月別アーカイブ / 2021年09月


朝、娘を載せて自転車で保育園に行く。

途中に急な坂がある。

登る前に

『アンパンマンたすけてーーー』

登りきったら

『アンパンマンありがとーーー』

とふたりで言うのが日課だった。

今日も同じように

『アンパンマンたすけてーーー』

というと

『パパ、自分で登れるよ』
と娘が言った。

アンパンマンはいつもパトロールで忙しいので、気軽に頼んではいけないらしい

(ああ、娘はひとつ大人になった。

  誰かの大変さに思いやれる大人になった。)

訳知り顔にパパを諭す娘に

少しほっこりしながら

自転車をこぐパパであった。






只今この電車で人身事故が起きました

みんないっせいにスマホをみる

音もなくスマホを叩く指

だれも命のことを顧みない

誰かがチッと舌打ちする

もしかしたらあそこで死んでいるのは

僕なのかもしれない

我先に別の電車に乗り換える人たち

誰も命を顧みない

もちろん僕も

出発する別の電車の窓から

オレンジの覆いをされたナニカが

運ばれてゆく

ああ、あれは葬列だ

誰にも顧みられることもなく

ただ通り過ぎていく

あれは葬列だ

もしかしたら僕の

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