ある日、電車に乗っていた時のことである。

隣に座っていた4、5歳の女の子と、彼女の母親の会話が聞こえてきた。純真無垢なキラキラの瞳で、彼女はお母さんにこう言った。



「わたしはどこから産まれてきたの?」



で、出たーーー!その質問!!と内心思いながら、私は耳をそば立てた。一体どんな返事をするのだろう。するとその子の母親が、穏やかな表情でこう言った。



「天使が運んできてくれたんだよ」



100点!もう、100点満点!グッジョブ、お母さん!これには女の子も、そうなんだ〜と納得の様子であった。

幼い頃に誰もが一度は持つこの疑問、そして一度は投げかけるこの質問。たとえ真実は一つだとしても、すぐに真実を事細かに話す親はあまりいないだろう。だから、それぞれの答え方で、それぞれの「産まれてきた場所」をまずは教えるのだ。

ご多分に洩れず、私もかつて同じ質問を母にしたことがある。「私はどこから産まれてきたの?」と。あれは小学校に上がるか上がらないかの頃だったと思う。

今でも忘れはしない。私の母は確かにこう言ったのだ。




「首よ」



「首から産まれてきたのよ」




あまりにも自信満々に、あまりにもさも当たり前よといった感じで母が言うので、私はそれを信じた。かぐや姫の竹が首になったような感じで産まれたのか、と思った。今になってみれば、それがどれほどえげつない光景かは想像しただけでなんていうか本当にあれなのだが、何しろ純真無垢な少女の頃である、そうか、首から産まれたのか、と妙に納得してしまったのである。





(当時想像していた図。狂気でしかない。)




それからしばらくして、友達と「どこから産まれてきた談義」になった。
ある友達は「天使が運んできてくれた」と聞いたと言う。また他の友達は、「コウノトリが運んできてくれた」と聞いたと言う。二人は話しているうちに、「きっともともとは天使が運んでいるんだけど、途中でなんらかの事情でコウノトリに預けた場合、コウノトリが赤ちゃんを運んでくる場合もある」という結論に至った。そして、「花ちゃんはどこから産まれてきたの?」と聞かれたので、私は自信満々に、こう答えた。


「首」


「私、首から産まれてきたらしい」



その直後、謎の沈黙と不穏な空気が私たちを包んだことは言うまでもない。しかし、そこは純真無垢な少女たち、なんとかして穏やかな結論に持っていこうと頑張ったのだった。色々考えた結果、


「もう、花ちゃんのお母さん天使だったんじゃね説」


に辿り着いて、一件落着した。

それからしばらく、私は天使から産まれた天使の花ちゃんのキャラだったが、その中身があまりにも天使っぽくなかったので、あっという間に忘れ去られたのだった。


もしも私に子供ができたら、どんな風に伝えるだろう。電車に揺られながら色々考えてはみたものの、自分の母親を越えられるパンチのある答え方は、未だに見つかっていない。

それにしたって首はひどい。今度会ったら母親になんであんなこと言ったのか聞いてみようと思う。しかし、私があまりにもブログやラジオで母親のネタを話すので、最近ちょっとわざとウケを狙って話してくる傾向がある。だから、あれで聞いてみようと思う。




そう、LINEでね (どや)



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ということで、ブログがLINEブログになりました。と言っても特に変わったことはありません。(過去の記事もこのブログで読めます。)

これからも気ままに更新して行きますので、何卒よろしくお願い致します。