これまで白ごはん.comなどを通して、鍋炊きご飯のレシピを詳しく紹介してきました。昔から鍋炊きに使われてきた「文化鍋(上の写真のお鍋です↑)」や、「土鍋」だとかを使って。
どうしてかと言ったら、やっぱり電気炊飯器よりも美味しく炊けるから。芯までふっくら炊ける美味しさ、炊き立てはもちろん、冷凍保存や弁当で後から食べるとまたその違いがはっきりわかる炊き上がりになっていると思います。
それぞれの炊き方に関しては『基本的な鍋炊きご飯の炊き方』、『土鍋でのご飯の炊き方』を参考にしていただくとして、その鍋炊きの場合の水の計量をもう少し簡略化できないかと考えてやってみた結果をこの記事にまとめたいと思います。少しだけ専門的になりますので、興味のある部分をかいつまんで読んでもらえばと思います。
*********まずは米と水の関係***********
米を炊飯するにあたって、あくまで一般的な目安となる水加減ですが、
米に対する加水量は米重量の1.3~1.5倍がちょうどよいとされています。
(私が講習を受けた“ごはんソムリエ”での内容もそうでしたし、実際にいくつかの大手メーカーの炊飯器の内窯を確認しても、米を加えた後に加える水分量は米重量に対して1.4~1.5倍くらいが多かったです)
********それでは鍋炊きの水加減はどうなのか?**********
ご飯を炊くというのは、水を使って乾燥している米に火を通しつつ、水を残すことなく、焦がすことなく米に吸水させる調理法です。なので、人が火加減を細かに調整できる鍋炊きの水加減は料理をする人によって千差万別。水が多くたって、少なくたって、要は米を焦がさず水を残さずに炊き上げればいいだけですから。
では何でもいいかというと、実はそうではありません。上に紹介した基本的な水加減1.3~1.5倍で鍋炊き炊飯すると、私の知るいくつかの炊き方とこれまでの経験では、芯からふっくら炊くことはできないと思っています。1.3~1.5倍の水加減では水が少ないのです。おそらくそれは加熱中の蒸発量などが電気炊飯器とは異なるからだと思っています。
********白ごはん.comでいま紹介している水加減は?**********
白ごはん.comでは米を研いで浸水させてから、しっかりと水気を切り、その浸水した米と同体積の水を加える、という方法を紹介しています。これは私が料理屋で働いている時に教えたもらった方法で、いまでも変わらずその炊き方を続けています。
米は研いだ後に浸水させると、0.2~0.25倍の水を吸います(米重量比で)。
その浸水した後の体積を量ると、1.6~1.7倍くらいになります(同じく米重量比で)。
つまりその2つを合わせて米を炊くので、水加減としたらはじめの米重量に対して、1.8~1.95倍くらいにはなっているというわけです。
一般的な1.3~1.5倍よりもずいぶん多い水加減にはなっていますが、白ごはん.comで紹介している炊き方では、水加減が多いほうが美味しいご飯が炊けると思っています。
実際に水加減を減らして炊いてみたこともありますが、甘みが弱かったり、ふっくら感が弱かったりしました。
********それではより手軽な水計量のやり方は?**********
米を研いで浸水させるというのが前提にはなりますが、
2合に対しては、水400~450ml
3合に対しては、水600~650ml が一つの目安になると思います。
これまで“浸水した米と同体積の水を加えてください”というレシピにしていたので、米を量ってから次に水を量るという手間がかかっていました。それをこの水分量を参考にしてもらえば、米を量らずに水だけの軽量ですむというわけです。
※米が1合150gなので、2合300gに対して400だと1.33倍、450だと1.5倍(これに浸水0.25倍を足すと1.58~1.75倍)。3合でもほぼ同じような比率になります。
※鍋炊き途中の火加減や鍋自体によって、加熱中の蒸発量が異なることから、私がいつも炊く水加減(1.8~1.9倍)よりも少しだけ水を少なめにして覚えておくと失敗が少ないと思ったので、この水分量にしています。
長々と書いてしまいましたが、白ごはん.comの鍋炊きの炊き方を紹介しているページに、
2合に対しては、水400~450ml、3合に対しては、水600~650ml
この数値を入れようと思い、長くなりすぎるのでブログにその詳細を記載させていただきました!
また炊飯に関して追記・変更などがあれば、その都度ブログなどでも紹介していこうと思います。
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