月別アーカイブ / 2021年07月


大吉出すのがなかなか難しい。

昔からよく、「昨日〇〇にいたよね」「さっき〇〇で花ちゃんのこと見かけた」などと知り合いに言われる。たしかに私は外に出かけるのが好きだから、どこかしらふらふらしていることは多いかもしれないが(今は世の中の状況もありなるべく控えているけれど)、何がおかしいって、こう言われるほとんどの情報が間違っているのである。それ、私じゃないのよ。
 
ある時は福岡で。またある時は新宿の歌舞伎町で。またある時は大阪の飲み屋で。またある時は渋谷の練習スタジオで。大体のシルエットなのかなんなのか知らないが、どうやら世の中には私に似た人が複数人いるらしいのだ。で、大体その目撃されたくらいの時間に私は何をしていたかというと、大抵家にいるのである。そういう時に限って、家から一歩も出ていない日だったりする。
 
ライブに来てくれるお客さんに言われたこともある。「昨日〇〇のバス停で花さんっぽい人見かけました」「先週〇〇でお買い物しているところ見ました」一体その人は誰なのだ。こうも続くと、時々本当に自分の分身がいるんじゃないかと思ったりする。
 
でも、さすがに本当に仲の良い友人からの目撃談は合っていることが多い。大体そういう時の私はギターを抱えている。つまりスタジオ帰りの可能性が高い。スタジオ帰りということは、ライブの準備か曲作り期間か、とにかくアドレナリンが出まくっている状態である。もしくは感受性が豊かになり過ぎていて、その反動で真っ白な灰のようになっているか。
 
そういう時の自分はたしかに頭がボーッとしていて、脳が常に熱を持っていて、良くも悪くも自分を扱いきれていない時で、とりあえず一人になりたいと思ってしまっている節がある。決して不機嫌とかそういうわけではないのだが、誰でもウェルカムな表情かというと決してそうではないと思う。ある時は電車の中。ある時はスープカレー屋。ある時は喫茶店。「とても話しかけていい雰囲気じゃなかったから、声をかけないでおいた」とほぼ必ずと言っていいほど友人には言われる。
 
しかし、友人以外の人から言われる目撃情報の私は、大抵常にハッピーそうというか、笑顔で楽しそうな感じなのである。もちろんそういう私もいる。誰かといたり、仕事の時だったり、どんな人間にだって、「対・人との時の私」スイッチはあるものだ。だし、それだって紛れもなく本当の私だ。でも、基本的に一人でいる時なんて大抵チベットスナギツネみたいな顔をして遠くを見ている。そんなもんだ、みんなそうだと思う。一人でいる時も常にクアッカワラビーみたいな人なんてほとんどいないと思う。
 
ということで、もし街中でチベットスナギツネみたいな顔をしている小さいやつがいたら、それこそが本当の私かもしれない。でもできればそっとしておいていただけるとありがたい。そしてそのままどうか忘れてほしい。自分の胸のうちだけに秘めていてほしい。「あ、今日の花ちゃんチベットスナギツネだったわ」って。じーっとどこか一点を見つめながら、何も考えていないような顔をして、必死で何かを考えている最中かもしれない。

まあ大体この時期は、今夜アイスを食べるか否かの葛藤をしているだけだけど。ちなみに今日はチョコモナカジャンボを食べました。久しぶりに食べたらやっぱり美味しいねえ。あ、その瞬間だけは家で一人でもクアッカワラビーみたいな顔してたかもな。

時々、芸名について考える。私の関取花という名前は本名で、芸名をつけようと考えたことはこれまでなかった。理由は特にない。ただ考えるのがめんどくさかったからである。
 
でも、いいなあと思う芸名はたくさんある。その中でも好きなのが、「エディット・ピアフ」と「美空ひばり」である。
 
エディット・ピアフも美空ひばりも、世界のすべての美しさも悲しさも秘めているようなあの美しい歌声を聴くととても身長が高そうな印象を受けるが、実はそうではない。二人とも150cm前後(諸説ある)だったそうだ。ちなみに私は149cm。そういった意味でも本当に憧れの方々なのである。
 
ちなみにエディット・ピアフの「ピアフ」はフランス語で「スズメ」「小さい鳥」という意味があるらしい。美空ひばりの「ひばり」もまた、その鳴き声は春を告げるとされる小さな鳥の名である。たしかに鳥のさえずりには、その身体からは想像できないほどの何にも代えがたい可憐な響きがある。まさに二人にはぴったりの芸名というわけだ。
 
だから私も、もし芸名をつけるとしたら何か鳥の名を入れたいと思う。苗字はもう関取のままでいいだろう。10年もこの名前でやってきたのだから、まったくリセットにするのはもったいない。花も捨てがたいが、今回は致し方ないだろう。ということで私は、「関取」と自分の好きな鳥の名とを試しに色々と組み合わせてみることにした。
 
①関取文鳥
 
なんだろう、どう頑張ってもアコースティックギターを抱えて歌を歌っている姿が想像できない。着物を着て扇子を片手に正座して、何か一生話していそうな気がする。
 
②関取鴨
 
悪くない気がする。川をスィーっと気ままに泳いで行く姿を想像するに、おそらく今以上にマイペースな活動になるだろう。渡り鳥だし、きっと拠点も特に定めないでやるタイプだ。しかし鴨はどちらかというとガアガア鳴く印象が強く、さえずりとはほど遠い。歌を歌うという意味では、ちょっといかがなものか。
 
③セキトリメジロ
 
おお、なんだか文化的な香りがしてきたな。しっとりとしたいい曲を歌いそうである。しかし、ちょっと座りが良すぎてなんかあれである。前の二つに比べたらインパクトにも欠ける気がする。
 
④セキトリ・シマエナガ
 
私の一番好きな鳥である。正直実際に字にしてみるまでは第一候補だったのだが、こうして見るとあまりにも覚えづらい。セキトリ・シマエナガ。まさかのガダルカナル・タカさんよりも文字数が多い9文字。

そもそもシマエナガを知らない人にとっては、こりゃ一体なんのこっちゃである。近年白くて丸くて可愛い鳥としてじわじわと人気を集めているとはいえ、スズメやひばりのような親近感は世間的にまだないかもしれない。どんな音楽をやるのかも想像できない。和モダンテクノポップみたいな感じか。(何だそれ)ちなみに9文字の芸名だとミッツ・マングローブさんがいる。同じ9文字でもミッツさんのは美しいし覚えやすいのに。
 
うーん。いずれにしてもどれもイマイチである。そもそも関取という苗字が強すぎるので、私の好きな可愛らしい鳥たちの名とは相性が悪いのかもしれない。やっぱりいいや、関取花で。セキトリにトリも入ってるし。
 


暑すぎる時は、せめて自分の体の中で少しでも冷たいところを探します。

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