最近はすっかりライブに行くのが当たり前のことになってしまった。しかし5年前までライブやコンサートなどに行くことなど、生涯で片手で数えられる程度だった。もちろん水曜日のカンパネラに出会ってしまったことは、きっかけのひとつだが、兎角ライブハウスに行くことに関して欠かせない存在がある。
それが卯ノ花クダシというバンドである。

ちょうど水曜日のカンパネラを知ったころに、一人の青年と知り合った。親しくなるうちに彼がインディーズのバンドのメンバーであることを知る。彼は卯ノ花クダシというバンドの一員、ベース担当のヤハ・タクヤだった。もちろん元々音楽好きだったのと、さらに知ってるやつがやってるならという気持ちからライブハウスで彼らのライブを見に行こうということになった。場所は下北沢のReGというライブハウスだった。今となれば、数々の劇場やライブハウスのある「演劇と音楽の街」の下北沢に行くのは当たり前になったが、当時はそうではなかった。買い物とかに行くにしろ、自分の動線にはなかった下北沢にまでわざわざ行く用事などなかったのだ。
そこでついに彼らのライブを見ることとなる。インディーズの彼らは単体でライブをすることはなかった。対バンと言われる形式で他のバンドが主催するライブに参加していた。演奏時間が20〜25分くらい、入れ替えが10分くらいで5〜6組くらいの演奏が行われる。終わるとバンドメンバーが会場で手造りのCDなどを物販をする。そんな仕組みだ。
生で聴く楽器はひさしぶりだった。腰から下に響く低音のドラム。メロディーを刻むギター。その二つをつなげるために欠かせないベース。そしてボーカル。閉塞されたライブハウスという空間にそれらの音が重なり合う。この包まれ感は体験したことがなかった。
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当時の卯ノ花クダシは5人編成。全員男子!!ドラム、ベース、ギターが二人とボーカルだ。二つのギターは一つがいわゆるコード進行的なポジション。もう一つは妖艶なメロディーを刻む。彼らは元々高校時代の軽音部だった。全員同級生で卒業してからバンド活動をステップアップして、こういった舞台に立っていた。曲を作っていたのは、その妖艶なメロディーを刻むギターのまついみつまるくんだった。彼の作る音楽は王道のバンドロックでありながら、どこか和風の雰囲気の漂うサウンドだった。曲調としては自分の好みだった。今でこそかなりの力をつけて活躍する彼らの原型というものは、思えばこの時からしっかりとそのイメージというものを表現していた。

現在の彼らの音楽はこちら。
それからというもの、彼らのライブがある時にちょくちょく行くようになった。そのお陰でライブハウスに行くこと、運営の予約をしたり、手売りのチケットを買ったりと、今でこそ当たり前のことが構築されたのだった。
バンドメンバーが変わったり等いろいろあったが、彼らの音楽は続いている。確固とした卯ノ花クダシというジャンルを昇華し続けている。彼らの成長を目の当たりにできているとこは自分にとって本当に良かったと感じている。完成されたものを知るのは比較的容易いが、こういった過程を見られることは自分にとって本当にプラスになると感じている。

今でこそ卯ノ花クダシ主催でワンマンライブができるほどの力をつけているが、ゲストの対バンとして呼ばれることはもちろんあることだ。対バンによって、自分から興味を持って聴くわけのなかった音楽との出会いもある。卯ノ花クダシはそういった意味で自分の音楽の幅を大きく拡げてくれた。そう、興味のなかった分野まで拡げちゃってくれたのだ。