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人間彫刻白いサラリーマンこと、「白リーマン」が出来てから13年になります。
今回は白リーマンがどうやって出来たのかを書きたいと思います。

いまから13年前、ぼくは早稲田大学にある「マイムトウ」というパントマイムのサークルでパントマイムを習っていました。
主催者はパフォーマーのハッピィ吉沢さんで、全国各地のフェスティバルやイベント現場でお仕事をしています。
ここでパントマイムとパフォーマンスを学んで、芸人の道を歩まれた方もたくさんおられます。
(サンキュー手塚さん、加納真美さん、カナールペキノワなど)

2006年の梅雨の季節、ハッピィさんが大道芸のプロデューサーを囲む飲み会にマイムトウの若者を連れてゆき、なぜかそこに僕も呼ばれました。僕以外の面々は、すでに自分のパフォーマンス作品を持っていて、僕は自分の身の置き所が無い感じを味わっていました。

なぜ僕はここにいるのだろう。
と思っていたら、プロデューサー氏から
「まだ人間彫刻をしているパフォーマーはいない。やってみろ」
という宿題が唐突に僕に出されました。

そのときすぐ頭に浮かんだのは、アメリカの彫刻家、ジョージ・シーガルの作品です。
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シーガルはアトリエに連れてきたモデルさんの全身を直に型取りした白い石膏彫刻で、一世を風靡しました。
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僕は高校生のときから彫刻や立体に興味があって、インテリアデザインを専攻した美大の卒業制作も、椅子を選びました。

シーガルの作品は大好きだったので、
「どこにいても違和感の無い、白い日本人」
という設定でサラリーマンを選びました。

2013年8月、汐留にある日テレの屋外イベントがデビューになりました。
が、、
控え室で白いサラリーマンになった瞬間、周囲から笑いが湧き上がりました。
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えっ。
このキャラクター、
笑えるものなの??

真面目にニッポンのサラリーマンを風刺するアートをしよう、と思っていた僕の小さなプライドは綺麗に砕かれました。

その後たくさんの笑顔に囲まれ、たくさんのご縁とお仕事に恵まれ、いまやすっかり「白リーマン」となりました。

ありがとうございます¥
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僕は、フェスティバルではスタチューをほぼやりません。
ウォーキングアクトがほとんどです。

フェスでスタチューをやらない理由は単純で、
「正体がバレている」からです。

スタチューパフォーマンスが一番効果を出せるのは、それを人間がやっているとは知らない人に対してです。

彫刻になる演技に徹し、それを見る人から
「え?人?彫刻?」
という声が上がる。 それが、
「え?なになに?」
と他のお客さんを広げる。

そういうサスペンスが作れなければ、ビジュアルの先の身体技術まで人は見てくれません。
ハッキリ言えば、正体がバレバレのスタチューなんて、全然存在理由はありません。

僕がフェスでスタチューをしても、
「いやぁ、
Shivaさんは流石に止まるのも上手いなー」
なんて声が上がるのがせいぜいでしょう。
他のお客さんも「ほぅ、そうか」と思うだけです。

スタチューパフォーマーがいるフェスはたくさんありますが、フェスの現場においてショウパフォーマーより格上の扱いを受けることは、絶対にありません。
その理由が、上記です。

フェスでは、オブジェクトに徹するというスタチュー最大の使命と武器は、現場に立つ前にもうすでに無くなっているのです。

なかまが沢山いる楽しいフェスに参加したいだけなのか。
磨き抜いたパフォーマンスで、人の心をホントに動かしたいのか。
スタチューをやっている方は、一度よく考えてみた方がいいのでは無いでしょうか、、、?

野毛大道芸の存続危機のニュースを知りました。(神奈川新聞)
僕も初めて出演させて頂いたフェスで、そのときのご恩は忘れません。
けれど、国内の「大道芸」のフェスはどこも似たような状況になっているのではと思います。

スタッフも出演者もボランティアも毎年固定化していて、ほぼ「同窓会」に近いノリになっています。

僕は以前、ある大道芸フェスの写真展を見たことがあります。
どの開催年の写真も、観客の中に10代半ばから30代前半の現役コア層の方々がほぼいないのです。
大道芸に拍手した子供たちも、数年後の多感な思春期に入ると来なくなる。
エンタメのコンテンツに選ばれなくなってしまうのです。
(結婚して子供が出来ると家族でいらっしゃるのですが)

日本人は芸に対して変わらぬことを求めますが、フェスの構造自体がそれだと絶対に細っていきます。

毎年すべての出演者が全て入れ替わる、或いは今のカルチャーのトレンドが入っている、などの脱・「大道芸」化にシフトしないと、フェスの存続は今後ますます難しいのでは無いでしょうか。。

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