好きだった君 君だったあの頃の日々 あの頃の日々だった夢
たなかのたんか 相聞歌

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🌟飲みもの🌟
キッコーマン チョコミント

「豆乳飲料 チョコミント」は、チョコレートのコクと爽やかなミントの香りが特徴の豆乳飲料です。お菓子やアイスクリームでも大人気のフレーバーです。小腹が空いた時のおやつや食後のデザートにおすすめです。乳原料は使用しておりません。1本(200ml)あたり133kcal、食物繊維4.2gを含んでいます。

🌟本🌟
漁港の肉子ちゃん
西加奈子

北の港町。焼肉屋で働いている肉子ちゃんは、太っていてとても明るい。キクりんは、そんなお母さんが最近恥ずかしい。肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描いた、勇気をくれる傑作。

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土地の人は、優しかった。雪の中、8歳の女の子の手を引いて、いなくなった男の行方を捜す大きなマトリョーシカの噂は、たちまち、港をまわった。とても、小さな街だった。
肉子ちゃんと私は、しばらく、この街にいることにした。
私は、強い雪と、旅行の匂いと、揺れる船を気に入ったし、肉子ちゃんは、港の人の優しさに甘えた。
なけなしの金をはたいて、興信所を頼った肉子ちゃんは、消えていった大金の代わり、自称小説家が、すすきので違う女と暮らしている、という情報を得た。
肉子ちゃんは、今まで、恋を失うたび、盛大に泣き、盛大に悲しんだ。そういうときの肉子ちゃんを見ると、見たことがない「オペラ」という言葉が浮かんだ。とても、ドラマティックだった。でも、そのとき、肉子ちゃんは、静かに、口角をあげただけだった。
あとから聞いたら、そのときの、港の風景、小さな宿から見えた、白くて、静かな港の風景が、自分の心象と、あまりにもぴたりと合っているものだから、笑ってしまったのだそうだ。雪って、港って、すごい。
「雨ヨ、と、書いて、雪と読むのやな!」
片仮名も使うのね。
肉子ちゃんは、この港で暮らすことにした。35歳。ボロボロだった。
私は嬉しかった。自称小説家の、置いていった本が、光が、すべて、自分のものになったのだ。