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「夢」を見、追いかけたことがある人こそ
誰より、「現実」を知っている。

「あきらめはしない。ただ、あきらめなければどこまでも行けるわけではないことは、もうわかっていた。」(84頁)

「はじめから望んでいないものをいくら取りこぼしてもつらくはない。ほんとうにつらいのは、そこにあるのに、望んでいるのに、自分の手には入らないことだ。」(84頁)

辛く、苦しいのは、本気だから。



ーピアノが、どこかに溶けている美しいものを取り出して耳に届く形にできる奇跡だとしたら、僕は喜んでそのしもべになろうー

十七歳の秋、ひとりの調律師との出逢いから、ピアノに魅せられ、調律という道を歩き始める、ひとりの青年(外村)の物語。


宮下奈都さんの、羊と鋼の森、読了しました。 



「大事なことはちゃんと大事な誰かがやってくれる。どうでもいいようなことを頼まれるのはどうでもいいような人間だ。」 

物語冒頭2ページから、こんな一節が。もう、初っ端から「好き!」「期待値高まる〜」ってなるんですね。

主人公が達観思想であればあるほど、その物語に、親近感と共感を覚えやすくなる傾向があります。

人にもですが、自分にも期待しない方が、色々と楽に思ってしまう時があります。鈍感に、鈍感に、なろうとしてる自分に、たまにハッと気付いたりする。

でも、ひとつひとつに一喜一憂して、繊細にいたほうが、きっと人生は輝くだろうなということも知ってる。
それは、生きづらさに比例するだろうけど。

そのことを、心から敬愛するものと、触れ合ううちに知った外村は幸せ者だなぁ。



「お客さんが求めているのは、四百四十ヘルツじゃない、美しいラなんだよ」。(101頁)

技術よりも、求められるものがあること。それは、努力では手に入らないものの可能性があること。でも、努力し続けることは、もうすでに才能であること。



「夢は追い続ければ、いつか必ず叶う」
と心から言える人はどれくらいいるだろうか。

でも、初めて、もっともっとと
「わがままになれたもの」は
ずっと大切にしていていきたい。

「わがままだと言われたのは、記憶にある限り、生まれて初めてのことだ。」(170頁)



外村の、悩み葛藤し、それでも立ち上がる、勤勉な姿勢に、過去の痛みを重ね、涙し、目を背け逃げ続けるならば、自分の欠点をもすべて愛し、受け入れることを肯定されるような、優しい物語。

ピアノ門外漢でも、澄み切った湧き水を手ですくったような瑞々しさと、静謐さを湛えた宮下さんの文章に身を委ねるだけでも、とても心地良いです(﹡ˆᴗˆ﹡)



そして、もう一冊


本谷有希子さん、異類婚姻譚。

他人同士が家族になる、同じ家に住まうことの不思議さを軽妙な文章で描いた表題作。
じょじょにじょじょに、迫る不気味さ。
「最後は、マジか!」。

その他に、短編が3作。
日常の中に潜む、非日常。 
妄想や些細な思考が、確実に現実の行動に
伝染していく恐怖、、、。

世にも不思議な世界感。
ホラーとファンタジーの融合?!

とっても面白いです。

こちらも、同時にオススメ致します。

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花粉様の影響は、どうですか?
無条件に心躍る春も、恩恵ばかりではないですね。                  
苦しんでおられる方、身近にたくさんいらっしゃいます。

私は、体の免疫力に自信はないものの
なぜか、毎年、大丈夫です。

ただ、鼻のムズムズ感とくしゃみが止まらず、今すぐ鼻を取り、たわしでごしごし洗いたい気分では、あります。



では、最後までお読み下さり、有難うございます。             
また更新します。


齋藤優里彩