2020年3月4日、本日関取花の新しいミニアルバム「きっと私を待っている」が無事発売されました。

世の中それどころじゃないことは重々承知ではございますが、作品は我が子のような存在です。今日は我が子が世の中に放たれた日、言ってみればはじめての誕生日みたいなものです。ちょっと語らせてください、すみません。

私は昨年の5月にメジャーデビューをしました。ユニバーサルシグマさんからです。

28歳でのメジャーデビュー、もう子供ではありませんから、それまでインディーズでセルフでやってきたのとは動くお金も人も桁違いなことはすぐにわかりました。
その中でもちろん疑問に思うこともあったし、(正直時間と予算をかけるポイントはそこじゃないんじゃないか、とか)それ以上にたくさんの発見もありました。

ユニバーサルは原宿の竹下通りを抜けてすぐのところにある、都内を見下ろすでっけぇビルの中にあります。会議室からは東京の街を急ぎ足で行く人々が米粒みたいに見えます。
すごいな、さすが天下のユニバーサルだ!お金持ちの景色だ!さすが地球まるごとロゴにしてるだけあるな!と思いました。どすこいレコーズでずっと細々とやってきた私にとっては、小学校の社会科見学に来たような気分でした。

中もとっても綺麗でオシャレなオフィスです。ビートルズのアビーロードのジャケが壁一面にプリントされていたり、各界のエレベーターホールではユニバーサルのアーティストのMVが流れていたり。これが大企業の余裕か、と思いました。

でも、実際に前作をリリースしてみて感じたことがありました。

正直、みんな全然余裕なんてありません。

私のアーティスト担当の方は毎日顔色が悪くて、ドクロみたいな顔のこともしばしばです。宣伝担当の方はとっても綺麗で可愛らしい女性だけど、いつもスニーカーで小さな身体に大きな荷物をいくつも持って、なぜか早足です。

そうです、みんなそれだけ働いています。汗水垂らして頑張っています。やり方の違いは多少あるかもしれませんが、メジャーだからとかインディーズだからとかは関係ない、それぞれみんな必死なんだと思いました。少なくとも私の知る方々は。(他は知らん)

みなさんもお察しの通り、今の時代CDはなかなか売れません。いずれなくなると言う人も多いです。私だって、そんなことない!と100パーセント語気を強めて言えるかと言われたらそうではないかもしれません。でも、なくならないで欲しいと本気で思います。

私をユニバーサルシグマに口説き落として下さったアーティスト担当の方が言ってくれた言葉があります。「花ちゃんとは、自分の棺桶に入れたいと思える一枚を作れると思ったんです」という言葉です。たとえ嘘だったとしても、信じてみようと思えました。絶対作ってやると決めました。

音楽の聴かれ方は日々姿を変え、形を変えています。これからきっとより便利に、手軽になって行くと思います。でも、棺桶に入れるなら、私はやっぱりCDやレコードが良い。そして一枚選べと言われたら、きっと自分の作品のどれかを選ぶと思います。そして、みんなにとってもそう思える作品をこれからもっと作って行きたいです。そのためにはまだまだ修行が足りないと感じました。だからメジャーに行きました。今作はその二作目です。

「きっと私を待っている」は全6曲入りです。MVもアップされている1曲目の『逃避行』から6曲目の『家路』まで、今の関取花がとてもよくわかる一枚だと思います。曲の詳細はここでは話しません。とりあえず聴いてください。胸を張って良い作品だと言えます。

今私は、自叙伝の先を書けるようになりたくてもがいている最中です。
自分の実体験の話は強いけれど、負けないくらい、その先の出来事を想像したり、自分以外の誰かを思いながら書いた曲も強く残せるようになりたいです。そのための経験の一つとして昨年から新しい環境に飛び込みました。社会の動きをもっと知りたいし、そこで揉まれる人々のことをもっと知りたい。大きい組織の内部を知ることで、ちっぽけな自分の強みも知ることができるはずです。
とはいえその中でしっかり自分を保つことはとても難しく、まだまだ頭が追いつけていないところも正直あります。でもいつか、これもまた新しい歌になるでしょう。

長くなりましたが、こんな風に必死でくらいつこうとしているところも含めて、楽しんで聴いて下さればと思います。サウンドはインディーズの頃よりポップになったかもしれませんが、裏側はよっぽど泥くさいです。そしてそんな日々と環境にいられることに心から感謝しています。

レーベルの方はもちろん、マネージャーさん、レコーディングメンバー、そのほか制作に関わって下さった方々、今までお世話になった方々、家族、友人、とにかくみなさんのおかげです。ありがとうございます。

そして何よりいつも応援してくださるみなさん、本当にありがとうございます。今日はこれまでいただいたファンレターなどを読み返していました。自信をなくすことも多い毎日、不安になることも多い世の中だけど、これが私の元気の源です。

私からできることは音楽を届けることだけなので、今は「きっと私を待っている」ぜひ聴いてくださいね!とだけ言っておきます。
この作品を聴いたあと、いろんな景色がみなさんのことを待っていますように。

それでは、早く穏やかな春が来ることを願って。