしまったため、出版社のアカウントから探そうと思って「鈴木涼美 文春」と検索をかけたら、こういうツイートがありました。

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はて、私って不倫したっけ…
と一瞬思いましたが、
思い起こせば日経新聞退職直後に文春の取材を受け
「元日経代表記者はAV女優だった 父は有名哲学者」
という見出しの記事を書かれたことがありました。
おそらくこの方はそのことを覚えてくださってるのかと。

その時の話は直後にリテラというウェブサイトに書いた原稿が残っていて、
さっき久しぶりに読んだらものすごく筆圧が強くて当時は確かに私の生活に大きなショックであったことは思い出しました。
リテラの記事は↓です。


そういえば
後輩の女の子からも以前、
「文春ってあれだけひどいことしておいてよく連載なんて頼んできたね」
と言われて驚いたことがあります。

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というか思い出せば報道当時から
一応書かれた本人であるワタシよりも
まわりのフェミ寄り左巻きの人たちが
かわりに怒ってる、という印象がありました。

そんな話は以前産経のイロンナに書いた記事があるので↓こちらもよかったら。


それはそうと、
私にとって
週刊文春で過去に記事になったことと
文春の編集者さんと仕事をしていることは
まったく矛盾なくそれぞれ独立しているのだけど
それは一部の人にとっては
節操がなかったり信じられなかったりするようでした。

そう考えると、
ではなぜ私にとってそれが問題がないか
ということについて整理してみたくなります。
いくつか考えうることはあります。

第一に、
報道機能をもっている会社といえど一枚岩ではない
ということをワタシは身を以て知っている。

以前、私が新聞社の記者として都庁クラブに所属しながら、
いわゆる新聞の地方ニュース面(私の場合は日経東京面)を主に執筆していた頃、
日本経済新聞社の発行する媒体に書かれた一本の記事のせいで、
一瞬、大変困ったことがあります。

問題となった記事は勿論別に何かをひぼう中傷するものでも誤報でもない。
ネットショッピング産業の急成長のデータをまとめた、おそらく(ちょっと記憶が曖昧なので不正確だったらごめんなさい)消費産業部がメーンの執筆を担う日経MJの記事でした。
別になんの変哲も無い…といったらそれはそれで執筆記者に失礼ですが、
日経によくありそうな
楽天の売り上げがこれだけ伸びていて
アマゾンはどうでゾゾタウンはこうで
ネットスーパーのような新サービスも色々始まって…
みたいなまとめ記事だったと思います。

ただ記事についていた見出しのひとつに
「百貨店はもういらない?!」
というものだったのです。
新聞では大きな記事だと見出しが三本くらいたち、メーンと柱とソデとかいいますが、たぶん柱見出しだったんでしょうね。
で、一部の業界団体が一時、
日経新聞への取材協力を控えるよう所属企業にアナウンスしたわけです。
地方ニュース面というのは
地元の百貨店が改装するとかこんな催事をやってるとかっていうことをよく扱いますから
一応、地方部にいた私も取材を控えざるを得ないことになりました。(結局は、謝罪などでその緊張状態は解除されました)。

私は私で百貨店の広報の方と築いてきた信頼関係がありますし、
広報の方もそれは理解してくださって
その後もたくさんの取材協力をいただきましたが、
その時には明日は我が身で
自分の書いた記事が会社全体の取材機能を停止してしまう可能性があることを実感するとともに、
正直、やや腹立たしいと思うこともありました。
私が書いた記事でないのは勿論ですが、
あれだけ厚みのある媒体を毎日いくつも発行している会社では隣の部がどんな見出しで何を書いてるかなんて末端の記者はそれこそ刷り上がりを見ないとあまり把握してないのです。

属人的要素が強い仕事ですから
嫌な記者もものすごく下手な記者も失礼なのもデキナイ奴もいますし、
優秀で気さくで鋭い記者もいるわけで、
一度会った日経記者が超馬鹿でひどい奴だったから日経とらない、とか日経と仕事しない、
というのは、
私個人の考えでは勿体無いということになります。
もちろん、そういう選択をする人はする人で自由ですが。

以前、鈴木涼美としてAmebaブログでオフィシャルブログを開設しようとして事務所を通してお伺いをたてたら、
経歴その他諸々の事情で断られたことがありますが、
母体が同じAbemaTVにはとてもよくしてもらっています。
会社ってつくってるのが人だから一枚岩になることはそうないんじゃないかと。

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第二に、
これも少しさっきの話と似ていますが
見出しと記事はある程度独立しているという事情を知っているということがあります。

