小学校の頃、僕より歳が二つ下の「たけちゃん」という少年が、近所に住んでいた。

たけちゃんは、おならを出す名人で、うんことおならが鉄板の小学生にとっては、もう神様のような存在だった。

そんな彼の一番の得意技は、おならを分割して出すことで、その中でも、大人気の技は、「必殺おなら六連発」という技。

こいつは、僕らが「屁の歌」と呼んでいた歌と共に繰り出される技で、「屁がでるよ♪ブッ♪もひとつね♪ブッ♪おまけにもう三発ね♪ブッ♪ブッ♪ブッ♪」と、計六発のおならを快音と共にきれいに捻り出す、超必殺技だった。

まわりのみんなが、どれ程のチャレンジをしても、決して誰一人と成功できなかったこの技を、たけちゃんは、いとも簡単に毎日繰り出すのだ。

なんとか成功してやろうと躍起になったガキ共に、幾度となく悲劇が襲った。大体、最初の二発までは、ほとんどの子供が成功するのだけれど、最後の三連発が甘くない。

「屁がでるよ♪ブッ♪もひとつね♪ブッ♪おまけにもう三発ね♪プスッ♪」くらいで終われば、柔らかな笑いに包まれるだけなのだが、「屁がでるよ♪ブッ♪もひとつね♪ブッ♪おまけにもう三発ね♪ブッ♪ブチッ♪ブジュジュ♪」などとなった暁には、勇敢なチャレンジャーから、嘲笑の対象へと、一気に突き落とされてしまうのだ。

そんな、Dead or Aliveの戦いを、登下校で繰り返していたある日、たけちゃんは、親の転勤で遠い町へと引っ越すことになった。

たけちゃんは、引っ越しの前の日に、最後の「おなら六連発」をみんなに見せると、あまり寂しがる様子もなく、手を振りながら、だんだんと小さくなっていった。

その後も、しばらくの間、僕らはおなら六連発に挑戦し続けたけれど、結局誰もそれを成功させることはできず、そのブームはたけちゃんの存在と共に、少しずつ忘れ去られていったのだった。

僕は、今でもおならをすると、たけちゃんのことを思い出す事がある。

時々、部屋で一人、おなら六連発に挑戦したりもするのだが、未だに成功した試しがない。

アデュー



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