聞かれると困る質問がいくつかある。

厳密に言うとたくさんあるのだが、聞かれる頻度と、きちんと答えを持っていなければならないであろう度合いで言うと、

「あなたにとって音楽とは何ですか」

これになる。

都度都度それっぽいことを答えてきたのかもしれないが、納得して答えられた試しがない。最近ではあまりにもわからなすぎて、参考にと、テレビチャンピオンで優勝者が最後に何と言っていたかを検索したりする始末である。  


「人生です」
「自分そのものです」
「ずっとそばにあるものです」


美しい答えはたくさんある。そしてその全てに、なんとなく頷ける部分もある。しかし、なんかこう、なんかもっとこう、あるんじゃないかとずっと思ってきた。

そんな中、ようやく「おっ、これは」と思える答えを見つけた。



「うんこ」である。



食事中の方がいたら申し訳ない。こんなこと言う女嫌だなと思う方には合わせる顔もない。親も泣いているかもしれない。でも、割と本気で、大真面目にそう思ったのだ。

たくさん食べたらたくさん出るように、たくさんの経験や吸収をしたら、良い曲がたくさんできる。かと思えば、急にまったく出てこなくなる時もある。それでもなんとか出すために、あれこれ試して必死であがいたりする。そして良いものを出せた時には、自分に後光が差しているかのような晴れやかな気持ちになったりもする。その瞬間を知っているから、なんとか頑張れる。それは日常の中に当然にあって、毎日繰り返して行く。そういうものなのだ。うん、これは我ながら良い答えだと思う。

しかし、割とかっこよく答えなければならないであろうこの質問に、キリリとした顔で「うんこです」と答える勇気があるのか、それが問題である。


シーンで言うと、「プロフェッショナル」のラストで、スガシカオさんの曲が流れるところである。想像してみて欲しい。


テロップ:「関取花にとって音楽とは?」



関取:「…うんこです」 


(♪ ジャラララ〜ン…ぼくらは位置について〜…♪)



逆にありか、いや、なしなのか。正直自分でもよくわからない。


しかし、いつか堂々と胸を張ってそう答えられる日が来たなら、それは素晴らしいことだと思う。正確に言うと、大真面目に「うんこです」と答えても、「何こいつ…」とならないような人になれたのならば。


寒い日が続きますね。
みなさんもお腹、冷やさないようにね。