私は5年半の新聞社生活で
出稿部(外で取材し記事を書く部署)に四年、
整理部(紙面編集して見出しをつけ新聞自体をつくる部署)に一年半いました。
整理部の仕事の方が好きだったという話は以前もどこかで書きましたがそれは今どーでもよくて、
つまり原稿を書いているのと
見出しをつけているのは違う人間で
そのどちらにもその論理があるということです。

原稿を書いている人間は
もちろん現場の空気を知っていますし、
実際に人に会って話し、
憎んだり同情したり愛したりします。
新聞ですから基本的にそれほど何かに肩入れするような記事は載りませんが
もちろん、思いがあって記事を書くわけです。
思い入れがあるものもあります。
批判的な流れの中でも真摯に書こうとすることもあれば
やや皮肉をこめて書くこともあります。
詳しくいうとその後にキャップやデスクの鬼のような直しが入ることもあり、整理部に届いた時には自分が書いたものとは全然別のものになってることも多いのですが、割愛。

整理部の仕事はその記事のエッセンスを瞬時に11文字以内に押し込めるということでもありますが、
読者の目を引く、分かりやすい、面白い、おしゃれなものにするのも仕事です。記事の編集権もあるので、後ろの方の長ったらしいところはカットして載せることもあります。

現場の空気を吸ったばかりで熱っぽい出稿記者と
部屋で面白い紙面、目を引く見出しをひたすら考えている整理部記者はぶつかることも多く
こんな見出しつけないでほしいと思う取材現場の記憶も
紙面全体を考え何より読者の方を向いている編集現場の記憶も
結構なまなましく覚えています。

だから私は
例えば取材時に面と向かって話をした記者が思うように原稿を記事化していないのを知っており、
タイトルや見出しになるべくごまかされず
記事の内容もよく読むタイプです。
たとえばその文春の記事や
同時期に記事がのっていた週刊大衆の記事も
よく読みました。
よく読むと、
記者の良心のようなものが三文字くらいは見つかるもので、それはそれで結構ほっこりした気分になりますし、個人に対して攻撃的な気分にはなりません。

で、
逆に明らかに嫌いで馬鹿な個人がいたら、
その人と仕事をしなければいい
というのも真理で、
何も大きな会社全体を毛嫌いしないでもいいというのも整理部時代に勉強しました。
このエトキを書いたやつとだけは仕事しません!とかね。
それはそうすればいい話です。

私は
誇張癖のある、ポエマー気取りの、才能がないが故に凝った表現が好きなライターにインタビューを書かれるのは嫌ですから
そういう個人に仕事オファーをされたら断ります。

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第三に、
これが一番重要なことですが
報道の自由の法のもと、
報道する側の最後の良心を信じていることです。

言うまでもないが
なるべく最大限まで報道の自由を支持したい。
それは報道機関にいた人間として当然です。
例え自分に火の粉がかかり、
末期癌の母親に「あなたの騒動のせいで癌が倍の大きさになった」と言われた時も、
その母がその想いのまま死んでいったのを見た時も
その気持ちは特に変わりませんでした。

自由というのはものすごく厳しくて
記者やカメラマン個人個人が負うべき覚悟や持つべき良識が問われます。
それが担保されないのなら自由は後に奪われるでしょう。

私は、
取材者を志すものなら
日々の雑務に追われて見えなくなることこそあれ
その自由を支持し、支持するが故に自分を律しようと奥底で思っている、、、
と、同業者のよしみで思っているわけです。

で、その覚悟と見識の上で取材執筆をしてるのであれば、
自分の意にそぐわないものでも圧倒的に認めようと……
まぁ努力はしています。

こんな記事も書いたことがあります。


おまけの第四に、
私はエンタメとしての週刊誌的なもの
紙媒体としての雑誌を本当に愛しているし、
ゴシップも悪口も好きなので
自分のことだけ正しい反論をしようなんていう気はもともとなく、それをしてしまうと
私という俗っぽい人間が成立しないというのがあります。
だから、文春(実は個人的にはあまり恨みがない)も現代(実はちょっと個人的には恨みがある)も、まだ読んでいますよ。
読んでいますし、連絡がきても出ない!仕事しない!とか思ったことはないです。
そもそも雑誌なんて編集長がかわれば一気に雰囲気がかわる可変物ですから
それ自体を長くうとましく思っていたら面白いものを見逃します。 

さらに関係ないけどさ、
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報道の自由とおまむこを大切にね❤︎